サカナクションによるおよそ3年ぶりの新曲「怪獣」が、2025年を代表するヒット曲に成る予感がします。アニメ『チ。 ―地球の運動について―』オープニング曲・主題歌であるこの曲は主要サブスクサービスによるデイリーチャートでいずれもトップ10入り、そしてSpotifyではリリース日に首位に到達しているのです。
日本における2月20日付Spotifyデイリーチャート。50位以内の再生回数は、多くの曲で前日より減少しています。#サカナクション「#怪獣」が #MrsGREENAPPLE「#ライラック」を上回り、同曲初の首位に。再生回数前日比256.5%、575,713回再生を記録しています。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2025年2月21日
Spotifyでは2月19日付で、サカナクション「怪獣」が10位に初登場。Spotifyの1日の区切りが午前0時以降である(とみられる)ことが影響した形ですが、初の24時間フル加算となった翌日付で首位に立っています。
日本における2月19日付Spotifyデイリーチャートでは #サカナクション「#怪獣」が575,713回再生を記録し首位に。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2025年2月21日
首位曲の50万回再生突破は1月19日付の #MrsGREENAPPLE「#ライラック」(513,007回)以来。
昨年4月14日付での #CreepyNuts「Bling-Bang-Bang-Born (#BBBB)」(624,950回)以来の高水準です。
この記録については音楽チャートを分析するあささんも発信。ポストへの高いインプレッション数から、サカナクション「怪獣」への注目度の高さがみえてきます。
#サカナクション「怪獣」、配信初日となる2025/2/20(木)付Spotifyデイリーチャートで57.5万再生を記録し1位に浮上。米津玄師「KICK BACK」の43.8万を超え、配信初日再生回数歴代最多記録を大幅更新する驚異の動向となった。なお配信初日の1位獲得はKing Gnu「SPECIALZ」以来約1年5ヶ月ぶり史上7曲目。 https://t.co/Zg2QpJzH7h pic.twitter.com/e5F8jnnX7W
— ブログ『Billion Hits!』管理人(あさ) (@musicnever_die) 2025年2月21日
サカナクション「怪獣」については、音楽ジャーナリストの柴那典さんがあささんのポストに触れた形で発信しています。
サカナクション「怪獣」。ここにきてバンドの正面玄関にあるべき最高傑作の曲が届いたと思ってたら、これがSpotifyの配信初日の再生回数の歴代最多記録を更新したという話を聞いておおっ!となってる。もちろん「チ。」との相乗効果も大きいけど、これ、2025年最大のヒット曲になるかも。すごいぞ。
— 柴 那典 (@shiba710) 2025年2月21日
「知への欲求」と「世界を塗り替える意志」のロマンティシズムをここまで真っ直ぐに歌った曲がすごい勢いで跳ねていって、大衆に受け入れられていくって、ちょっと今までのポップカルチャーにはなかなかないすごい現象が起きてるような気がする。興奮してる。怪獣。
— 柴 那典 (@shiba710) 2025年2月21日
"2025年最大のヒット曲になる"という指摘は、たしかにその通りかもしれません。
日本のSpotifyデイリーチャートにおける1位、50位および200位の再生回数推移をグラフ化したものを上記に。これをみるとサカナクション「怪獣」が今年最大のデイリー再生回数を記録し、そしてYOASOBI「アイドル」やCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」といった一昨年以降の山をなぞると考えるのは自然なことです。この2曲はビルボードジャパンソングチャートで大ヒットし、年間チャートでは共に首位に至っています。
サカナクション「怪獣」がビルボードジャパンソングチャートで初登場するのは次週2月26日公開分。集計期間は2月17日からの1週間であり、「怪獣」は4日目以降が加算対象となります。オリコンによる発売日のダウンロードランキングをみると既に1万6千を超えるDL数を獲得しており、ビルボードジャパンソングチャートのダウンロード指標でも首位の座に就く可能性は高いでしょう。
最新のビルボードジャパンソングチャートではMrs. GREEN APPLE「ライラック」が首位に返り咲いたもののポイントが緩やかに下がっていることもあり、今後はフィジカルセールスに強い曲が入れ替わる形で総合首位に就き続ける可能性が考えられました。その中でサカナクション「怪獣」が今後もストリーミングにて高水準で安定すれば同曲が総合首位に立ち続け、2025年を代表するヒット曲に成ると考えて差し支えないはずです。
ちなみにサカナクションはStationheadを用いたリリース前の発信を行っていますが(→こちら)、「怪獣」の配信前ゆえ楽曲の再生回数増加にはつながりません。その状況下で「怪獣」が初動から高位置に就くことができたのはこのような背景があるのではと考えます。ちなみにStationheadでのリリース前配信は、期待感の増大とリリース日の認知浸透につながったはずです。
#サカナクション「#怪獣」、2025年度最大級のヒットに成るかもしれません。曲自体の魅力もさることながら、
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2025年2月21日
・初公開から時間を経ての公開に伴う期待感の増大
・完璧に仕上げんとするサカナクションの姿勢
・それを期待し、待つファンの意志
これらが公開直後の再生回数に結実したものと考えます。 https://t.co/C8u9qoYoNe
そして、サカナクションと『チ。 ―地球の運動について―』とのコラボレーション動画が、サカナクション側の公式YouTubeチャンネルで公開されたことはビルボードジャパンソングチャートでプラスに作用します。動画再生指標はISRC(国際標準レコーディングコード)を付番した動画がカウント対象となりますが、テレビやアニメ制作会社のチャンネルでは付番できません。付番可能な歌手側での公開は見事な判断だと捉えています。