イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ピークはまだまだ先、「夜に駆ける」をはじめYOASOBIの全曲が伸び続けている件

YOASOBIのツイートにおけるエンゲージメントの徹底っぷりについてはこれまで述べてきた通りですが、昨日発せられたツイートにはとりわけ驚かされたものです。

レンタル解禁したので借りてほしいと訴求する歌手をほぼ目にしたことがありません。レンタルよりも購入を願う歌手が圧倒的に多いと思っていたのですが、いかなる形でもまずは聴いてほしいというYOASOBI側の意思が感じられますし、フィジカル派の方も取りこぼさないという思いの表れと受け止めています。

当該ツイートはチャート対策としても有効に作用します。ビルボードジャパンアルバムチャートはフィジカルセールス、ダウンロードのほか、ルックアップも構成指標のひとつ。ルックアップとはCDをパソコン等に取り込んだ際にインターネットデータベースにアクセスされる数のことであり、レンタルCDも該当。アルバムチャートではレンタル解禁後にルックアップが上昇しロングヒットのフェーズに入る作品が多く『THE BOOK』もその流れに乗るものと考えていたのですが、その流れがさらに加速することは間違いありません。

 

そのレンタルの上昇に大きく寄与するのが直近の動き。先週も様々ありました。

今週水曜に発表される2月1日付ビルボードジャパン各種チャートの集計期間は1月18~24日。EP『THE BOOK』リリースから3週目となりますが、アルバムチャートは勿論のこと、EP収録曲を含むYOASOBIのすべての曲がさらに勢いを増すことが予想できるのです。

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再生回数が可視化されているSpotifyの動向を追いかけると、曲単位では「ハルカ」を除き1月18日以降に最高再生回数を更新。一昨日のブログエントリーでは1月25日付ビルボードジャパンソングスチャートにおけるYOASOBIのさらなる躍進をお伝えしたばかりですが、ピークはまだまだ先だと考えてよいでしょう。

そして注目は、表でグレー表示した箇所。1月25~21日分のデジタルプラットフォームにおけるストリーミング(Spotify等)およびダウンロードは、米ビルボードが昨秋新設したグローバルチャートの1月30日付における集計対象となります。YOASOBI「夜に駆ける」はGlobal Excl. U.S.(世界200以上の地域分を集計したGlobal 200から米分を除いたチャート)で前週7位に上昇し最高位を更新したことは上記ブログエントリーでもお伝えした通りですが、同曲のSpotifyにおける1月25~21日の再生回数が前週比106.0%となっているのです。グローバルチャートはYouTube再生回数も含まれ、そのYouTubeもテレビ番組等の影響を反映することを踏まえれば、「夜に駆ける」がGlobal Excl. U.S.でさらなる最高位を掴む可能性は十分なのです。

 

 

CDレンタルによるルックアップ加算に伴うビルボードジャパンアルバムチャート登場3週目の動向、そして日本時間の明後日発表される米ビルボードグローバルチャートの行方が今から楽しみです。通常アルバムがリリースされるとその初登場週におけるソングスチャートで大半の曲がピークを迎えるのですが、YOASOBIはまさに天井知らずと言えます。