イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

K-POP以外の洋楽がシングルCDで、それも特殊な形態にてリリースされていることについて

K-POPを除く洋楽が音楽チャートで強くなくなってから久しい状況ですが、ソングチャートのラジオ指標では洋楽が今も上位に登場することは少なくありません。最新8月20日公開分ビルボードジャパンソングチャートのラジオ指標では、ソンバー(Sombr)「Back To Friends」が14位に登場しています。

(上記CHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています。ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています。)

 

「Back To Friends」はアメリカのシンガーソングライター、ソンバーが昨年12月27日にリリースした作品。ソングライト、そしてプロデュースを自身単独で手掛けたこの曲はTikTokを機にブレイクし、米ビルボードによる6月7日付Global 200で初のトップ10入りを果たします(Global 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.でも後にトップ10入り)。

ソンバーは先週、「Back To Friends」も収録した初のフルアルバム『I Barely Know Her』をリリース。米ビルボードでは次回9月6日付でのアルバムチャート初登場が見込まれますが、このアルバムリリースのタイミングで、また今月行われたサマーソニックに出演したことを機に、日本でもラジオが伸びたものと考えられます。

 

さて、気になったのはCHART insightの累計ポイント構成比が2色で色付けられているということ。黄緑で表示されるラジオ指標の占有率が高い中、わずかながら黄色の存在を確認できます。黄色はフィジカルセールス指標を示し、最新8月20日公開分にて100位未満ながら300位以内に入ったことで加点されたことが見て取れます。

実はソンバー「Back To Friends」はシングルCDとしてフィジカルリリース。それも8cmシングルとして登場しているのです。

ソンバーを国内で展開するワーナーミュージックジャパンのホームページではこの8cmシングルCDが日本企画(おそらく日本独自のそれ)であることが謳われています。企画内容がなぜ8cmシングルなのかは不明であり、そもそもK-POPを除く洋楽がフィジカルシングルとして登場することも稀です(このことは、たとえばタワーレコードで8cmシングルと検索すれば解ります(検索結果はこちら))。

一方で、sombr / ソンバー ディスコグラフィー | Warner Music Japanをみるとフルアルバム『I Barely Know Her』については配信限定と記されています。輸入盤のリリースは(歌手の意向等もあるのでしょうか)予定されておらず、今後も出ない可能性が考えられるため、レコード会社側がは企画モノ的な位置付けで「Back To Friends」の8cmシングルCDを用意したのかもしれません。

 

フィジカルの所有はコアファンの証明という意味合いも高まっている中、8cmシングルCDとしての登場はコレクターズアイテム的な位置付けを強めるという目的があるのかもしれません。CDショップでの展開を見た方がどのような反応をされたのかが気になった次第です。一方で、国内盤限定のフィジカル施策を行うのならばまずはアルバムを用意してほしいという私見も書き添えておきます。