最新10月16日公開分のビルボードジャパンソングチャートでは、CUTIE STREET「かわいいだけじゃだめですか?」が84位に初登場を果たしています。
上記ミュージックビデオは今週公開されており、動画再生指標は次週のチャートに加算予定。そしてこの曲は当週ストリーミングが82→55位と上昇しており、この指標がヒットを牽引していることが解ります。
【TikTok Weekly Top 20】CUTIE STREET「かわいいだけじゃだめですか?」2週連続1位、戦慄かなの「悪い人」トップ10入り https://t.co/8u9AnJdLe5
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2024年10月16日
TikTokではこの「かわいいだけじゃだめですか?」が最新10月16日公開分のTikTok Weekly Top 20で連覇を達成しましたが、TikTokは総合ソングチャートの構成指標に含まれません。加えて、TikTokチャートでのヒットが動画やストリーミングに伝播し総合ソングチャートで人気になると決まっているわけではありません。その状況下で、TikTokから総合ソングチャートへヒットが移行していることは注目すべきと感じています。
さて、CUTIE STREETはKAWAII LAB.に所属しています。
日本のポップカルチャーを牽引するアーティストを擁するカルチャープロダクション、アソビシステムが、日本で成長を続けてきたアイドル文化を世界に向けて発信する新プロジェクト「KAWAII LAB.」を発足。
今後は世界やバーチャル空間で活躍できるアイドルの発掘・育成・輩出を目指し、活動していく。
このKAWAII LAB.には、昨年の日本レコード大賞で最優秀新人賞を受賞したFRUITS ZIPPERも在籍しています。
FRUITS ZIPPER「わたしの一番かわいいところ」は今年に入り、ストリーミング主体に上昇を続けています。ビルボードジャパンソングチャートのストリーミング指標では8週連続で100位以内に入り、最新10月16日公開分では最高位となる62位に。それに伴い、当週の総合ソングチャートでは62→58位に上昇しています。
この総合58位という成績は、フィジカルセールス初加算時(2023年9月20日公開分)に記録した13位を除けば最高位に。この点から、フィジカルセールスによる勢いは瞬発力、一方のストリーミングは持続力であることが解るでしょう。
さらに興味深いのは、KAWAII LAB.所属歌手のミュージックビデオが所属先であるKAWAII LAB.の公式YouTubeチャンネル(→こちら)にて公開されているということ。たとえばFRUITS ZIPPER「わたしの一番かわいいところ」のライブ映像(下記参照)は歌手側の公式YouTubeチャンネルから公開されているのですが、ミュージックビデオを所属先のチャンネルにて公開するという手法はK-POPにおけるHYBE等を想起させます。
ヒット中のFRUITS ZIPPER「わたしの一番かわいいところ」、そしてCUTIE STREET「かわいいだけじゃだめですか?」は”かわいい”がテーマであることが共通。KAWAII LAB.はその”かわいい”を主軸とした作品や歌手を輩出し、実際に功を奏しているといえるでしょう。ともすればKAWAII LAB.は”かわいい”の代名詞、請負人たる位置を狙っているのかもしれません。
SNS上でのヒットは特に若年層への浸透度が高いこと、そして総合ソングチャートへのランクインはその浸透がより拡がっていることが考えられます。(追記あり)『NHK紅白歌合戦』出場歌手を予想する (予想2回目)(10月7日付)にてFRUITS ZIPPERの初出場を予想したのはSNSやストリーミング人気を踏まえてのものですが、フィジカルセールスに強い女性アイドル(の運営側)はこの状況をどう捉えているのか、気になります。