BE:FIRST「夢中」が好調です。最新フィジカルシングル「GRIT」にカップリングとして収録され、デジタル先行でリリースされた同曲は最新6月25日公開分のビルボードジャパンソングチャートでは14位にランクイン。フィジカルセールス指標が加点される「GRIT」(32位)と差が開いています。なおフィジカルセールス指標は1曲のみに加点され、最新シングルでは「GRIT」が対象となっています。
(上記は"Recording Video"と題した映像。)
この「夢中」の新バージョン、"Piano ver."が一昨日リリースされています。
BE:FIRST「夢中」はテレビドラマ『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ)の主題歌。一昨日最終回を迎えたこのドラマでは、主題歌とリンクしたエンディング映像が話題になっています。
『めおと日和』エンディングで主題歌とドラマがリンク キャスト陣の“歌詞リレー”映像が話題「今までこんなことあった?」「なんて最高な演出」(写真 全7枚)https://t.co/eUbifEGZEd
— ORICON NEWS(オリコンニュース) (@oricon) 2025年6月26日
#本田響矢 #波うららかにめおと日和 #めおと日和 @meotobiyori
この最終回のタイミングで「夢中」新バージョンが登場したことにより、BE:FIRSTのファンのみならずドラマファンにおいても同曲への注目度がさらに高まることでしょう。次週7月2日公開分のビルボードジャパンソングチャートに注目です。
さて、音楽チャートを分析する者として気になったのは、「夢中 - Piano ver. -」のリリースが木曜だったということです。BE:FIRSTが海外進出を謳うならば、グローバルチャートでのランクインを視野に入れる形で金曜(ドラマ最終回の放送翌日)に新バージョンをリリースしたほうがより好かったのではないかと感じています。
米ビルボードが2020年秋に開始したグローバルチャートは主要デジタルプラットフォームにおけるストリーミング(動画再生含む)およびダウンロードで構成され、Global 200と(Global 200から米の分を除く)Global Excl. U.S.が存在。トップ10は米ソングチャート同様に日本時間の火曜早朝に発表され、Global 200では同日夕方に200位までが公開されます(Global Excl. U.S.は米ビルボード有料会員にのみ公開)。詳細は下記をご確認ください。
Global 200では日本の楽曲のランクインが減っていますが、しかしながらほぼ日本市場分による獲得ポイントでGlobal 200にランクインする可能性はゼロではありません。日本市場は他の地域よりダウンロードが強いこともあり、初登場時にGlobal Excl. U.S.でトップ10入りした日本の楽曲も存在します。
BE:FIRST「夢中」に話を戻すと、ストリーミングは日本市場のみで週間500万回前後の再生回数を安定して記録、動画再生も20位以内に入っています。加えてグローバルチャートはビルボードジャパンソングチャートと異なりリミックス等別バージョンを合算することから、「夢中 - Piano ver. -」のダウンロード数がオリジナルバージョンに加わることで7月12日付Global 200での200位以内登場も有り得るのではと考えた次第です。
ただし現時点でLINE MUSICはグローバルチャートの加算対象外となっています。またグローバルチャートは金曜が集計期間初日のため、木曜リリースの「夢中 - Piano ver. -」においては解禁2日目以降が7月12日付にて加算されます。ダウンロードは初動、もっといえば初日のセールスが大きくなる傾向にあるため、金曜リリースのほうがより好かったのではと感じています。
加えて、「夢中」ではミュージックビデオがありません。ドラマ最終回に合わせてピアノバージョンをリリースしたこと、また以前ドラマとのコラボ動画(→こちら)をフジテレビの公式YouTubeチャンネルで公開したこと(音楽関連チャンネルからの公開ではないため動画再生指標のカウント対象外)を踏まえれば、ドラマ(特に最終回の映像)とコラボした動画を放送翌日に歌手側チャンネルにて公開することを検討してもよかったでしょう。
チャートにこだわりすぎるのは好くないかもしれませんが、しかしBE:FIRSTは今年海外公演を実施しています。日本のアイドル/ダンスボーカルグループ作品のグローバルチャート登場が少ないこともあり尚の事、このチャートに登場することでいわば箔をつけ、グローバルでの認知度上昇の契機にしてよかったのではというのが私見です。