1月21日公開分(集計期間:1月12~18日)のビルボードジャパンソングチャートは、Mrs. GREEN APPLE「lulu.」が初登場で首位に立っています。
【ビルボード】Mrs. GREEN APPLEが「lulu.」で通算6作目となる総合首位に、米津玄師「IRIS OUT」が続く https://t.co/YXeg7PB2Bk
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2026年1月21日
当週は、前週初登場したKing Gnu「AIZO」が初の1週間フル加算に伴い3位に上昇。トップ3はいずれもアニメタイアップ曲となっていますが、共通点はそれだけにとどまりません。
まずは最新ソングチャートにおける上位3曲の動向を確認します。

テレビアニメ『葬送のフリーレン』第2期オープニングテーマであるMrs. GREEN APPLE「lulu.」は集計期間初日となる1月12日にリリース。ダウンロードおよびストリーミング指標を制し、動画再生指標も2位を記録。Mrs. GREEN APPLEにとっては「breakfast」(2025年6月25日公開分)以来となる首位獲得となります。

前週まで通算14週に渡り首位を獲得していた、劇場版『チェンソーマン レゼ篇』主題歌の米津玄師「IRIS OUT」は2位に後退。『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)の効果は多くの指標で薄れたといえますが、動画再生指標によるポイントは前週比115%を記録しています。YouTube再生回数の増加は、オリコンが発表するYouTubeチャート(集計期間:1月9~15日)の急増からも見て取れます。
この急増については、”どのYouTubeチャンネルから公開するかでカウント対象に成るか”という点を考慮する必要があります。
『昨年大みそかに『第76回NHK紅白歌合戦』に出演した影響もあり』という表現だけでは #米津玄師「IRIS OUT」の急増は語れないでしょう。#NHK紅白 映像は米津さんの公式YouTubeにて再度公開されて以降、”カウントされるようになった”というのが要因と考えられます。 https://t.co/aACS65vaof
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ『imaoto on the Radio』) (@Kei_radio) 2026年1月21日
『#NHK紅白 映像は米津さんの公式YouTubeにて再度公開されて以降、”カウントされるようになった”』という点については、ブログ #イマオト にて紹介しています。https://t.co/abH7etA0r8
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ『imaoto on the Radio』) (@Kei_radio) 2026年1月21日
他方、この動画公開は後述するチャートにも影響しています。

そして3位にはKing Gnu「AIZO」が、前週の6位から上昇。テレビアニメ『呪術廻戦』第3期「死滅回游 前編」オープニングテーマとして1月9日金曜に配信開始された同曲は、ストリーミング指標の基となる再生回数がおよそ2倍、またラジオは9倍に上昇しています。金曜リリースは日本の音楽チャートでは高い初動につながりにくいかもしれませんが、そのリリース日設定は後述するチャートに影響しています。
最新1月21日公開分のビルボードジャパンソングチャートはトップ3がアニメタイアップ曲となりましたが、共通点はそれだけではありません。今回、3位までが1万ポイントを突破しています。

【今週の総合ソング・チャート“JAPAN Hot 100”】
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2026年1月21日
1位 Mrs. GREEN APPLE
2位 米津玄師
3位 King Gnu
4位 Ryosuke Yamada
5位 M!LK
6位 HANA
7位 HANA
8位 IS:SUE
9位 ふみの
10位 Mrs. GREEN APPLEhttps://t.co/QKb8Cmfdqu pic.twitter.com/UA3eH451le
総合ソングチャート3位における1万ポイント突破は、昨年10月1日公開分(米津玄師「IRIS OUT」、米津玄師, 宇多田ヒカル「JANE DOE」および超特急「NINE LIVES」)以来。その際の記事は米津玄師「IRIS OUT」「JANE DOE」でビルボードジャパンワンツーフィニッシュ達成…その記録をまとめる(10月2日付)内で掲載していますが、今回は3位までのストリーミング再生回数がいずれも1千万回を上回っていることに注目です。
【ビルボード】Mrs. GREEN APPLE「lulu.」ストリーミング・ソング首位奪取 King Gnu「AIZO」3位に浮上 https://t.co/ATZVitIxyl
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2026年1月21日
社会的ヒット曲はストリーミング指標による獲得ポイントが累計分の過半数を占め、また注目度の高い曲は初動からストリーミングが強い傾向にあります。今回の総合上位3曲はいずれかの条件を満たしており、加えてMrs. GREEN APPLE「lulu.」およびKing Gnu「AIZO」は社会的ヒット曲に成る可能性が高まりつつあるといえるかもしれません。
この場合、少なくとも翌週は急落する可能性が低いと考えます。先述した昨年10月1日公開分のソングチャートでは米津玄師「IRIS OUT」および米津玄師, 宇多田ヒカル「JANE DOE」が翌週その位置をキープした一方で超特急「NINE LIVES」はフィジカルセールス指標加算2週目に伴い総合12位に後退していますが、強力なライバル曲の登場がなければ「lulu.」「IRIS OUT」および「AIZO」は上位キープの可能性が高いでしょう。
さて、ストリーミングに強い状況は、日本のみならず世界のチャートでも好成績につながります。
米ビルボードには世界200以上の国や地域における主要デジタルプラットフォームのストリーミング(動画再生含む)およびダウンロードから成るグローバルチャートが存在します(詳しくは米ビルボードによるグローバルチャートとは何か、そしてJ-POPの現在と課題とは (2024年5月更新版)(2024年5月19日付)をご参照ください)。このチャートにはGlobal 200、およびGlobal 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.が存在します。
This week's top 10 on the Global Excl. U.S. chart (dated Jan. 24, 2026).
— billboard charts (@billboardcharts) 2026年1月20日
Details: https://t.co/LMwHcTbKdX pic.twitter.com/FdMcnldptY
そのうちGlobal Excl. U.S.にて、最新1月24日付では米津玄師「IRIS OUT」が7→9位と推移しています。前週は1月2~8日が集計期間であり『NHK紅白歌合戦』の話題が如実に影響した形ですが、同番組パフォーマンス映像の歌手側YouTubeチャンネルでの公開が翌週の反動を抑えたといえるでしょう。そして同日付のGlobal 200では、「IRIS OUT」を含む先述の3曲が200位以内にランクイン。これもまた共通点の一種となります。
1月24日付 #Global200 における日本の楽曲の動向。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ『imaoto on the Radio』) (@Kei_radio) 2026年1月21日
(集計期間:1月9~15日)https://t.co/SdjUqOxjX2
13→16位 #米津玄師「IRIS OUT」
30位 (初登場) #KingGnu「AIZO」
154位 (初登場) #MrsGREENAPPLE「lulu.」
King Gnu「AIZO」は米ビルボードのグローバルチャートにて初週1週間フル加算に伴い上位進出を果たした形です。またMrs. GREEN APPLE「lulu.」においては音源リリースと同時にミュージックビデオが公開されたこともあり、初週わずか4日分で200位以内エントリーに至ったといえます。なお「AIZO」のミュージックビデオ公開は1月16日となっていますが、それ以外に公式オーディオを用意したことも影響したといえるでしょう。
(なお日本市場はダウンロード数が他の国や地域よりも高いといわれています。またテレビパフォーマンスが話題になった曲はその直後において、ストリーミング再生回数以上にダウンロード数の上昇率が大きくなる傾向にあります。さらにはアニメタイアップ曲がダウンロードでも強いことから、日本の楽曲のグローバルチャート登場にはダウンロードの存在が欠かせないというのが自分の見方です。)
最新のGlobal 200に登場した日本の楽曲においては動画の影響も大きいながら、YouTubeは1月16日以降ビルボードにデータ提供を行わないことを宣言しています。ともすれば次週のグローバルチャートは大きく変わるかもしれないためチャート推移を注視する必要がある一方、上記エントリーでも追記したようにビルボードジャパンはそのデータ提供中止を回避することができています。
<ビルボードジャパンチャートの集計に関するご案内>
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2026年1月21日
ビルボードジャパンチャートは、今週以降もYouTubeのデータを集計/合算致します。計算方法にも変更はございません。今後とも、よろしくお願いいたします。
これで歌手側は幾分安心して施策に取り組めるものと考えます。ストリーミングヒットを維持すべく3曲がどのような展開を続けていくか、そして新たなヒットは生まれるか、今後のチャートに注目です。
最後に。ビルボードジャパンではYouTubeからのデータ提供が続く一方で米ビルボードでは予定通り中止となり、米ビルボードによるグローバルチャートにおいてもYouTubeのデータがストリーミング指標から外れる可能性が考えられます。日本が回避できた理由、そしてチャートの今後について、チャート管理者が明らかになることを願います。