イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

「夜に駆ける」が世界トップ10入り、YOASOBIの動向をSpotifyで引き続き追う

YOASOBIの名が世界に轟き始めています。

ビルボードが昨年9月に新設した、世界中のヒット曲を示すグローバルチャート(その内容については以前まとめています→こちら)。そのトップ10速報は昨日早朝に発表されていますが、YOASOBIサイドは昨日午前8時前に上記アナウンスを行っているのです。YOASOBIスタッフが話題に即時対応していること、そして海外チャートもきちんと把握していることがここからよく解ります。

そのグローバルチャート速報については昨日のブログエントリーで記載しています。

世界200以上の地域での主要デジタルプラットフォーム(iTunes StoreSpotify等)によるストリーミングとダウンロードで構成されるグローバルチャート、1月1~7日を集計期間とする1月16日付Global Excl. U.S.では100位以内(米ビルボードの無料会員が確認できる範囲)に「群青」も再び送り込んだYOASOBI。アメリカの分を含むGlobal 200では「夜に駆ける」が32位に上昇しています。YOASOBIの上昇理由は『『NHK紅白歌合戦』の影響を反映したこと、集計期間中に同曲を収録したEP『THE BOOK』をリリースしたことによる注目度の上昇』と昨日のブログエントリーで結論付けていますが、この紅白およびEP効果をSpotifyの動向から確認してみましょう。なおこのSpotify定点観測は1月9日付ブログエントリーの続きとなります(→こちら)。

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太線はビルボードジャパンソングスチャートにおける集計期間の区切りを示し、1月4~10日分が本日発表される1月18日付チャートのストリーミング指標に反映されます。また先述したグローバルチャートの集計期間をグレーで表示しています。

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通常は平日より土曜、土曜より日曜の再生回数が増加するのがSpotifyの(そして他のサブスクサービスでも同様と思しき)特徴ですが、1月10日日曜は三連休の中日ゆえ翌11日(月曜祝日)の動向も合わせて表示。その11日においてはEP『THE BOOK』収録の6曲、および同日リリースの「怪物」がデイリー再生回数で最高を更新しています。「夜に駆ける」は以前30万台を記録しているため上記表やグラフの期間内に最高記録を塗り替えてはいないものの、それでも11日には30万目前まで迫っているのです。これは1月10日日曜にYOASOBIが『笑神様は突然に・・・』(日本テレビ)に出演したこと、同日深夜の『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日)で「群青」が取り上げられたこと、そしてそれらへのYOASOBI側のフォローアップが大きく影響しているものと思われます。

サブスクやYouTubeへの誘導に徹する姿勢、実に見事です。

 

 

この動向を踏まえれば、本日発表される1月18日付ビルボードジャパンソングスチャート以上に翌25日付チャートが、そしてグローバルチャートにおいても次週発表される1月23日付チャートが、今から楽しみでなりません。EPリリースによりフィジカル/デジタルをEP単位で購入する方が増え曲単位での勢いが削がれるかと思えばそんなことはなく、さらに今後テレビ歌唱の機会も用意されているわけで、YOASOBIの動向をもう少し長く追いかけなければと強く感じた次第です。