イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

”全てリード曲”なYOASOBI『THE BOOK』収録曲+新曲「怪物」のSpotify動向を追う

ここでは連日YOASOBIについて言及していますが、それだけ特筆すべき動きが多いのです。今週、初のフィジカル作品でもあるEP『THE BOOK』をリリースした彼らの勢いが凄いことになっています。

本当に圧倒的です。『THE BOOK』と同時にAyaseさんは初音ミク版『THE BOOK』をタワーレコード限定でリリースし、また今週は電話でEP収録曲をチェックできるサービスも開催(→こちら)。この時代にあって電話を使った手法は懐かしさと新しさが同居するものであり、『NHK紅白歌合戦』を機に知った中高年層も取り込まんとする姿勢にはただただ脱帽するばかりです。

 

毎週金曜はビルボードジャパンソングスチャートおよびアルバムチャートにおけるデジタル構成指標の中間発表が行われますが、その先ヨミ記事を読むと『THE BOOK』そして同時リリースのデジタルシングル「怪物」が来週水曜に発表される1月18日付ビルボードジャパンソングスチャートで大きな存在感を示すことは間違いないでしょう。

アルバムチャートにおいてはデジタル未解禁のSixTONES『1ST』が高いCDセールスを記録していることに加えて、収録曲の異なる複数種をリリースしていることでルックアップの伸びも予想されることから『THE BOOK』の総合首位は難しいでしょうが、2位は確定と言えそうです。そしてソングスチャートでは。

EPのリード曲となる「アンコール」以外は「Epilogue」および「Prologue」を除きすべて先行リリースされているため、(「Epilogue」と「Prologue」を除く)すべてがリード曲と言えるかもしれません。さらにEP未収録の「怪物」も同時リリースしており、すべての曲を用いてYOASOBIをプッシュするという動きが見て取れます。

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1月11日付ビルボードジャパンソングスチャート(集計期間:2020年12月28日~2021年1月3日)および1月18日付同チャート(集計期間:1月4~10日)の2週分における、Spotifyデイリーチャート順位およびデイリー再生回数の推移を上記に。大晦日から三が日までは全体的に再生回数が落ちる中にあってYOASOBI「夜に駆ける」はそこまでダウンしなかったことを下記ブログエントリーで紹介しましたが、『NHK紅白歌合戦』パフォーマンス直後のエンゲージメントの徹底、また先述した電話プロモーション等で常に話題になる状況を築き上げたことが、リリース日により高い位置に(初)登場する結果に繋がったのではないでしょうか。

 仮にビルボードジャパンアルバムチャートが米ビルボードに倣い、曲単位のダウンロードやストリーミング再生回数をユニットとしてアルバム換算したならば、YOASOBI『THE BOOK』はSixTONES『1ST』に追いついたかもしれません。今後YOASOBIがテレビ出演やパフォーマンスを増やしていくことを踏まえれば、2週目以降の逆転も十分あり得るでしょう。 

 

YOASOBIの戦略があまりにも興味深いため、 今回ブログカテゴリーに”YOASOBI”を新設した次第です。