最新5月21日公開分(集計期間:5月12~18日)のビルボードジャパンソングチャートでは前週初の首位を獲得したMrs. GREEN APPLE「天国」が4位に後退、FRUITS ZIPPER「KawaiiってMagic」が首位初登場を果たしています。
【ビルボード】FRUITS ZIPPERが「KawaiiってMagic」で自身初の総合首位 https://t.co/ljUvwK7Ye1
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2025年5月21日
FRUITS ZIPPERにとってキャリア初の首位獲得となりましたが、一方で指標構成は大きく偏っています。
上記はFRUITS ZIPPER「KawaiiってMagic」のCHART insight。右上の累計ポイント構成比では黄色で表示されるフィジカルセールスの割合が大きくなっているのですが、3月19日にデジタル先行でリリースされた同曲は3月26日公開分でダウンロード指標80位、4月9日公開分から2週連続で動画再生指標が100位未満ながら300位以内に入り加点されるも、その他は当週加点されたフィジカルセールスを除いて獲得できていません。
すなわち、当週「KawaiiってMagic」が獲得した6,816ポイントはすべてフィジカルセールスに基づくものです。FRUITS ZIPPERをはじめとするKAWAII LAB.所属歌手の作品はストリーミングに強く、それが女性アイドルグループの勢力図の変動に影響してきている(と捉えている)のですが、そのストリーミングが新曲では高くないということになります。
KAWAII LAB.関連ではCANDY TUNEによる「推し♡好き♡しんどい」が4月30日公開分で総合7位に入ったものの、こちらもこれまでストリーミング指標を獲得できていません。同曲は翌週100位未満に後退しており(下記エントリー参照)、FRUITS ZIPPER「KawaiiってMagic」も同様の流れに至る可能性は高いでしょう。
他方、当週総合100位以内に入ったKAWAII LAB.所属歌手作品(「FRUITS ZIPPER「わたしの一番かわいいところ」、CANDY TUNE「倍倍FIGHT!」およびCUTIE STREET「かわいいだけじゃだめですか?」)は当週もストリーミングが加点され、総合100位以内在籍は順に40週、10週および32週となっています。
実際、KAWAII LAB.所属歌手は初週フィジカルセールスが大きく伸びています。FRUITS ZIPPERは「NEW KAWAII」が39,575枚に対し「KawaiiってMagic」は292,341枚と7倍以上に、またCANDY TUNEは「キス・ミー・パティシエ」の27,633枚から「推し♡好き♡しんどい」では61,076枚と倍増しています(なおCUTIE STREETのフィジカルシングルは「かわいいだけじゃだめですか?」のみとなります)。
KAWAII LAB.所属歌手はストリーミングヒットに伴いコアファンが増え、それが初週フィジカルセールスの増強につながったかもしれません。一方で新曲ではストリーミングが加点されていないという状況が気になるところですが、FRUITS ZIPPER「わたしの一番かわいいところ」はフィジカルリリースのおよそ1年後にストリーミングが100位以内に上昇しており、今後のブレイクの可能性も。新曲の動向は注視する必要があります。