イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

男性ダンスボーカルグループの音楽特番出演傾向に変化…ならば尚の事『ミュージックステーション』を注視する

一昨日つぶやいた言葉に、1万近いインプレッションが集まっています。

Da-iCEは「CITRUS」がストリーミング再生回数1億回を突破し、昨年の日本レコード大賞を受賞後ビルボードジャパンソングスチャートで最高7位を獲得。現在でも総合100位以内に在籍し、カラオケ指標はトップ20を窺う位置にいます。

ストリーミング1億回再生を記録した「CITRUS」ですが、Da-iCEが同曲を音楽番組で十分披露できている状況とは言えません。特に男性ダンスボーカルグループは『ミュージックステーション』(テレビ朝日)に出演が叶わない状況であり、Da-iCEについてはこのブログで、番組出演が妥当であることを昨年秋の段階で記載しました。

しかし状況は変わっていないため、冒頭のツイート発信に至った次第です。

 

それでも、ここにきて男性ダンスボーカルグループがきちんと地上波音楽番組に出演できる傾向になっていると感じています。

たとえば今年の『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか 以下”紅白”と記載)にはDa-iCEの出演こそ叶わなかったものの、JO1およびBE:FIRSTが初出場を果たします(個人的にはDa-iCEとBE:FIRSTがジャニーズ事務所所属歌手以外で出場すると予想していました)。ジャニーズ以外の男性ダンスボーカルグループが複数登場するのは、紅白側が音楽チャート等をきちんと考慮したことの理由にほかならないでしょう(上記ブログエントリー参照)。

そして年末の音楽番組(長時間特番)においても、男性ダンスボーカルグループの出演傾向が目立っています。『ベストアーティスト』(日本テレビ)では昨年、Da-iCEは出演していませんでした(BE:FIRSTは昨年に続く出演)。これだけでも環境が変わっていると捉えていいはずです。

 

昨年末の音楽特番出演歌手および歌唱曲は昨年末のブログエントリーにまとめています。

では今年はどうでしょう。まだ放送自体が告知されていないものや追加歌手の発表があるであろう番組もありますが、現段階で判明している分をまとめてみました。なお昨年は年末に放送されなかった『テレ東音楽祭』(テレビ東京)についても取り上げています。

興味深いのは、Da-iCEが紅白以外の、現在までに放送や出演者がアナウンスされていない番組以外にはすべて出演しているということ。紅白出場の男性ダンスボーカルグループ(ジャニーズ事務所所属歌手を除く)において、BE:FIRSTやJO1に比べても多いのです。実際Da-iCEは『テレ東音楽祭』においてMCを務めた国分太一さんとのやり取りもあったと伺っており、その点においても安堵しています。

 

ならば、やはりこれまで『ミュージックステーション』に出ていないことについて、疑問が深まるのは自然なことでしょう。BE:FIRSTやJO1、INIならびに「チグハグ」がTikTokでバズを起こしたTHE SUPER FRUITも出ていない(一方でその全組が『CDTVライブ!ライブ!』(TBS)に出演済という)状況は、音楽番組として偏りがないかと思われてもおかしくないはずです。

たとえばDa-iCEは「スターマイン」がここにきてビルボードジャパンソングスチャートで起動に乗り始めていると言えます。この上昇の仕方は「CITRUS」でのブレイクをなぞっていると捉えており(下記CHART insight参照)、「スターマイン」は「CITRUS」に続く代表曲に成る可能性を秘めていると言えるでしょう。ならばこの2曲、少なくとも今年ロングヒットを果たした「CITRUS」は披露されていいのではないでしょうか。

(CHART insightのうち、「CITRUS」においてはフィジカルセールス(黄色で表示)初加算前からの30週分を表示(チャート構成比は最新11月23日公開分(11月28日付)のもの)。フィジカルセールス(黄色で表示)やダウンロード(紫)に伴い総合順位(黒)が伸びた後、動画再生(赤)やストリーミング(青)に火がつき軌道に乗っていることが解ります。この接触指標群の伸び方が「スターマイン」でもみられるようになったというのが私見です。)

 

音楽特番の司会にジャニーズ事務所所属歌手が就くこと、出演者発表でジャニーズ事務所所属歌手が一斉に、もしくは彼らだけをまとめて発表することに対する違和感はゼロではないとして、テレビ局側が長年の習慣や懇意な関係性を考慮すれば自然なことかもしれません。ただそれが、ライバルと思しき歌手が結果を残していても無視や排除することであってはならないというのが、このブログでずっと主張していることです。

その慣例とも言える傾向が、音楽チャートにおけるビルボードジャパンの認知度上昇やそこで男性ダンスボーカルグループが実績を上げたことも相俟って、崩れ始めてはいます。重要なのは番組側がきちんと省みる姿勢を持つことゆえその良心に期待をしつつ、見えてきた問題については指摘と改善提案を続けていきます。