最新4月2日公開分(集計期間:3月24~30日)のビルボードジャパンソングチャートは前週首位に立ったMrs. GREEN APPLE「ライラック」が2位に後退。フィジカルセールス初加算に伴い乃木坂46「ネーブルオレンジ」が総合100位以内初登場にして首位に立っています。
本作は、3月26日に発売された乃木坂46の38枚目となるシングル。前作の初週セールス数を上回る611,511枚を売り上げ、セールス1位、ダウンロード9位、ラジオ13位、動画21位で通算28度目となる総合首位を獲得した。
【ビルボード】乃木坂46「ネーブルオレンジ」が総合首位、ケツメイシ「さくら」が約1年ぶりにチャートイン https://t.co/KlicvnnASN
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2025年4月2日
乃木坂46「ネーブルオレンジ」は9,444ポイントを記録。一方で前作「歩道橋」は昨年12月18日公開分にて9,834ポイントとなり、今作はフィジカルセールスを前作より伸ばしながらもポイント自体は下がっています。
上記CHART insightでは分かりにくいかもしれませんが、「歩道橋」ではフィジカルセールス初加算時にストリーミングが100位未満ながら300位圏内となり加点されています。またフィジカルセールスが加点される前はストリーミングが3週連続で加点され、総合100位以内に二度ランクインしていました。
今作「ネーブルオレンジ」ではデジタル先行リリースからフィジカル初加算まで間がなかったものの、ストリーミングは1週目に加点されながら前週および当週は加点されていません。ストリーミングの動向が前作からのポイント減少に表れたと言っていいでしょう。
大事なのは短期的な上位進出以上にロングヒットであり、ストリーミング指標の高値安定がより重要となります。乃木坂46は前作「歩道橋」がフィジカルセールス加算2週目にストリーミング300位未満(同指標未加点)だったこともあり総合1→49位に急落。ゆえに今作「ネーブルオレンジ」の動向如何では、このようなことが現実味を帯びてくると感じています。
今年 #NHK紅白 が行われるならば、アイドルやダンスボーカルグループの顔ぶれが比較的大きく変わるのではないかという見方を抱いています。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2025年4月2日
『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか 以下"紅白"と記載)は若手歌手の選考において、年明け以降のヒットの状況を重視する傾向にあります。坂道グループは乃木坂46を固定軸として、ここ2年は櫻坂46がもう一枠を務めていますが、日向坂46を含む3組においてストリーミングが最も強いのは櫻坂46であることから、今後は櫻坂46が主軸となるかもしれません。
しかしながら、櫻坂46のストリーミング動向はLINE MUSIC再生キャンペーンの影響が大きく、曲は気になるが歌手のファンというわけではないライト層を獲得しているとは言い難いでしょう。そうなれば、坂道グループの少なくとも1枠がこちらのアイドルグループに充てられるのではと捉えています。
CUTIE STREET「かわいいだけじゃだめですか?」が当週のビルボードジャパンソングチャートで10位に上昇。フィジカルセールス初加算時に最高2位を記録した同曲は、その後ストリーミングや動画再生といった接触指標群の安定、またカラオケのヒットも相まって1月1日公開分以降は計5週に渡りトップ10入りを果たしています。各指標の順位をみると、「ネーブルオレンジ」よりもロングヒット作品に近い動きだと解るでしょう。
アイドルやダンスボーカルグループの作品はフィジカルセールス指標初加算時に総合チャートで上位進出を果たすものの、ロングヒットとなると極めて少ないというのが現状です。その中でKAWAII LAB.所属歌手作品はCUTIE STREETやFRUITS ZIPPER、最近ではCANDY TUNEも人気となっています。今年の紅白にCUTIE STREETが初出場し、KAWAII LAB.所属歌手を従えるということは十分あり得るのではないでしょうか。
とはいえ、当週はポイントが可視化される50位までの水準が2025年度の中でも特に低くなっています。2023年度は4月にYOASOBI「アイドル」が、2024年度は1月にCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」がリリースされていますが、このような大ヒット作品が登場すれば事態は大きく変わるはずです。