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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

サカナクション「怪獣」、2025年を代表するヒット曲に成る可能性について

サカナクションによるおよそ3年ぶりの新曲「怪獣」が、2025年を代表するヒット曲に成る予感がします。アニメ『チ。 ―地球の運動について―』オープニング曲・主題歌であるこの曲は主要サブスクサービスによるデイリーチャートでいずれもトップ10入り、そしてSpotifyではリリース日に首位に到達しているのです。

 

Spotifyでは2月19日付で、サカナクション「怪獣」が10位に初登場。Spotifyの1日の区切りが午前0時以降である(とみられる)ことが影響した形ですが、初の24時間フル加算となった翌日付で首位に立っています。

この記録については音楽チャートを分析するあささんも発信。ポストへの高いインプレッション数から、サカナクション「怪獣」への注目度の高さがみえてきます。

 

サカナクション「怪獣」については、音楽ジャーナリストの柴那典さんがあささんのポストに触れた形で発信しています。

"2025年最大のヒット曲になる"という指摘は、たしかにその通りかもしれません。

日本のSpotifyデイリーチャートにおける1位、50位および200位の再生回数推移をグラフ化したものを上記に。これをみるとサカナクション「怪獣」が今年最大のデイリー再生回数を記録し、そしてYOASOBI「アイドル」やCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」といった一昨年以降の山をなぞると考えるのは自然なことです。この2曲はビルボードジャパンソングチャートで大ヒットし、年間チャートでは共に首位に至っています。

サカナクション「怪獣」がビルボードジャパンソングチャートで初登場するのは次週2月26日公開分。集計期間は2月17日からの1週間であり、「怪獣」は4日目以降が加算対象となります。オリコンによる発売日のダウンロードランキングをみると既に1万6千を超えるDL数を獲得しており、ビルボードジャパンソングチャートのダウンロード指標でも首位の座に就く可能性は高いでしょう。

最新のビルボードジャパンソングチャートではMrs. GREEN APPLEライラック」が首位に返り咲いたもののポイントが緩やかに下がっていることもあり、今後はフィジカルセールスに強い曲が入れ替わる形で総合首位に就き続ける可能性が考えられました。その中でサカナクション「怪獣」が今後もストリーミングにて高水準で安定すれば同曲が総合首位に立ち続け、2025年を代表するヒット曲に成ると考えて差し支えないはずです。

 

ちなみにサカナクションはStationheadを用いたリリース前の発信を行っていますが(→こちら)、「怪獣」の配信前ゆえ楽曲の再生回数増加にはつながりません。その状況下で「怪獣」が初動から高位置に就くことができたのはこのような背景があるのではと考えます。ちなみにStationheadでのリリース前配信は、期待感の増大とリリース日の認知浸透につながったはずです。

そして、サカナクションと『チ。 ―地球の運動について―』とのコラボレーション動画が、サカナクション側の公式YouTubeチャンネルで公開されたことはビルボードジャパンソングチャートでプラスに作用します。動画再生指標はISRC(国際標準レコーディングコード)を付番した動画がカウント対象となりますが、テレビやアニメ制作会社のチャンネルでは付番できません。付番可能な歌手側での公開は見事な判断だと捉えています。

 

 

サカナクション「怪獣」の今後の各サブスクサービスの動向、そして次週以降のビルボードジャパンソングチャートに注目です。