毎週木曜以降は、最新のビルボードジャパン各種チャートについてお伝えします。
5月30日~6月5日を集計期間とする6月8日公開(6月13日付)ビルボードジャパンソングスチャート(Hot 100)。フィジカルセールス初加算に伴い日向坂46「僕なんか」が首位を獲得しました。
【ビルボード】日向坂46「僕なんか」478,142枚を売り上げ総合首位獲得 YOASOBI新曲「好きだ」総合8位に初登場 https://t.co/pX0Gslz8zb pic.twitter.com/l5S2bcE7ol
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2022年6月8日
首位曲の分析は後日とします。今回、ビルボードジャパンは大きなミスを発生させており、その管理体制について強い疑問を覚えています。
ビルボードジャパンは、最新回のチャート発表から数時間後となる昨日17時9分に、チャートの訂正をアナウンスしました。
【チャートに関するお知らせ】
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2022年6月8日
2022年6月8日公開の総合ソング・チャート“HOT 100”、アニメ・チャート“HOT Animation”、ストリーミング・ソング・チャート“Streaming Songs”に関して、一部データに誤りがございました。訂正して、お詫びいたします。
ビルボードジャパンは通常、CHART insightを水曜13時前後に更新、総合等各種チャートをその数十分後以降段階的に発表した後、早ければ16時前に総合ソングスチャート等の記事をアップします。今回のCHART insightは13時直前に更新され、更新直後に自分はツイートにて紹介しています。
2022年6月8日公開分(6月13日付)ビルボードジャパン各種チャート、CHART insightが更新。https://t.co/NVZ8bHAde1
— Kei (@Kei_radio) 2022年6月8日
ソングスチャートは フィジカル関連指標1位の #日向坂46「僕なんか」が制覇。#Official髭男dism「#ミックスナッツ」、#米津玄師「#M八七」が続きます。
しかし昨日は記事がアップされないまま、先述した訂正アナウンスが行われました。そしてこの訂正は、総合ソングスチャートでほぼすべての曲の順位やポイントの変更をもたらしています。これは前代未聞と言える訂正です。
6月8日公開分(6月13日付)ビルボードジャパンソングスチャート、トップ10の訂正前(1枚目)と訂正後(2枚目)を比較すると、すべての曲のポイントが訂正されています。
— Kei (@Kei_radio) 2022年6月8日
データを構成するサービスの数値が反映されていなかった、もしくはチャートポリシーの変更があった可能性もあるかもしれません。 pic.twitter.com/pEWAgi2L6D
11位以下も細かく変わっています。トップ10のみならずすべてが変わっていると言っていいでしぃう。
— Kei (@Kei_radio) 2022年6月8日
このような最悪の事態も踏まえ、チャートの発表は夕方に行い、それまで精査し続けるのが最善ではないかと @Billboard_JAPAN には以前から提案しています。
この訂正を経て、ビルボードジャパンは18時過ぎに各種チャートの記事を公開。しかしチャートの訂正が行われたこと、そしてお詫びは訂正対象となる3つのチャートいずれにも掲載されていません。昨日20時52分現在における記事の内容をキャプチャしたものをリンクの下に掲載します。
13時台のチャート更新をチェックした上で(訂正アナウンスを見ずに)記事を見た方にとっては、なぜ訂正されているのかが記事からは分かりません。訂正したことをはっきり示さないと姿勢はあたかもミスをなかったことにし、責任から逃れようとしていると思われてもおかしくないのではないでしょうか。訂正とお詫びの掲載は必須と考えます。
今回のミスの原因については、ビルボードジャパンによるポッドキャストの最新回でチャートディレクターの礒崎誠二さんが語っています。後ほどYouTubeでもアップされると思われますが、ここではSpotifyのリンクを掲載します。下記はポッドキャストにおいて2分00秒以降の書き起こしとなります。
まず皆様にお詫びを申し上げたいことがございます。今回の、今日の発表分のJapan Hot 100(※ソングスチャートの意)において、ストリーミング指標のデータに瑕疵がございまして、一度出し直すということがございました。混乱をきたしてしまいまして、大変ご迷惑をおかけしました。申し訳ございません。
具体名を申し上げるということはありませんが、元データの、その元のストリーミングの某社のデータに齟齬があったというところでありまして、ここをもう一度すべて巻き直していたというところでありました。ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。
管理体制に関しては日々ブラッシュアップをしていってる状況ではありますが、あらためてこちらの管理体制を見直し、より精度の高いチャートデータに基づくランキングの公表に努めてまいります。
この度は申し訳ございませんでした。
問題の根本がストリーミングデータの提供時のミスにあるならば、その提供側たるサブスクサービス(仮に動画再生のオーディオストリーミングが原因ならばYouTube)がきちんと謝罪すべきというのが私見です。
ただし、チャートを一度発表した後にミスが見つかる(ミスを見つける)ということは、言い換えれば一度発表するまでには見つけられなかったとも言えます。であればやはり、ビルボードジャパンの管理体制には強い違和感と疑問を抱きかねません。
実際、ビルボードジャパンでは数週に1回のペースで、チャート発表後に訂正が発覚しています。実は前週もミスが生じていますが(ビルボードジャパンによるツイートはこちら)、およそ1ヶ月前には二度の大きなミスを発生させています。
4月と5月のミスにおいて、4月のほうではチャートディレクターの礒崎誠二さんがポッドキャストにてお詫びを述べ、管理体制の見直しを行うと明言されていましたが、5月についてはお詫びはありませんでした。ならば管理体制見直しに着手済みであると思いたかったのですが、今回またも大きなミスが発覚。しかも前代未聞とも言えるほぼ全曲変更という事態となったのです。
今回のミスはおそらくCHART insightの更新等の後、記事を書く段階になって気付いたものと思われます。しかしアナウンスの直後にポイントが訂正されたことを考えれば、お詫びアナウンスの結構前からこのミスに気付かれていたはずです。ならば気付いた段階で訂正があることをアナウンスし、一度チャートを撤回すべきだったのではないでしょうか。
そして夕方になってミスに気付いたということは、以前から提案している夕方一斉発表という措置を採っていたならば、ミス無く発表できたと言えるのではとも思うのです。
また、以前も述べていますが、チャート更新タイミングを夕方の定刻に設定することを望みます。チャートが出来上がったタイミングで発表するのではなく(しかも発表時間は毎週ばらついています)、一旦まとめあげた後に総合ソングスチャート等の記事を執筆した上で、たとえば毎週水曜18時公開と決めてチャートも記事も発表することを勧めます。記事執筆時に集計誤り等に気付く可能性もあり、執筆は監視の役割も果たします。
自分の提案が絶対的に正しいというわけではありませんが、ここまでミスを続け、しかもその都度ミスの内容が酷くなっていくならば、本気で採り入れてくださいとしか言いようがありません。発表時間を繰り下げれば、発表までの間にミスがないかを総動員で探すことができます(記事執筆時に見つけられることもあるはずです)。そして定時発表とすることでその時間をイベント化し、より大きく盛り上げることが可能です。
ビルボードジャパンは第3四半期初週となった昨日発表分において、チャートポリシー(集計方法)の変更に着手しなかった模様です。個人的な希望は月曜に述べましたが(今週ビルボードジャパンは下半期突入…その前にあらためて、チャートポリシー変更希望を提示する(6月6日付)参照)、特に今年度第2四半期半ばに二度行われたストリーミング指標に関する変更に関し、二度目の変更後の不完全の打開は絶対必要だったと考えます。
無論この提案も完全に正しいというわけではないかもしれませんが、このおかしな状況をそのままにしていることは、チャートの信頼を損ねるに十分でした。そして今回のミス発生に至ります。
第2四半期におけるストリーミング指標に関するチャートポリシー変更の不完全さにおいて、ビルボードジャパンへの個人的な信頼度は大きく低下していました。今回はそれをさらに、著しく低下させておかしくないミスです。体制の刷新も視野に検討してほしいと @Billboard_JAPAN には強く願います。
— Kei (@Kei_radio) 2022年6月8日
これでは信頼を得ることなどできません。また管理体制の見直しを公言したことに説得力が帯びるはずもないのです。最新回のポッドキャストでは管理体制を日々ブラッシュアップしていると述べられていますが、どこをどう変えたのかはきちんと公表したほうが腑に落ちます。言葉だけになってやいないかという疑念が芽生えてもおかしくないでしょう。
ビルボードジャパンのスタッフはチャート分析に長けた方々だとは思います。ただしそのチャート分析の能力と、管理する能力とは分けて考えたほうがいいかもしれません。記事はスタッフが書いている以上、今回の訂正やお詫びの未掲載は責任能力を疑われてもおかしくないレベルと考えます。ならば管理のプロを外部から招聘し、ミスのないチームづくりを根本から作り直すほうがいいのではというのが厳しくも私見です。
無論大事なのはミスをしないことですが、仮に発生してもその確率を減らすこと、そしてミス発生時に誠意ある対応を行うことができるかが信頼度に大きく関わってきます。ミスをしないための管理体制をどうしてきたかを随時報告していないならば、管理体制を変更していると述べても説得力を有しません。強い責任意識の保持と組織体制の透明化を、ビルボードジャパンに強く求めます。