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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【海外ビルボード】「We Don't Talk About Bruno」、米においてディズニー映画史上最長タイの首位獲得週数を記録

現地時間の2月14日月曜に発表された最新2月19日付米ビルボードソングスチャート(Hot 100)。カロリーナ・ガイタン、マウロ・カスティージョ、アダッサ、レンジー・フェリズ、ダイアン・ゲレロ、ステファニー・ベアトリス & エンカント・キャスト「We Don't Talk About Bruno (邦題:秘密のブルーノ)」が3週連続の首位を獲得しました。

ディズニーアニメ映画『Encanto (邦題:ミラベルと魔法だらけの家)』のサウンドトラック発となる「We Don't Talk About Bruno」は、ストリーミングが前週比5%ダウンの3560万(同指標6週目の首位)、ダウンロードが同38%ダウンの8400(同指標2位)、ラジオが同53%アップの550万(同指標50位未満)を獲得。ダウンロードについては前週の集計期間まで2週間に渡って69セント(0.69ドル)の安価販売を行ったことの反動が表れています。

「We Don't Talk About Bruno」は前週連覇を達成した段階で、ディズニーアニメ映画では『アラジン』よりピーボ・ブライソン & レジーナ・ベル「A Whole New World」(1993年 1週)を抜き、初の複数週での首位獲得を果たしました。今回3週目の首位に立ったことで、実写も含むディズニー映画において首位獲得週数が最長タイに。ブライアン・アダムスロッド・スチュワート & スティング「All For Love」(『The Three Musketeers (邦題:三銃士)』より 1994年1-2月 3週)に並んでいます。

ディズニー映画においてはこの2曲に加えて、先述した「A Whole New World」が1週首位を獲得。トップ5に範囲を拡げると、マイリー・サイラス「The Climb」(『ハンナ・モンタナ ザ・ムービー』より 2009年 4位)、ザック・エフロン、アンドリュー・シーリー & ヴァネッサ・アン・ハジェンズ「Breaking Free」(『ハイスクール・ミュージカル』より 2006年 4位)、ヴァネッサ・ウィリアムス「Colors Of The Wind」(『ポカホンタス』より 1995年 4位)、エルトン・ジョン「Can You Feel The Love Tonight」(『ライオン・キング』より 1994年 4位)、イディナ・メンゼル「Let It Go」(『アナと雪の女王』より 2014年 5位)がランクインしています。

またディズニー・ミュージック・グループにおいても、「We Don't Talk About Bruno」は最長首位獲得曲となりました。このグループにはハリウッド・レコードも含まれており、そこからリリースされたプレイン・ホワイト・ティーズ「Hey There Delilah」が2007年に2週首位を獲得したのがこれまでの記録となります。

 

「We Don't Talk About Bruno」および『Encanto』サウンドトラックは3週連続で米ビルボードソングス/アルバムチャートを同時制覇。後者は今週通算5週目の首位となり、獲得ユニット数は前週比2%ダウンの110000となっています。

映画サウンドトラックおよびそこからの曲が3週以上同時に制したのは26年半ぶり。『Dangerous Minds (邦題:デンジャラス・マインド/卒業の日まで)』とクーリオ feat. L.V.「Gangsta's Paradise」が共に1995年9月9日付以降3週首位を獲得して以来の記録となります。

 

ニッキー・ミナージュ & リル・ベイビー「Do We Have A Problem?」が2位に初登場(ミュージックビデオではリル・ベイビーが客演扱いとなっていますが、米ビルボードの表記に倣い同時主演で表記します)。ストリーミングは2440万(同指標2位)、ダウンロードは48000(同指標1位)、ラジオは370万(同指標50位未満)をそれぞれ獲得しています。ダウンロードにおいてはオリジナル、クリーンバージョンおよびインストゥルメンタルの3種をリリースしたことが制覇の理由であり、同指標においてニッキーは9曲目、リル・ベイビーは初の首位を獲得しました。

ニッキー・ミナージュにとっては20曲目のトップ10入りとなり、1958年のチャート開始以降20曲以上のトップ10ヒットを輩出した22組目の歌手となりました。女性歌手ではマドンナの38曲を筆頭にリアーナ(31曲)、テイラー・スウィフト(30曲)、マライア・キャリー(28曲)、ジャネット・ジャクソン(27曲)、ホイットニー・ヒューストン(23曲)に次ぐ7組目となります。なおこの記録の最高はドレイクの54曲となります。

なおニッキー・ミナージュは、ドージャ・キャットに客演参加した「Say So」が2020年5月16日付で、シックスナインとの「Trollz」が同年6月27日付でそれぞれ首位を獲得しています。またリル・ベイビーにおいては9曲目のトップ10ヒットにして、2位獲得および初登場2位という記録はいずれも過去最高タイに。いずれもドレイクに客演参加した「Wants And Needs」(2021年3月)および「Girls Want Girls」(2021年9月)で同位置につけています。

 

ジャスティン・ビーバー「Ghost」が3ランクアップし9位に到達しました。ストリーミングは前週比8%アップの790万(同指標36位)、ダウンロードは同20%アップの3400(同指標17位)、ラジオは同6%アップの6200万(同指標4位)を獲得しています。ジャスティン・ビーバーは今作で26曲目のトップ10入りを果たし、ソロ歌手では歴代11位となりました。

昨年春リリースのアルバム『Justice』に収録された「Ghost」は、ソングスチャート登場20週目にして初のトップ10入り。ジャスティン・ビーバーにとってはスクリレックスとディプロによるユニット、ジャック・ユー(Jack Ü)に客演参加した「Where Are Ü Now」が2015年に18週目でトップ10入りした記録を抜き、最も長い時間をかけてのトップ10入りとなりました。なおジャスティンはトップ10入りした26曲中、初登場でのトップ10入りが17曲に及びます。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) カロリーナ・ガイタン、マウロ・カスティージョ、アダッサ、レンジー・フェリズ、ダイアン・ゲレロ、ステファニー・ベアトリス & エンカント・キャスト「We Don't Talk About Bruno」

2位 (初登場) ニッキー・ミナージュ & リル・ベイビー「Do We Have A Problem?」

3位 (2位) アデル「Easy On Me」

4位 (3位) グラス・アニマルズ「Heat Waves

5位 (4位) ザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」

6位 (5位) コダック・ブラック「Super Gremlin」

7位 (6位) ゲイル「Abcdefu」

8位 (7位) エド・シーラン「Shivers」

9位 (12位) ジャスティン・ビーバー「Ghost」

10位 (8位) ジェシカ・ダロウ「Surface Pressure」

ラジオ指標を制したのはアデル「Easy On Me」(総合3位)。前週比4%ダウンの8530万を獲得し同指標12週目の首位となりました。またこの指標ではゲイル「Abcdefu」が前週比15%アップの5290万を記録、トップエアプレイゲイナーを獲得しています。

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。2月19日付ではGlobal 200においてカロリーナ・ガイタン、マウロ・カスティージョ、アダッサ、レンジー・フェリズ、ダイアン・ゲレロ、ステファニー・ベアトリス & エンカント・キャスト「We Don't Talk About Bruno」が2連覇、Global Excl. U.S.ではゲイル「Abcdefu」が6連覇を達成しました。

「We Don't Talk About Bruno」はGlobal 200においてストリーミングは前週比6%ダウンの6530万、ダウンロードは同32%ダウンの12900を獲得しています。また5位までが前週と変わらないこのGlobal 200においてはニッキー・ミナージュ & リル・ベイビー「Do We Have A Problem?」がストリーミング3620万、ダウンロード38700を獲得し7位に初登場を果たしました。Global 200ではニッキーにとって初のトップ10入りとなり、リル・ベイビーにとっては5曲目となります。

Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.において、ゲイル「Abcdefu」が6連覇を達成。ストリーミングが前週比5%ダウンの4010万、ダウンロードが同9%ダウンの5900を獲得しています。Global Excl. U.S.において6週以上首位を記録したのは5曲目となり、ザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」およびオリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」の9週、BTS「Dynamite」の8週、アデル「Easy On Me」の7週に次ぐ歴代5位の記録となりました。

Global Excl. U.S.ではマームッド & ブランコ「Brividi」がストリーミング3650万、ダウンロード7800を記録し、67位から7位に急伸。今週初めて1週間フル加算となったことに伴い、上昇を果たしました。

共にイタリアの歌手による「Brividi」は、両者にとって初の同チャートトップ10入り。今月1日から5日まで開催されたイタリアの音楽賞、サンレモ音楽祭においてこの曲は大賞を受賞し、5月10日から14日にかけて開催されるユーロヴィジョン・ソング・コンテストにイタリア代表として出場します。