イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

折坂悠太「平成」チャートインを踏まえた、平成終わりの平成(~令和)ソング4選

昨日放送の『J-WAVE TOKIO HOT 100』(J-WAVE 日曜13時)。4月7日付チャートで77位に初登場を果たしたのが折坂悠太「平成」でした。昨年リリースのアルバム表題曲で、アルバムは先日のCDショップ大賞を獲得しているのですが、4月1日に新元号が発表されたタイミングでこの曲がよくOAされたということでしょう。

4月7日付ならば、3月29日にデジタルリリースされた新曲「抱擁」が入ってきてもおかしくないのですが、そちらはランクインならず。J-WAVEでも新元号が選曲に大きく影響しているという証拠でしょう。

 

元号といえば、間違いなく話題になったのがゴールデンボンバー「令和」。新元号発表日のうちに楽曲やミュージックビデオのリリースを行い、大きな話題を集めました。新元号が長らくTwitterでトレンド入りしていたことを踏まえれば、明後日発表される4月15日付ビルボードジャパンソングスチャートで高位置に登場することは間違いないでしょう。しかも新元号発表は集計期間初日の月曜。ゴールデンボンバー「令和」にとってはチャートで高位置を狙える好条件が揃ったのです。

無論、彼らのアイデア勝ちであることに間違いなく、明後日のチャート速報を待ちたいと思います。この曲は新元号を謳いながらも、平成のフレーズも登場します。

 

平成ソングといえば、昨夏リリースされた清竜人「平成の男」も。彼も新元号発表日に、ニューアルバムのタイトルは『REIWA』だと発表しています。

元号の発表前、それこそ一昨年の終わりに平成の終焉予定がアナウンスされて以降、歌手の間で平成をテーマにした楽曲を作る動きが活発化しているように考えます。そんな中、日本を代表するヒップホップグループも。

今年1月2日にリリースされた、結成30周年記念第一弾作品。ライブでもすでにコールアンドレスポンスが成立しているとラジオで宇多丸さんが語っていたこの曲には平成というフレーズが幾度となく登場。それもそのはず、RHYMESTERは1989年、平成元年に結成されたわけで、平成の歴史は彼らの歴史なのです。

様々な進化(RHYMESTER曰く"K.U.F.U.")を遂げて平成30年強を駆け抜け、日本のヒップホップの礎を築いた彼らが"今から本気出す"ということのお茶目さたるや。彼らがこの曲で用いる"平成"とは自身の進化の歩みのみならず、"日本にHip Hopは根付かねぇ"と揶揄されても突き進んできた日本のヒップホップのそれでもある気がします。

 

今後も平成や、新元号にまつわる楽曲は登場することでしょう。もしかしたら歌手名に取り入れられる可能性も? エンタテインメント界の動き、楽しみにしたいと思います。

TBSアナウンサーの遅刻問題から考える、テレビ局にも"金曜シフト"を敷くことの提案

TBSの、アナウンサー人員配置に釈然としません。

一昨日放送の『アフター6ジャンクション』(TBSラジオ 月-金曜18時)で、宇多丸さんの金曜担当のアシスタントである山本匠晃アナウンサーが遅刻する出来事がありました。番組開始から数分後に、一旦帰宅した際寝落ちしたという山本アナウンサーが登場し遅刻したことを詫びていましたが、これは宇多丸さんのみならず、聴いている自分も心配になってしまいました。山本アナウンサーはこの4月からテレビ番組『はやドキ!』(月-金曜4時)の司会に就任、金曜のOA後に『アフター6ジャンクション』があり、翌日にはテレビ番組『王様のブランチ』(土曜9時30分)も担当。さらにはテレビ番組『ビビット』(月-金曜8時)に出演する曜日もあるとか…『アフター6ジャンクション』の他曜日パートナー全員が山本アナウンサーの身体を心配していましたが、その不安が的中してしまった形です。

無論、遅刻は良くないことです。しかし、いくら体力面が人一倍長けているだろうからといって、このスケジュールは酷いというのが私見。山本アナウンサーのみならず、たとえばテレビ番組『ひるおび!』(月-金曜10時25分)の司会を担当する江藤愛アナウンサーは、ラジオ番組『爆笑問題の日曜サンデー』(日曜13時)で毎月5週目以外(つまりはほぼ毎週)のアシスタントを務め、さらに昨日はテレビの長時間特番『オールスター感謝祭』のリポーターとして登場。今週土曜まで休みがないとみて間違いありません。ラテ(ラジオとテレビ)兼営、BSやCSチャンネルを持っている、他のアナウンサーの退社や産休…これらを考慮すれば、人数を増やすかもう少しフリーアナウンサー等に割り振るかしないといけないのは自明のはず。正直、誰か倒れないとわからないのか、という思いを抱かずにはいられません。

 

山本アナウンサーや江藤アナウンサーのように、平日週5回のレギュラー+別曜日のレギュラーというのは負担が強すぎるのではないかと。ならば、少なくとも平日、週4回には出来ないのでしょうか。たとえばTBSラジオJ-WAVE等が取り入れている"ラジオ局の金曜シフト"をテレビ局にも活かしてはどうか…というのが今回の提案です。

TBSラジオの場合は平日8時半開始枠が月-木曜の『伊集院光とらじおと』と金曜の『有馬隼人とらじおと山瀬まみと』に分かれ、また13時開始枠が全曜日『たまむすび』ながら、月-木曜は赤江珠緒さんと曜日パートナーが、金曜は外山惠理アナウンサーと玉袋筋太郎さんが担当しておりこちらも異なります。他の番組は全曜日メインパーソナリティは変わらずも、たとえば『荻上チキ Session-22』(月-金曜22時)の特集(メインセッション)は金曜に"わいわいモード"という気軽に楽しめるものが用意されている等、金曜のみカラーが異なる週がみられます(これによりチキさんやスタッフの負担が減るものと考えます)。とりわけ金曜シフトを徹底しているのがJ-WAVEで、現在は月-木曜と金曜とでは『ZAPPA』(全曜日5時)以外ほぼすべて番組が異なります。6時から16時30分の時間帯において月-木曜が3番組に対し金曜は2番組等、これら取組はいわゆる"プレミアムフライデー"開始のはるか以前から行われてきたのですが、以前は平日全曜日放送されていた『JAM THE WORLD』が1年半前から金曜を除く19時開始となったことで、金曜はほぼ完全に別シフトとなったのです。

 

TBSラジオJ-WAVEの他にも、ニッポン放送TOKYO FM等多くのラジオ局で取り入れられている金曜シフトですが、他方テレビ局、地上波の生放送番組で実行されているところはほとんどないのではないでしょうか。番組は同じながら出演者が異なる例として『報道ステーション』(テレビ朝日 月-金曜21時54分)が挙げられますが、男女共にメインキャスター(アナウンサー)は月-木曜と金曜で変われど、女性メインキャスターは他曜日にも登場しており、結果的に週5日のシフトとなっている状況です。キー局の平日帯のニュース番組担当者は国政選挙投票日に設けられる選挙特番にも登場するわけで、そうなると休めない状況であり、これら事情を勘案すれば、ラジオ局の金曜シフトをテレビでも採用するのは考えていいことだと思うのです。少なくとも番組は同じでいいので金曜日だけ顔ぶれを変えれば、金曜以外の担当者は土日のどちらかにレギュラー番組があったとしても合わせて週5日になるはず。プレミアムフライデーは名ばかりだ等否定的な見方もあるでしょうが、金曜のプレミアム感演出の体で敢えてそこに乗っかってみては如何でしょう。まして働き方改革が叫ばれる現在、平日毎日見る方が土日も生で登場となると、ニュースで働き方改革を伝える局がまずそれをやりなよと言われても反論出来ない気がします。

 

とにかく、一昨日の山本アナウンサーの状況を見るに、テレビ局のアナウンサー(シフト)の酷な状況を痛感してなりません。金曜シフトが考慮されなかったとしても、まずはこの異常な状況を考えてほしいと切に願います。

カントリーのジャンルレス問題、リミックス版参加歌手がクールに一石を投じる

今週発表された、米ビルボード4月6日付ソングスチャート。その速報版においてこのようなことを記載しました。

この停滞気味の空気を打破するのは一体誰か…今最も勢いのある曲として紹介されているのがリル・ナズ・X「Old Town Road」。前週から17ランクアップし15位に到達しました。

(中略)

さらにはこの曲、カントリーソングスチャートにも入ったとヒップホップライターの渡辺志保さんが伝えています。

アリアナ・グランデ「7 Rings」8週制覇もトップ10は低調、次週嵐の予感?…4月6日付米ソングスチャートをチェック(4月2日付)より

しかしこのラッパーによる曲、カントリーの要素が少ないことを理由に、米ビルボードカントリーソングスチャートから除外されていました。この問題については、除外報道を紹介し、また元来ジャンル別のチャートとは何か等を記載したこちらを読むことをお勧めします。

(勝手ながら紹介させていただきました。問題があれば削除いたします。)

個人的にはビルボードの判断に理解を示しつつ、しかし強く残念に思います。各ジャンルのジャンルレス化はどんどん進行している(それが今の時代のモードである)中でカントリーも同様の動きを見せており、他ジャンルとの融合を果たしたカントリー曲は少なくありません。邦楽でそのムーブメントが踏襲されたことを機に、2ヶ月前のエントリーにてまとめています。

カントリーが他ジャンルに比べて保守的であること、ビルボードが(さらに言えばラジオが)ジャンルをくくりたいだろうことは解れど、今の時代にあってはナンセンスな気がするのですが如何でしょう。

 

…と思っていた矢先、このようなリミックスが登場したのです。

(勝手ながら紹介させていただきました。問題があれば削除いたします。)

メロディラインを歌うのはビリー・レイ・サイラス。あのマイリー・サイラスの父親でもあるカントリー歌手です。

ビリーは先述した除外記事を動画に用いており、リミックス版への参加共々、彼なりの抗議アピールではないかと。最高に格好いい一石の投じ方ではないでしょうか。ちなみにビリーは以前にも、行動で抗議を示していたことがありました(マイリー・サイラスの父でカントリー歌手のビリーも“LGBT差別法”に抗議 | Daily News | Billboard JAPAN(2016年4月13日付)参照)。

リミックス版が加算される(チャートに反映される)のは再来週、4月20日付チャート。おそらくは次週の段階でオリジナル版がトップ10入りする可能性は高いのですが、再来週は総合ソングスチャート(Hot100)で勢いが更に増すことでしょう。このリミックス登場の流れで、米ビルボードがジャンルレスな曲への対応をどうするか、再度協議することを願うばかり。「Old Town Road」がカントリーソングスチャートに戻ってくるかも確認する必要があります。

日本のチャートにおける桜ソング上昇の原動力はやはりラジオエアプレイ指標だった…一方で動画再生指標が弱い理由

一昨日発表された4月8日付ビルボードジャパンの各種チャートは集計期間が3月25~31日。東京の桜が咲き誇ったタイミングと重なることから、同日付ソングスチャートにはいわゆる"桜ソング"のランクインが目立っています。最上位こそDA PUMPの今年のシングル「桜」(総合14位)であり20位以内にはこの曲のみが入っていますが、100位以内には「桜」を含め計6曲がチャートイン。そして面白いことに、各指標上位20曲で確認すると、シングルCDセールス・デジタルダウンロード・ルックアップが1曲ずつ、ストリーミング・Twitter・動画再生・カラオケが0に対し、ラジオエアプレイは4曲もチャートインしています。

ラジオエアプレイ指標では「さくら (独唱)」が14位、「桜の時」が17位そして「さくら」が18位という状況。2019年産のDA PUMP「桜」は同指標49位で、定番曲が上回っている状況です。

このような季節曲のチャートアクションについて、クリスマスソングでもラジオエアプレイが突出していることを以前記載しました。

ラジオエアプレイ指標とは若干異なりますが、エアプレイ回数に基づくプランテック調べのラジオオンエアチャート(集計期間はビルボードジャパンと同一)によると、森山直太朗「さくら (独唱)」と福山雅治「桜坂」が共に桜ソングで最上位(14位)となったのをはじめ、100位以内には合計13曲もの桜ソングがランクインしています。

 記事では『総体的にみると桜の咲き具合と地区毎のオンエア数が比例しており、関東エリアでは次週も引き続き、桜ソングのオンエアが見込めそうだ』とあります。エアプレイ回数に人口比率と聴取率を加味したラジオエアプレイ指標でも同様のことが言えそうです。

クリスマスソングにおいて、アメリカではストリーミングがラジオエアプレイ等よりも季節感が反映されていることを以前書きましたが、一方日本においてはどうでしょう。4月8日付ビルボードジャパンストリーミングソングスチャートをみると上位100曲に桜ソングは4曲のみ、また最上位となるDA PUMP「桜」が28位という状況であり、日米のラジオエアプレイとストリーミングの差を実感します。

 

 

ちなみに、日本でストリーミングや動画再生(アメリカではストリーミング指標の中に定額制音楽配信、動画再生双方が含まれます)が伸び悩むのは無理ないかもしれません。ストリーミングを解禁していない歌手が未だ少なくないこともありますが、動画再生についても、たとえば上記桜ソングの動画の多くは短尺版、または途中CM入りとなっており、またケツメイシ「さくら」は公式なミュージックビデオ自体YouTube未掲載の状況です。ケツメイシについては、たとえば移籍後のレコード会社発の楽曲のミュージックビデオが掲載されていたり、Twitterを調べると以前はどうやら(違法か合法かは不明ですが)「さくら」のミュージックビデオが以前YouTubeで観られながらも後に削除されたことが推測出来ます。そして削除された動画がおそらくは合法であったことが、CHART insightから見えてきます。

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2016年春にはかすかながら動画再生指標(赤の折れ線グラフ)がランクイン。違法アップロードながら然るべき登録がされたものもカウント対象になりますが(ダイナソーJr.をはじめ複数の楽曲が動画再生指標を稼ぎチャートを急伸した理由…ほぼ判明しました(2月10日付)参照)、この当時も今でも違法アップロードにわざわざ楽曲登録を行う方がどれだけいるかは疑問ゆえ、公式動画が消されたと推測するのが自然かと。だとすれば、動画を観た方がストリーミングに移行したり、楽曲もしくはアルバムの購入に至る動機が生まれないという点において、削除措置は機会損失ではないでしょうか。移籍等が動画削除の背景にあったのかもしれませんが、そのようないわゆるオトナの事情で楽曲を潰えさせるというのは音楽業界に蔓延る問題だと思います。

4月8日付ビルボードジャパンソングスチャートで噴出した問題を踏まえ、ビルボードジャパンにあらためて改善を求める

3月25~31日を集計期間とする、4月8日付チャートが昨日発表されたビルボードジャパン。総合ソングスチャートは日向坂46のデビューシングル「キュン」が制しました。

「キュン」は各指標バランスよく獲得している一方、前週シングルCDセールス指標を大きく獲得し総合首位に立った祭nine.「有頂天シューター」は今週100位にすら残っていません。

 

さて今週は、ビルボードジャパンが日本の音楽業界の鑑と捉え信頼したいがゆえ、苦言、そして提言を記載します。

 

今週のソングスチャートにはこのような解説が。

一方、前週に引き続き総合3位を守ったback number「HAPPY BIRTHDAY」は、シングル順位は下降気味だが、通算5回目のダウンロード1位をマーク、動画再生も31位から4位にランク・アップしていて、前週発売され170,956枚売り上げたニューALによる相乗効果が起因して各順位を高止まりさせていることは明らかだ。

【ビルボード】日向坂46「キュン」が474,893枚を売り上げ総合首位獲得 | Daily News | Billboard JAPAN(4月3日付)より

しかしこの「HAPPY BIRTHDAY」において、マイナスに作用した指標があります。それがストリーミングです。

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青い折れ線がストリーミング指標を指します。back numberに関しては、ベストアルバム『アンコール』より後にリリースされた作品はストリーミング解禁がされていません。しかしながらストリーミング指標には歌詞サービス、プチリリによる歌詞閲覧分もカウント対象ゆえ、「HAPPY BIRTHDAY」はストリーミング指標で100位未満ながら5週続けて300位以内をキープしていました。今週この曲が収録された『MAGIC』がアルバムチャートを制し、ソングスチャートでシングルCDセールス以外の指標が伸びるのは自然だと思っていたのですが、ストリーミング指標は逆行。これを疑問に思っていたのですが、チャート分析をされる方から"ストリーミング指標からプチリリの歌詞表示回数が消えている"との指摘があり、もしかしたらこれが原因かと考えた次第です。

 

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これが今日現在、About Charts│Billboard JAPANに掲載されているビルボードジャパンソングスチャートを構成する8つの指標(キャプチャを導入したのは、今後変更される可能性があることを考慮し、現段階での内容を写真として残したかったゆえ)。プチリリは記載されていませんが、以前は確実に存在していました。下記は4年前のもの。

プチリリが今週消えていることを指摘した方は、各指標のカウント方法(ウェイトの変更)が今週から一部変わっている可能性も示唆しています。

 

この、リニューアルした旨がアナウンスされない例は以前から見られています。先述した各指標のウェイト変更のみならず、シングルCDセールスに"係数"の概念が用いられたこともそうです。これらがアナウンスなしに変更されているという状況では、チャートを信頼したいと思っても心にストッパーがかかるのではないでしょうか。

 

いやいやチャートポリシー変更を示さないのは一部チャートマニアが満足しないだけじゃないのと言われるかもしれませんが、そうではありません。たとえば係数の表示は、その歌手の作品のユニークユーザー数(実際の売上枚数に対し、どれだけのファンが購入しているかの人数)をビルボードジャパンがどのくらいと捉えているかが見えてきますし、プチリリの除去や指標毎のウェイトの変更からは、今の日本の音楽業界においてどの指標がより重要視されてきているかが解ります。これら変更をいつの間にか手を付けましたで終わらせるのは、そういうのを知ることが出来ないという意味でも損失だと思うのです。いや、これら数字等が企業秘密だとするならばそれでも構わないかもしれませんが、ならば前もっていつから実施する、変更や企業秘密にはこれだけの理由があると提示しないといけません。

 

さらに、ビルボードジャパンにおいてはここ数週不備が目立ちます。たとえば4月1日付および4月8日付ソングスチャートは共に、当初の発表段階で総合ポイントが未掲載となっていました。

誰でも間違えることはありますが、2週連続というのはどうなのかというのが率直な感想です。前週の問題発覚の段階で、自分はこのように記載しました。

ここでの"掲載内容の変更"は総合ポイントを未記載にするという意味でしたが、これはチャートポリシー変更に置き換えても成り立ちますね。これらが直っていないことが、ビルボードジャパンソングスチャートを全面的に信用出来かねる、不信感の素となっているのではないかと考えます。

 

 

自分は以前、ブログエントリーにてビルボードジャパンの改善を求めたことがあります。 

ここで書いた【係数等、集計方法の公開】【チャートの公開時間の早い時間の統一】は未だ叶っていないどころか、以前より悪くなってやいないか…というのが私見です。ゆえにあらためて。 

・シングルCDセールス指標の"係数"を公開する。公開出来ないならばその理由を提示する

・どんな些細なことであれ、チャートポリシーを変更する際は前もってアナウンスし、その理由も添える

・チャート公開時間を決める

これらの徹底を、ビルボードジャパンソングスチャート(Hot 100)には求めます。

 

ちなみに公開時間に関して、その時間に"速報版"として配信もしくはラジオで番組化することも大事ではないでしょうか。これはチャート認知度の上昇にもなりますし、"イベント化"することでより大きな注目を集めることになります。そして同時に、ビルボードジャパンにとってはより多くの方から注目されることで自身の責任感をより強く意識出来るのではないかと思うのです。

フレッド・ハモンドの新曲、カーク・フランクリンのニューアルバム告知…ゴスペルクワイアの動き盛んに

最新4月6日付の米ビルボードゴスペルソングスチャートはカーク・フランクリン「Love Theory」が登場9週目にして9週連続首位をキープという無双状態となっています。2位以下はソロ歌手による作品が多く、(カーク・フランクリン単独名義とはなっていますが)クワイア曲はカークを含め少数派という状況です。

そんな中、今週24位に初登場を果たしたこの曲に、チャート上でのクワイ復権を期待したいところ。

・フレッド・ハモンド「Tell Me Where It Hurts

注射器等が登場する等ショッキングな映像の理由は、このミュージックビデオが児童虐待や人身売買をテーマにしたゆえ。フレッド・ハモンドのテンダーな声が徐々に熱を帯びることで曲に強い説得力がもたらされています。

この曲、昨年リリースされた模様ですがiTunes Store等で見つけることは出来ませんでした。フレッド・ハモンドのホームページディスコグラフィーでも現段階でこの曲は確認出来ませんが、もしかしたら近いうちにアルバムが出るのではないかと期待したいところ。それまでは彼が参加しているカート・カーの新曲を聴いて、待ちわびたいと思います。

ちなみに、先述したカーク・フランクリンは今年の5月末日、ニューアルバム『Long Live Love』をリリースすることが明らかに。

5月26日にはカーク主催のゴスペルフェスティバルも開催されるゆえ、フェスの熱気がそのままチャートに反映されそうですね。

このフェスティバルにはフレッド・ハモンドも参加することから、もしかしたらこのタイミングでさらなる新曲(もしくはアルバム?)を出す可能性も? 中堅からベテランのクワイアの動き、この数ヶ月間で盛んになるかもしれず、今から楽しみです。

アリアナ・グランデ「7 Rings」8週制覇もトップ10は低調、次週嵐の予感?…4月6日付米ソングスチャートをチェック

ビルボードソングスチャート速報。

現地時間の4月1日月曜に発表された、4月6日付最新ソングスチャート。アリアナ・グランデ「7 Rings」が3週連続、通算8週目の首位を獲得しました。

「7 Rings」はストリーミングが前週比3%ダウンの3550万(同指標3位)、デジタルダウンロードが同5%ダウンの17000(同指標5位)、そしてラジオエアプレイが同1%アップの9180万(同指標2位)という状況。ラジオエアプレイの伸びも鈍化しています。

2位と3位にはポスト・マローンが占め、「Wow.」は2位へ到達。3月19日に公開されたミュージックビデオが今週の集計期間フルでカウントされた影響もありストリーミングが前週比15%アップの3540万を獲得(同指標2位)。デジタルダウンロードは同2%ダウンの23000(同指標2位)、ラジオエアプレイは同3%アップの6750万(同指標7位)となっています。ポスト・マローンにとって、トップ3のうち2曲を占めたのは初となり、米ビルボードソングスチャート60年の歴史においてちょうど30組目の快挙達成となりました。

各指標を制した曲を見てみると、ポスト・マローン & スウェイ・リー「Sunflower (Spider-Man: Into the Spider-Verse)」がストリーミングにおいて前週比7%アップの3870万を獲得し同指標制覇、総合で3位につけています。またレディー・ガガブラッドリー・クーパー「Shallow」は総合10位に後退しましたが、デジタルダウンロードが強く、今週同指標10週目のトップを獲得。とはいえ前週比12%ダウンの28000という数字を見るに、如何にデジタルダウンロードが弱くなったかが理解出来るかもしれません。

その「Shallow」は今週ラジオエアプレイで2ランクアップの10位に到達しましたが、同指標を制覇したのがホールジー「Without Me」(総合4位)。しかしながらそのラジオエアプレイは前週比5%ダウンの9210万に。1億の大台を切った前週、『ラジオエアプレイが1億を切ったのは記憶にありません。米ビルボードソングスチャートにおいてラジオエアプレイ指標の影響力が落ちているのでは…と痛感した次第』と書きましたが、ラジオエアプレイもまた影響力を弱めているのかもしれません。

とはいえここ数週はトップ10内に新顔の登場がなく(3月9日付で9位にランクインしたブルーフェイス「Thotiana」が再びトップ10入りし、自己最高の8位をマーク)、デジタルダウンロードやラジオエアプレイの陰りとは書きましたがストリーミングも4000万を切る状況ゆえ、今は凪というか停滞気味というのが個人的な印象だったりします。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) アリアナ・グランデ「7 Rings」

2位 (4位) ポスト・マローン「Wow.」

3位 (3位) ポスト・マローン & スウェイ・リー「Sunflower (Spider-Man: Into the Spider-Verse)」

4位 (2位) ホールジー「Without Me」

5位 (5位) カーディ・B & ブルーノ・マーズ「Please Me」

6位 (6位) マシュメロ & バスティル「Happier」

7位 (9位) J・コール「Middle Child」

8位 (11位) ブルーフェイス「Thotiana」

9位 (8位) ジョナス・ブラザーズ「Sucker」

10位 (7位) レディー・ガガブラッドリー・クーパー「Shallow」 

この停滞気味の空気を打破するのは一体誰か…今最も勢いのある曲として紹介されているのがリル・ナズ・X「Old Town Road」。前週から17ランクアップし15位に到達しました。

ストリーミングが前週比61%も大幅アップし2910万(同指標7位)、デジタルダウンロードは同47%アップの12000(同指標11位)とデジタル2指標が躍進。上記映像はゲーム『レッド・デッド・リデンプション2』を用いたものですが、このヒットのきっかけはTikTokでこの曲が用いられたことに因るものだそう。

さらにはこの曲、カントリーソングスチャートにも入ったとヒップホップライターの渡辺志保さんが伝えています。

次週どのような動きを見せるか、注目です。他にも。

アルバム『When We All Fall Asleep…』の初動25万ユニット(予想)というのは、アリアナ・グランデ『Thank U, Next』の初週36万に次ぐ数字であり、仮に予想通りになればソングスチャートにも大挙登場、上昇するものと思われます。

そして。

訃報を機にソングスチャートで伸びる可能性もありますが、とにかく悲しすぎます。