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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米およびグローバルの動向を踏まえ、2026年度上半期を代表する洋楽(K-POP含む)7曲を挙げる

米ビルボード各種チャートは最新5月2日付が2026年度28週目となり、半年が経過しています。そこで今回は、米ビルボードによる米やグローバルソングチャートの動向を踏まえ、2026年度上半期を代表する洋楽(K-POP含む)を7曲を選んでいます。

ブログではこれまで、日本の楽曲も含めた形で計10曲選んできましたが(2025年度下半期については上記リンク先参照)、米ビルボードとビルボードジャパンの年度の始まりが1ヶ月半ずれていることから、今回から分けて取り扱う形を採用しています。なおそのずれも考慮し、2025年度下半期に選んだ2曲を今回も採り上げています。

 

<米・グローバルにおける2026年度上半期代表曲>

 

 

はじめに:2026年度上半期音楽チャートのトピックとは

米ビルボードにおける2026年度は2025年10月25日付が初週となります。その前週、すなわち2025年度の最終週に初登場を果たしたテイラー・スウィフト『The Life Of A Showgirl』が週間最多ユニット数を獲得し年間チャートも制覇していますが、そのインパクトが2026年度以降にも続いた形です。また2月にはグラミー賞およびスーパーボウルハーフタイムショーが開催され、音楽チャートにも影響を与えています。

他方、1月はじめに米ビルボードが米ソング/アルバムチャートにおいてチャートポリシー(集計方法)を変更。ストリーミング指標(アルバムチャートではSEA)においてサブスクサービス有料会員の1回再生と無料会員とのそれとで異なるウエイト付けを維持しつつ、後者がこれまでより存在感を高める変更を施していますが、YouTubeは異なるウエイトという考え方自体を古いと一蹴し、1月31日付以降データ提供を停止しています。

YouTubeのデータ提供停止は、とりわけグローバルチャートにおけるK-POPに影響を及ぼしています(これは日本の楽曲も同様)。YouTubeは現在も、データ提供停止を続けているという状況です。

 

それでは、その状況下における社会的ヒットを7曲選び、紹介します。

 

2026年度上半期を代表する洋楽(K-POP含む)

① テイラー・スウィフト「The Fate Of Ophelia」

2025年度下半期にも選出。アルバム登場の度にいわば無双状態が高まるテイラー・スウィフトは、今作収録曲で昨年度最終週の米ソングチャート上位を独占。アルバムそしてソングチャートにおける様々な施策から、テイラー・スウィフトの音楽チャートへの強いこだわりが感じられました。他方高い注目を集める曲は直後の失速も目立つのですが、アルバムリード曲は通算10週に渡り首位を獲得しています。

 

② オリヴィア・ディーン「Man I Need」

2025年度下半期にも選出。イギリス出身のオリヴィア・ディーンがセカンドアルバム『The Art Of Loving』にて大ブレイク。米では結果的にこの曲が一度も首位を獲ることなく、またアルバムはリリースタイミング的に来年のグラミー賞の対象となるにもかかわらず、この曲そしてアルバムのロングヒットがオリヴィアのグラミー賞最優秀新人賞受賞につながったことは間違いありません。

 

③ ブルーノ・マーズ「I Just Might」

米ソングチャートでキャリア初となる首位初登場、またアルバム『The Romantic』の初登場時に首位返り咲きを果たした作品。キャリア10曲目の首位獲得となったのみならず、すべてのオリジナルアルバム(アンダーソン・パークとの"シルク・ソニック"名義による『An Evening With Silk Sonic』含む)から首位曲を輩出。レディー・ガガやロゼとのコラボ曲もロングヒットし、今の音楽業界に無くてはならない存在に。

 

④ バッド・バニー「DtMF」

昨年大ヒットした『Debí Tirar Más Fotos』が2月開催のグラミー賞で最優秀アルバム賞を受賞、翌週にはスーパーボウルハーフタイムショーでヘッドライナーを担当(動画はこちら)。それによりアルバム収録曲の「DtMF」は2月21日付米ビルボードソングチャートで首位を獲得すると共に、米チャートトップ10内に4曲が登場、さらにグローバルチャートのうちGlobal 200ではトップ5を占め、イベントが大きくが反映されています。

 

⑤ エラ・ラングレー「Choosin' Texas」

2月14日付で初の米チャートを制したエラ・ラングレー「Choosin' Texas」はその後、上半期最終週までに三度その座に返り咲き。先述したバッド・バニー「DtMF」、ダウンロード等施策効果でテイラー・スウィフト「Opalite」、アルバム初登場に伴いブルーノ・マーズ「I Just Might」、そしてBTS「SWIM」が首位に立つも、それぞれ1週で離脱。安定が際立つ「Choosin' Texas」は、主にストリーミングで強さを発揮しています。

 

⑥ ピンクパンサレス & ザラ・ラーソン「Stateside」

昨年末以降の"2026 is the new 2016"ムーブメントを代表するのがザラ・ラーソン「Lush Life」(2015)のヒット。同曲は今年に入りグローバルチャートでトップ10入りしていますが、そのザラを昨秋の段階で自身の「Stateside」に迎え入れたのがピンクパンサレスでした。アイス・スパイスを招いた「Boy's A Liar Pt. 2」に続き、今回の共演版も米でトップ10入り。オリンピックでの使用も大きいながら、ザラを迎えた嗅覚は実に見事です。

 

⑦ BTS「SWIM」

YouTubeのデータ提供停止は特に、アイドル的な人気も誇るK-POP歌手のチャート動向に影響。BLACKPINKのアルバム初登場時に収録曲がグローバルチャートでトップ10入りしなかったことはその代表例ですが、BTSは「SWIM」にて米でも首位初登場。リミックスや別ジャケット用意等の施策も大きく、テイラー・スウィフトや後のオリヴィア・ロドリゴ「Drop Dead」等でも示されたユニバーサル側のチャート追求姿勢も感じます。

 

 

おわりに:下半期はどうなる、そしてYouTubeのデータ提供は再開させるべき

上半期の終盤は特に、女性歌手による曲が米ソングチャートで上位を占めています。最新チャートではオリヴィア・ロドリゴ「Drop Dead」が首位初登場を果たしており、この流れは続くかもしれません。ケラーニ「Folded」、またHUNTR/X(イジェ、オードリー・ヌナ & レイ・アミ)「Golden」も昨年度からヒットを続け、後者とセッションしたKATSEYEも認知度をさらに高めています。

そのセッションが行われたコーチェラ・フェスティバルにおいてはイベントに合わせる形での新曲リリースも目立ちつつ、ヘッドライナーを務めたジャスティン・ビーバーの新旧作品が大きく伸びていることに注目しています。バッド・バニー同様そこまで長く在籍することはないかもしれませんが、注目度や満足度の高いライブがYouTubeを介して広まることで尚の事、ライブの音楽チャートへの波及は増えていくかもしれません。

 

今夏はオリヴィア・ロドリゴやアリアナ・グランデといった女性歌手のアルバムが控える中、ドレイクも今月新作をリリースします。ケンドリック・ラマーとのビーフ以降初となる(単独名義での)アルバムゆえその影響が気になるところですが、男性歌手そしてヒップホップの音楽チャート上での再燃なるかはドレイクに負う部分が小さくないものと考えます。

 

最後に。スーパーボウルハーフタイムショーやコーチェラ・フェスティバル等の反響について、仮にYouTubeがデータ提供を続けていたならば音楽チャートにより大きく反映されたはずであり、また冒頭で記したようにBTS等K-POPの存在感はさらに高まったことは間違いないでしょう。米ビルボードとYouTubeの関係改善は必須ですが、データ提供停止を免れたビルボードジャパンがその仲介役を担うのも好いかもしれません。