イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ビルボードジャパンのトップアーティストチャート チェックの勧め (最新週の注目動向を紹介)

最近の自分は、ビルボードジャパンのトップアーティストチャート(Artist 100)を以前に増して注目するようになっています。昨年の『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)で特別企画枠を除き初登場を果たした10組についてチャート面から妥当だと以前のブログエントリーにて示しましたが、その際用いたのがこのトップアーティストチャートとなります。

2022年度のビルボードジャパン年間トップアーティストチャートは下記ツイート内リンク先からたどることができますが、先述した10組は58位までにすべて登場しており、人気が高かったことが見て取れます。なおソングチャートを主体とした2022年度の振り返りについてはこちらのブログエントリーでも紹介しています。

 

それでは、最新1月18日公開分のビルボードジャパントップアーティストチャートから、気になるポイントを紹介します。

 

なおここで紹介するキャプチャ画像はビルボードジャパントップアーティストチャートのCHART insightとなり、最長にて直近60週分を掲載しています。

順位、チャートイン回数およびチャート構成比は最新1月18日公開分のデータとなります。また総合順位は黒で表示され、指標別ではフィジカルセールスが黄色、ダウンロードが紫、ストリーミングが青、ラジオが黄緑、ルックアップがオレンジ、Twitterが水色、動画再生が赤そしてカラオケが緑で表示されます。なお2023年度以降はルックアップおよびTwitter指標が廃止されています。

 

 

・Vaundy (1月18日公開分トップアーティストチャート 2位)

昨年の紅白を機に、より広く世間に知れ渡ったと言えるVaundyさん(関連ブログエントリーは上記に)。前週自己最高位をマークし当週もキープしました。ダウンロードはテレビパフォーマンス後1週間程度は伸びる傾向にあるゆえ今回の集計期間(1月9~15日)では下がると思われましたが、同指標は1ランクダウンにとどまっています。理由は「まぶた」のリリースゆえであり、解禁スケジュールの組み立ても実に巧いと感心します。

 

・結束バンド (1月18日公開分トップアーティストチャート 6位)

2週連続でトップアーティストチャート6位の結束バンドは、最新1月18日公開分ビルボードジャパンアルバムチャートで首位に返り咲き(この件は上記ブログエントリーにて紹介しています)。ダウンロードが前週まで3週連続首位と強さを発揮したのみならず、デジタル先行のアルバム『結束バンド』がフィジカルセールス初加算以降ストリーミングを大きく伸ばしたのもポイント。動画再生指標の加算がロングヒットの鍵でしょう。

 

・8LOOM (1月18日公開分トップアーティストチャート 19位)

当週まで8週連続、通算9週目となるトップアーティストチャート20位以内ランクイン。強さの理由は当週においてチャート構成比の9割以上を占めるストリーミングで、ネットでも人気の「Melody」が牽引。惜しむらくは彼らにおいても動画再生指標が一度として加点されていないことで、今からでもアーティスト専用YouTubeチャンネルを用意することが必要だと提案します(未加点については上記ブログエントリー参照)。

 

SixTONES (1月18日公開分トップアーティストチャート 18位)

前週の1位からの急落は、前週アルバムチャートで『声』が首位に初登場したことの反動。フィジカルセールスに強い歌手のトップアーティストチャートはこのような形になりがちですが、しかし一度として総合100位以内から落ちていないのは動画再生指標が安定して強いため(常時40位以内に登場)。接触指標はライト層の高さを示すことから、サブスク解禁していればストリーミング指標も安定して高いものと思われます。

 

・NewJeans (1月18日公開分トップアーティストチャート 7位)

最後に紹介するのはNewJeans。彼女たちの人気が世界的に高まっていることは最新1月21日付グローバルチャートからも解りますが(上記ブログエントリー参照)、その傾向は日本でも。最新1月18日公開分のビルボードジャパンソングチャートでは2曲がトップ20入りを果たし、フィジカルセールス指標未加算となるカップリング曲の「Ditto」(12位)が加算される「OMG」(20位)よりも上位に来るという展開を見せています。

注目は近年デビューしたK-POPガールズグループにおいて、リリースの度に人気が高まっていることがトップアーティストチャートにて可視化されている点。接触指標で人気が継続(話題が持続)している状態で次の作品が投入され、ステップアップしていることがCHART insightから解ります。昨年紅白に初出場を果たしたIVEやLE SSERAFIMがこの形をなぞっており、NewJeansも続くものと思われます。

 

 

ビルボードジャパンのCHART insightは各種チャートの総合順位のみならず、指標毎の順位も確認することが可能です。様々な気付きが得られ、また純粋に楽しいと思うゆえ、触れてみることをお勧めします。