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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

YOASOBI「アイドル」、フィジカルリリースがビルボードジャパンそしてグローバルチャートにどう影響するか

YOASOBI「アイドル」の凄さについてはビルボードジャパン、そして米ビルボードによるグローバルチャートで毎週のようにお伝えしています。この度、木曜に掲載したエントリーをnoteプロデューサー/ブロガーの徳力基彦さんに採り上げていただきました。この場を借りて感謝申し上げます。

日本と海外ではチャートポリシー(集計方法)に差がありますが、双方のチャートにおいて次週の動向に注目です。今回はビルボードジャパンが発表した速報値を紹介し、動向を予測します。

 

YOASOBI「アイドル」はビルボードジャパンソングチャートにおいて、初登場時から最新6月21日公開分まで10連覇を達成。また米ビルボードが2020年に開始したグローバルチャートにおいてはGlobal Excl. U.S.で6月10日付にて首位に立ち、Global Excl. U.S.に米の分を加えたGlobal 200では最新6月24日付で最高位となる8位に到達しています。

グローバルチャートはストリーミング(動画再生を含む)とダウンロードで構成されますが、ダウンロードはフィジカルセールスを含みません。ゆえにフィジカルセールスはビルボードジャパンにおいて加算対象となりますが、そのフィジカルリリース週はダウンロードも伸びる傾向があります。フィジカルの登場で所有の選択肢が増えることが理由とみられ、最近では米津玄師「KICK BACK」もこの動向をなぞっていました。

そのフィジカルセールス自体、これまでのYOASOBIにおけるシングル曲の中で特筆すべき状況となっています。

チャートポリシー(集計方法)の変遷を踏まえればフィジカルはデジタルの補完的な役割として位置付けられます。YOASOBI側は「アイドル」がオープニングテーマに起用されたテレビアニメ『【推しの子】』の最終回前週を最善のタイミングに選びリリースしたものと推測され、結果的に同曲は自己最大の初週セールスに至っています。

 

さて、昨日は6月28日公開分ビルボードジャパンソングチャートにおける集計期間前半3日間のデジタル速報値も公開されました。

6月21日公開分ビルボードジャパンソングチャートの速報値と比べるとダウンロードは9,030→8,197DL(前週比90.8%)、ストリーミング指標の基となる再生回数は7,719,010→7,012,585回(前週比90.8%)となり、双方で比較的大きくダウンしている傾向です。フィジカルリリース週におけるこの動向は意外とも言えますが、週後半にどうなるか注目したいと思います。

 

 

一方で木曜までの1週間が集計対象となるグローバルチャートでは、これまで強力なライバルがあまり出現しなかったこともYOASOBI「アイドル」の長期トップ10入りを可能にさせたと言えるかもしれません。デジタルの動向を踏まえれば次週7月1日付(日本時間の6月27日火曜早朝にトップ10が発表予定)で数値を落としたとして、順位はそこまで落とさないのではと考えます。

注目は7月8日付以降。まずは現在グローバルチャートを席巻するメキシコの歌手、ペソ・プルマによるアルバム『Génesis』が初の1週間フル加算となります(アルバムリリースは6月22日木曜。ラテンやメキシコの音楽は世界標準となる金曜リリースとは限りません)。収録曲にグローバルチャートのトップ10ヒットは含まれていませんが、現在の勢いを踏まえればこのチャートに複数曲を送り込む可能性も考えられます。

また7月8日付グローバルチャートの集計期間初日となる6月23日金曜には映画『バービー』サウンドトラックから、ニッキー・ミナージュ & アイス・スパイス with アクア「Barbie World」が先行リリース。アクア「Barbie Girl」(1997 米7位)を用いたキャッチーな作品であり、またニッキーとアイス・スパイスは今年春の「Princess Diana」に続くタッグゆえ、話題性も高そうです。

なお、6月30日金曜にはオリヴィア・ロドリゴによる久々のシングル「Vampire」もリリースされ、7月15日付グローバルチャートでの上位初登場も見込まれます。これら強力な作品群の中でYOASOBI「アイドル」がどこまで健闘するか、注目です。

 

 

さてYOASOBI「アイドル」がさらなる上昇を果たすタイミングとしてはフィジカルセールス初加算週のほかにテレビアニメ『【推しの子】』最終回OA週、そしてテレビパフォーマンス時が考えられます。アニメは来週、最終回を迎えます。

一方でテレビパフォーマンスは、ともすれば年末の『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)まで待たないといけないかもしれませんが、以前のEP『THE BOOK 2』(2021)においては収録全曲をテレビ番組でパフォーマンスした実績があり、YOASOBI側は今回も最適なテレビ露出を考えているはずです。おそらく夏の地上波音楽特番側が出演を打診していると思われますが、YOASOBIがどのタイミングで披露するかに注目しましょう。