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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

乃木坂46、BTS、モナキ…4月15日公開分ビルボードジャパンソングチャート上位曲の最新動向を考える

毎週土曜のブログエントリーでは、前週のビルボードジャパンソングチャートで初めてトップ10入りした曲の翌週動向について紹介しています。

本日付の別エントリーにて4月22日公開分の翌週動向を紹介していますが、今回は4月15日公開分にて初めてトップ10入りした曲(一部例外あり)で翌週も総合100位以内に残った3曲の、最新動向に注目します。

 

 

4月15日公開分にて初めてトップ10入りした曲、および12位に初登場したモナキ「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」の翌週動向については前週トップ10初登場曲の当週動向と、モナキ「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」のヒットについて(4月25日付)にて紹介しています。なお3位のOWV「ROCKET MODE」および9位のCLASS SEVEN「心にキスをした」は翌週総合100位未満に後退しています。

 

・乃木坂46「最後に階段を駆け上がったのはいつだ?」

 4月15日公開分 1位→4月22日公開分 18位→4月29日公開分 100位未満

・BTS「2.0」

 4月15日公開分 10位→4月22日公開分 15位→4月29日公開分 14位

・モナキ「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」

 4月15日公開分 12位→4月22日公開分 24位→4月29日公開分 46位

(上記CHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています(ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています)。また、以下に紹介するCHART insightも同様に、有料会員が確認可能なものとなります。)

 

3曲はそれぞれ、特筆すべきチャートアクションを示しています。

 

当週最も高い位置に登場したのがBTS「2.0」。アルバム『ARIRANG』のリード曲は「SWIM」ですが(最新4月29日公開分では11位にランクイン)、「2.0」は4月2日のミュージックビデオ公開に伴い4月8日公開分ビルボードジャパンソングチャートで動画再生指標(CHART insightでは赤で表示)が8位に初登場、総合でも47→19位に急伸しています。

そして注目は、CHART insightにて茶色で表示されるUGCの動向。UGCとは"踊ってみた"等に代表されるユーザー生成コンテンツであり、この人気を示すTop User Generated Songsチャートにて「2.0」は4月15日公開分にて100位未満から10位に大きく上昇しています。これは同週の集計期間初日に公開されたダンスプラクティス動画を機に、「2.0」のダンス動画を投稿した方が増えたことが大きく影響したものとみられます。

UGCは総合ソングチャートの構成指標ではないものの、動画再生やストリーミング指標(CHART insightでは青で表示)等とリンクする傾向にあります。またBTSは先月来日公演を実施し、その前後にて『ARIRANG』収録曲の順位が比較的安定。ライブ前後は予習および復習の目的で聴取する(ライブの模様がテレビ等で紹介されることで観客以外も接触する)方が増える傾向にあり、「2.0」にも波及したといえるでしょう。

 

モナキ「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」は演歌歌謡曲ジャンルの作品として極めて珍しく、3週連続で総合50位以内をキープ。前週初の1週間フル加算だったこともありストリーミング指標が70位に上昇した同曲は、当週は後退するも100位にランクイン。また動画再生指標は10→23位と推移しています。接触指標群の後退幅は小さくはない一方、何かのきっかけで再浮上する可能性は十分考えられます。

@mcdonaldsjapan グリマやで☆グリマやねん☆しらんけど #グリマスシェイク #モナキ #ほんまやでダンス #グリマやでダンス ♬ オリジナル楽曲 - マクドナルド

そのひとつとなりそうなのが、マクドナルドによるウェブ限定CM。「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」のブレイクにはTikTokの影響も大きかったと考えるに、このCM(におけるTikTokでの展開)は楽曲のロングヒットにつながるかもしれません。他方、同曲は先述したUGCが3週連続で300位以内に入るも動きが大きくないため、たとえばダンス動画を用意するのも好いかもしれません。

 

一方で、乃木坂46「最後に階段を駆け上がったのはいつだ?」は総合首位獲得の2週後に100位未満へ後退しています。注視したいのはストリーミング指標が前週の29位から300位未満へ、いわば断絶している点。同曲ではLINE MUSIC再生キャンペーンを用意しており、この反動が表れた形です。

<坂道シリーズにおけるフィジカルシングル表題曲

 ビルボードジャパンソングチャートでの強さと課題>

 

◯ 週間単位での強さの背景

 ・初週フィジカルセールスの多さ (50万枚以上)

 ・先行公開された単曲版でのLINE MUSIC再生キャンペーン開催

 ・上記キャンペーンを少なくともフィジカルリリース初加算週まで継続

 ・”Special Edition”リリースに伴うダウンロード指標の再上昇

 

◯ ヒットが継続しない背景

 ・LINE MUSIC再生キャンペーン終了直後の急落

  → コアファンとライト層/グレーゾーンの乖離、コアファンの継続聴取の少なさ

 ・動画再生指標が基本的に高くないこと

  → 接触指標群(ストリーミングおよび動画再生)は本来比例する傾向

    コアファンの継続聴取の少なさ、ライト層/グレーゾーンによる聴取の少なさ

 

※ 動画再生指標はCHART insightにて赤で表示されます。

 

乃木坂46の今作におけるLINE MUSIC再生キャンペーンについては上記リンク先で紹介していますが、その「最後に階段を駆け上がったのはいつだ?」は自身の前フィジカルシングル表題曲、また他の坂道シリーズ(坂道グループ)による直近のフィジカルシングル表題曲と同様のチャートアクションをなぞっています。

 

乃木坂46「最後に階段を駆け上がったのはいつだ?」のみならず、週間チャート制覇という事実だけで"社会的ヒット"とみなすのは極めて難しいというのが、厳しくも私見です。

2026年度のビルボードジャパン週間ソングチャート首位曲の動向をみると、第2四半期はアイドル/ダンスボーカルグループの作品が毎週入れ替わる形で首位の座に就いていますが、嵐「Five」以外は首位獲得の翌週にトップ10未満へ後退、また「Five」においても首位獲得の翌週におけるポイント前週比が5割を下回っています。翌週順位やポイント前週比からは、このジャンルにおけるM!LK「爆裂愛してる」の強さがよく解ります。

 

これらを踏まえ、ビルボードジャパンには下半期の開始前に、所有指標群や再生キャンペーンに伴い所有指標的な動きをなぞるストリーミング、施策に用いられやすい一方で反動が大きいラジオといった指標群について、チャートポリシー(集計方法)を見直すかを議論することを願います。実際、このジャンルのMUSIC AWARDS JAPANにおけるノミネートからは週間単位以上にロングヒットの重要性がみえてくるゆえ、尚の事です。