イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

前週トップ10初登場曲の最新動向と、Snow Man「SERIOUS」の過去作との比較から見えてくることについて

昨年夏以降再開したこのエントリーですが、タイトルを”前週トップ10初登場曲の最新動向”とした上で、副題を新たに設けています。前週の内容はこちら。

 

ビルボードジャパンソングチャートの動向を分析する者として、真の社会的ヒット曲とはロングヒットする、年間チャートで上位に進出する作品と考えます。週間単位で上位に入るのは好いことですが、他方で所有指標が極度に強い曲は加算2週目に、また接触指標が所有指標的な動きをなぞる曲(主にLINE MUSIC再生キャンペーン採用曲)はキャンペーン終了後に指標が大きく後退し、総合でも急落することが少なくありません。

この急落は毎週のようにみられます。ソングチャートのトップ10は多いときで5曲程度が毎週入れ替わり、ロングヒットするか否かが極端に分かれる状況です。主にライト層の支持が反映されるストリーミングがロングヒット曲では強い一方、急落する曲はコアファンとライト層との乖離が大きいのですが、これらを1週分のチャートの順位およびポイントのみで判断することは、現状では難しい状況です。

そのため、このブログエントリーではビルボードジャパンに対しチャートポリシー(集計方法)の改善も提案していますが、あくまで自分なりのと前置きしつつもチャートの見方を提示したいと考えたのが、エントリー掲載の理由です。

 

<2025年8月6日公開分 ビルボードジャパンソングチャート

 前週初めてトップ10入りした作品の、前週および当週におけるCHART insight>

 

※CHART insightの説明

 

[色について]

黄:フィジカルセールス

紫:ダウンロード

青:ストリーミング

黄緑:ラジオ

赤:動画再生

緑:カラオケ

濃いオレンジ:UGC (ユーザー生成コンテンツ)

 (Top User Generated Songsチャートにおける獲得ポイントであり、ソングチャートには含まれません。)

ピンク:ハイブリッド指標

 (BUZZ、CONTACTおよびSALESから選択可能です。)

 

[表示範囲について]

総合順位、および構成指標等において20位まで表示

 

[チャート構成比について]

累計における指標毎のポイント構成

 

Snow Man「SERIOUS」

 7月30日公開分 1位→8月6日公開分 7位

・CUTIE STREET「キューにストップできません!」

 7月30日公開分 3位→8月6日公開分 100位未満

・LiSA「残酷な夜に輝け」

 7月30日公開分 5位→8月6日公開分 4位

HKT48「半袖天使」

 7月30日公開分 6位→8月6日公開分 100位未満

・Aimer「太陽が昇らない世界」

 7月30日公開分 8位→8月6日公開分 11位

 

当週のストリーミング表はこちら。

 

また前週7位に再登場した&TEAM「Go in Blind (月狼)」は、当週61位に後退しています。CHART insightはこちら。

 

&TEAM「Go in Blind (月狼)」については、本日付のブログエントリーにて別途紹介しています。

 

 

今回はSnow Man「SERIOUS」に注目。フィジカルセールス指標加算2週目において同曲は1→7位と推移し、フィジカルシングル表題曲(ダブルAサイドシングルの場合はフィジカルセールス指標加算対象曲)では「Dangerholic」以来3作ぶりとなる2週連続トップ10入りを果たしています。

 

<2023年度以降のビルボードジャパンソングチャート

 Snow Manのフィジカルシングル表題曲 フィジカルセールス指標2週目の動向>

 

※ ソングチャートでは2023年度以降、ルックアップおよびTwitter指標が廃止。これにより単純比較が可能といえます。ルックアップはパソコン等にCDを取り込んだ際、インターネットデータベースのGracenoteにアクセスする数を指します。

※ ダブルAサイドシングルの場合、フィジカルセールス指標は1曲のみに加算されます。

※ CHART insightは2024年3月より画面が変更されていますが、チャート構成比の円グラフは同年9月まで最新週表示のままとなっていました。よって「BREAKOUT」までは円グラフが最新週における指標構成、「SERIOUS」では累計ポイントの指標構成を指します。

 

・「タペストリー」 ポイント前週比41.2% 

 2023年3月22日公開分 1位 (12,620ポイント)→翌週 5位 (5,198ポイント)

 フィジカルセールス 921,010枚→47,245枚 フィジカルセールス前週比5.1%

・「Dangerholic」 ポイント前週比38.8% 

 2023年9月13日公開分 1位 (12,111ポイント)→翌週 9位 (4,694ポイント)

 フィジカルセールス 893,666枚→45,065枚 フィジカルセールス前週比5.0%

・「LOVE TRIGGER」 ポイント前週比32.6% 

 2024年2月21日公開分 2位 (12,458ポイント)→翌週 12位 (4,065ポイント)

 フィジカルセールス 1,224,902枚→43,685枚 フィジカルセールス前週比3.6%

・「BREAKOUT」 ポイント前週比27.2% 

 2024年8月7日公開分 1位 (13,105ポイント)→翌週 18位 (3,570ポイント)

 フィジカルセールス 1,088,373枚→34,163枚 フィジカルセールス前週比3.1%

・「SERIOUS」 ポイント前週比38.5% 

 2025年7月30日公開分 1位 (11,720ポイント)→翌週 7位 (4,508ポイント)

 フィジカルセールス 909,496枚→36,673枚 フィジカルセールス前週比4.0%

 

最新作「SERIOUS」のフィジカルセールス指標加算2週目におけるポイント前週比は、2023年度リリースのフィジカルシングル2曲とほぼ同水準といえます。当週の集計期間5日目にデジタルが解禁され、ダウンロード指標5位およびストリーミング指標100位未満(300位以内に入り加点対象)となったことがプラスに作用しています。

また「SERIOUS」のフィジカルセールス指標加算2週目におけるフィジカルセールス前週比は4.0%となり、前週比ベースでは2024年リリースの2曲を上回っています。デジタル解禁がフィジカルセールスを駆逐しかねないという懸念を抱いている方が仮にいらっしゃるならば、その点は見直してもいいのではないかというのが私見です。

 

 

無論大事なことはロングヒット、そして年間ソングチャートへの登場です。そのためにはストリーミングヒットが欠かせないことから、Snow Man「SERIOUS」がこの指標でどこまで上昇し、そして安定するかを注視していく必要があります。

そしてSnow Man「SERIOUS」をはじめ、STARTO ENTERTAINMENT所属歌手の作品ではデジタル後発が採られることが今も少なくなく、さらには解禁自体行っていない作品や歌手も存在します。そのことは上記エントリーで述べていますが、「SERIOUS」の次週以降の状況や、次週上位進出が予想され且つデジタル先行解禁したKing & Princeのシングル曲動向も踏まえて前向きな判断に至ることを願い、以前記した内容を再掲します。

フィジカルは1枚あたりの金額が大きいため増減が大きくなりがちであり、ゆえに懸念も生まれやすいはずです。しかしデジタルにはフィジカルのような廃盤という概念が基本的に存在せず、聴かれ続ける限りわずかでも着実に利益が出続けます。またTikTok等により過去曲がフックアップされやすく、バズがサブスク聴取等につながれば収益にもなります。売上ではなく利益の面で、短期よりも中長期で考えることが必要です。

 

なにわ男子、最新アルバムと歴代シングル表題曲をデジタル解禁…今後の注目点とは(2024年8月14日付)より