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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

結束バンドがSixTONESを逆転したアルバムチャート、そしてギターオリエンテッドな作品のヒットについて

最新のビルボードジャパン各種チャートから注目点を紹介します。

1月18日公開分のビルボードジャパンアルバムチャートでは、結束バンド『結束バンド』が首位に返り咲きを果たしました。

『結束バンド』は前週首位のSixTONES『声』を逆転した形ですが、興味深い動きがみられます。

結束バンド『結束バンド』はフィジカルセールスが12,963枚(同指標2位)、ダウンロードが4,786DL(同指標1位)だったのに対し、SixTONES『声』はフィジカルセールスが29,632枚(同指標1位)を記録。『結束バンド』の2指標での売上を単純に足しても『声』に1万以上の開きがあるのですが、総合では逆転した形です。

この理由は、2指標のウエイト差にあります。

上記は2作品における最新1月18日公開分のCHART insight。チャート構成比をみると結束バンド『結束バンド』の獲得ポイントのうちダウンロード指標(紫で表示)が過半数を獲得しています。ここから、ダウンロード1DLのウエイトがフィジカルセールス(黄色)1枚に比べて大きいことが解ります。

ビルボードジャパンでは、フィジカルセールスが複数種販売や特典等を踏まえ1枚あたりのウエイトを低く設定している可能性があります。他方ダウンロードでは複数種販売や特典等があまりなく、1回買えば済む性質を考慮してウエイトを高くしているものと考えます。

 

結束バンド『結束バンド』は登場4週目にしてダウンロード指標4連覇を達成しています。1月11日公開分のチャートを踏まえ、以前この作品の強さについて紹介しました。

総合アルバムチャートでは『結束バンド』が6→1→2位と推移。またデジタルは1週先行で配信され、ダウンロードは5,877→15,190→7,574DLを記録しています。2022年度以降のアルバムチャート、ダウンロード指標において『結束バンド』2週目の売上を上回ったのはAdo『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』の1~2週目のみであり(2022年8月17日公開分にて30,528DL、翌週は16,908DLを記録)、『結束バンド』の人気がよく解ります。

実はAdo『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』も、ダウンロード指標の強さがチャートアクションに大きく反映されていました。

最新のビルボードジャパンアルバムチャートでは、Ado『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』が初登場で首位を獲得しました。フィジカルセールスおよびルックアップの2指標ではB'z『Highway X』が制したものの、ダウンロード指標でトップに立った『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』が総合チャートで逆転した形です。

2022年度まではルックアップ指標(CDをインターネット接続機器にインポートした際、Gracenoteにアクセスした回数を示すもの)が存在していましたが、そのルックアップでもB'z『Highway X』が首位。しかしAdo『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』は2022年度最高となるダウンロード3万超えを達成し、総合で『Highway X』を逆転しています。加えて『Highway X』がリリース週にデジタル未配信だったのも大きいと捉えています。

結束バンド『結束バンド』およびAdo『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』からはアニメ関連作品のダウンロードの強さもさることながら、これら作品に敗れたアルバムが未配信だったことも総合チャートにて不利になることがはっきり示されたと言えます(なおB'z『Highway X』は、フィジカルリリースからおよそ4ヶ月後となる昨年12月2日にデジタル解禁されています)。

 

さて、最新1月18日公開分ソングおよびアルバムチャートについてビルボードジャパンはポッドキャストにて解説を行っていますが、そこで興味深い言葉が登場しています。

最新のソングチャートでは米津玄師「KICK BACK」が2位、Official髭男dism「ホワイトノイズ」が5位、そして10-FEET「第ゼロ感」が8位に入り、その共通項を”エレキギターを前面に出している楽曲”と表現。オルタナ(オルタナティブ・ロック)回帰とも紹介し、その流れで結束バンド『結束バンド』のヒットにも触れています。当該表現はギターオリエンテッドと形容してもいいかもしれません。

自分は1月13日付のブログエントリー(→こちら)にて”2000年代ロックの復権”と紹介しましたが、なるほどこの表現も適していると感じた次第。尤も紹介された3曲はいずれもアニメタイアップ作品であり、その作品や登場人物による衝動や焦燥等を表現しようとしてギターオリエンテッドな曲が生まれたのではとも考えますが、それら作品がチャートで結果を残したならば今後ギターを前面に出した曲がさらに登場することでしょう。

昨年10月に米ビルボードソングチャートで3週首位を達成したスティーヴ・レイシー「Bad Habit」。TikTokの早回し等で人気に火が付いた曲ですが、スティーヴ・レイシーはジ・インターネットのギタリストでもあります。「Bad Habit」自体はそこまでギターが前面に出ていないかもしれませんが、この曲のヒット、また本日アルバム『Rush!』をリリースするマネスキンの人気等も、日本に影響を及ぼしていく予感がします。

次週以降のビルボードジャパンアルバムチャート、そして音楽トレンドの変化に注目していきましょう。