イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ビルボードジャパンの相次ぐ更新遅延の問題…最も信頼できる音楽チャートへの改善案を今一度記す

音楽チャートで最も信頼できるものはビルボードジャパンである…この認識は音楽チャート分析に長けた方にとって共通のものと考えます。他の音楽ランキングへの疑念がこの1週間あまりの間に高まった以上、尚の事です。

 

ビルボードジャパンに遅れること半月あまり、オリコンは先月末に上半期ランキングを公開しました。オリコンにはビルボードジャパンを意識したと思しき合算ランキングも用意されていますが、上記ブログエントリーでの指摘内容を理由にビルボードジャパンがより優れたチャートであると断言します。加えて、『CDTVライブ!ライブ!』(TBS)が先週月曜に発表した上半期ランキングについても大きな問題が発生しています。

この不自然な逆転問題に加えて、そもそもこのランキングがフィジカルセールス指標に大きなウエイトを与える理由等の集計方法がみえないことも含め、放送翌日にTBSの問い合わせフォームを介して説明や開示を求めましたが、現在までに返答はいただいていません。返答の有無もさることながらランキング自体が不明瞭なことから、『CDTVライブ!ライブ!』のランキングは信頼すべきではないと考えます。

 

ならばビルボードジャパンを全面的に信頼すべきかといえば、堂々と肯定できない自分がいます。その理由は相次ぐミスにあるゆえ、今回再度指摘させていただきます。

 

(上記はビルボードジャパンの公式Twitterアカウントによる、"遅延"が含まれるツイートを最新分から表示したもの。3週続けて発生していることが解ります。)

ビルボードジャパンは直近となる7月6日公開分(7月11日付)まで3週続けて、CHART insight更新が遅れました。またこのアナウンスが6月22日は12時54分、6月29日は13時31分、7月6日は12時47分とバラバラの状況です。

ビルボードジャパンのチャート更新は一部のチャートを除き全体が14時頃、CHART insightは13時頃というのが通常です。おそらく先週および今週はOfficial髭男dism「ミックスナッツ」とSEKAI NO OWARI「Habit」が僅差であったために慎重に確認したことも遅延の理由となっているのかもしれませんが、しかしこの遅延状況が続くとやはり信頼を勝ち取ることは難しいというのが厳しくも私見です。

ビルボードジャパンでは先月、大きなミスが生まれています。更新遅延はここまでのミスではないとして、最新週ではCHART insightにおけるアルバムチャートの更新遅れ等も登場しており、ミスを生まない体制になったとは残念ながら言い切れない気がします。

 

 

何度も申し上げていますが、ビルボードジャパンにはあらためて以下を提案します。

ビルボードジャパン チャート発表(更新)に関する改善案>

・最新チャートを夕方、定時に発表する

・夕方までに総合チャートや各指標の記事を揃える

  (その際に不備が見つかる可能性があり、それを見つける目的にもなる)

・発表時間直前から生配信し、カウントダウンと解説を行う

  (ソングスチャートのカウントダウン→公開→解説の流れが最善)

・生配信の模様を直後にアーカイブ(ポッドキャスト)化し、収録の手間を省く

・不備が続くならば管理体制を変更し、また責任の所在を明らかにする

このうち生配信でのランキング紹介については、チャートディレクターの礒崎誠二さんによるツイート等が考えの根底にもなっています。

このデイリー新潮の記事については信憑性に欠けると思うのですが(そう思う理由についてはツイートしています)、礒崎さんが記事から感化されたならば記事(およびその書き手)に負けじときちんとランキングを発信することに徹するべきです。ホームページでの定時公開と生配信でのカウントダウンは音楽チャート発信のイベント化につながり、注目度の上昇やチェックすることの習慣付けにつながります。

ランキング紹介の重要性は、チャート分析に長けたあささんもこの記事を発端としてツイートしています(→こちら)。私見を述べるならば、上半期チャートを大きく取り上げてくれた『ミュージックステーション』(テレビ朝日)に行っていただくならば最善ですが、毎週放送されるわけではない等ネックも少なくないため、まずは自社制作で用意し、軌道に乗せ、興味を持ったメディアに番組化してもらうというのは如何でしょう。

 

 

他の音楽チャートの問題が強い一方、ビルボードジャパンはミスを続けることで自ら信頼を逃していると考えます。その不備の削除に努めると共に、システム上に問題があるならば根本から変えることが必要です。発表タイミングの変更も、システム変更の一助となるはずです。

厳しい物言いになり、何様と思われるかもしれませんが、問題はきちんと指摘し続けなければなりません。特に昨日の選挙の結果を踏まえれば、それが尚の事必要なことだと認識しています。