(※追記(5月3日):リル・ナズ・X「Thats What I Want」について、これまで「That's What I Want」とアポストロフィ付きで紹介しておりました。訂正し、お詫び申し上げます。)
現地時間の3月28日月曜に発表された最新4月2日付米ビルボードソングスチャート(Hot 100)。グラス・アニマルズ「Heat Waves」が4連覇を達成しました。
.@GlassAnimals' "Heat Waves" tops the #Hot100 for a fourth week 💯 https://t.co/IrC3vk9Kse
— billboard (@billboard) 2022年3月28日
グラス・アニマルズ「Heat Waves」はストリーミングが前週とほぼ変わらず1510万(同指標3位)、ダウンロードが同7%ダウンの2900(同指標20位)、ラジオが同1%ダウンの6670万(同指標3週目の首位)を獲得。イギリス出身のグループとして、総合4週目の首位獲得は米ビルボードソングスチャート63年の歴史の中で歴代9位タイとなります。
<イギリス出身のグループによる米ビルボードソングスチャート長期首位獲得記録>
(日付は初の首位獲得日)
9週
ザ・ビートルズ「Hey Jude」(1968年9月28日付)
8週
ポリス「Every Breath You Take」(1983年7月9日付)
ビー・ジーズ「Night Fever」(1978年3月18日付)
7週
UB40「Can't Help Falling In Love」(1993年7月24日付)
ザ・ビートルズ「I Want To Hold Your Hand」(1964年2月1日付)
5週
ウイングス「Silly Love Songs」(1976年5月22日付)
ザ・ビートルズ (with ビリー・プレストン)「Get Back」(1969年5月24日付)
ザ・ビートルズ「Can't Buy Me Love」(1964年4月4日付)
4週
グラス・アニマルズ「Heat Waves」(2022年3月12日付)
スパイス・ガールズ「Wannabe」(1997年2月22日付)
ピンク・フロイド「Another Brick In The Wall (Part II)」(1980年3月22日付)
クイーン「Crazy Little Thing Called Love」(1980年2月23日付)
ビー・ジーズ「Stayin' Alive」(1978年2月4日付)
ポール・マッカートニー & ウイングス「My Love」(1973年6月2日付)
ビー・ジーズ「How Can You Mend A Broken Heart?」(1971年8月7日付)
ザ・ローリング・ストーンズ「Honky Tonk Women」(1969年8月23日付)
ザ・ビートルズ「Yesterday」(1965年10月9日付)
ザ・ローリング・ストーンズ「(I Can't Get No) Satisfaction」(1965年7月10日付)
※ビー・ジーズのメンバーはマン島生まれでイギリス、オーストラリア、イギリスと移住。またザ・ポリスおよびウイングスにおいてはメンバーにアメリカ出身者も含まれますが中心人物はイギリス出身であり、リストに掲載しています。
なお、イギリス出身のソロ歌手も含めると、マーク・ロンソン feat. ブルーノ・マーズ「Uptown Funk!」およびエルトン・ジョン「Candle In The Wind 1997」「Something About The Way You Look Tonight」(ダブルAサイドシングル)が、前者は2015年、後者は1997年から翌年にかけて、最長となる14週の首位を記録しています。なおブルーノ・マーズはアメリカ出身となります。
ザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」が2位をキープ。ストリーミングは前週比2%ダウンの1130万(同指標8位)、ラジオは同7%ダウンの6040万(同指標2位)を記録しています。昨年7月24日付で3位に初登場して以来今週まで37週連続でトップ10をキープしており、ポスト・マローン「Circles」が2019年から翌年にかけて記録した歴代最長記録となる初登場からのトップ10連続在籍週数にあと1週と迫っています。
またジャスティン・ビーバーは「Ghost」が1ランクアップで5位に。ストリーミングは前週比1%アップの900万(同指標22位)、ラジオは同2%ダウンの5860万(同指標3位)を記録し、総合では20曲目のトップ5ヒットとなりました。
<歴代トップ5ヒット保持者>
29曲 ザ・ビートルズ
28曲 マドンナ
27曲 マライア・キャリー、ドレイク
24曲 ジャネット・ジャクソン
23曲 リアーナ
21曲 エルヴィス・プレスリー
20曲 ジャスティン・ビーバー、マイケル・ジャクソン、スティーヴィー・ワンダー
19曲 ホイットニー・ヒューストン、エルトン・ジョン、テイラー・スウィフト
※ エルヴィス・プレスリーは米ビルボードソングスチャートのスタート以前もヒット曲があり、チャート開始以降としてのトップ5ヒットが21曲となります。
ジャスティン・ビーバーは今週トップ5に2曲を送り込みました。トップ5に2曲以上を同時ランクインさせたのは2021年9月18日付におけるドレイク以来となります。ドレイクはアルバム初登場時にトップ5を独占しており、ザ・ビートルズ以来史上2組目となる記録を達成しています。
ドージャ・キャット「Woman」が3ランクアップし9位に到達。ラジオは前週比8%アップの5310万を獲得しています。
これでドージャ・キャットはニッキー・ミナージュを迎えた「Say So」(2020年5月 1位)、アリアナ・グランデにメーガン・ザ・スタリオン(ワーナーミュージック・ジャパンでは”ミーガン・ザ・スタリオン”と表記)共々フィーチャーされた「34+35」(2021年1月 2位)、シザを迎えた「Kiss Me More」(2021年7月 3位)、「Need To Know」(2021年11月 8位)に続く5曲目のトップ10入り。「Kiss Me More」、「Need To Know」および「Woman」はいずれも昨年リリースのアルバム『Planet Her』収録曲となります。
最新のトップ10はこちら。
The #Hot100 top 10 (chart dated April 2, 2022)
— billboard charts (@billboardcharts) 2022年3月28日
[今週 (前週) 歌手名・曲名]
1位 (1位) グラス・アニマルズ「Heat Waves」
2位 (2位) ザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」
3位 (3位) コダック・ブラック「Super Gremlin」
4位 (4位) ゲイル「Abcdefu」
5位 (6位) ジャスティン・ビーバー「Ghost」
6位 (5位) カロリーナ・ガイタン、マウロ・カスティージョ、アダッサ、レンジー・フェリズ、ダイアン・ゲレロ、ステファニー・ベアトリス & エンカント・キャスト「We Don't Talk About Bruno」
7位 (8位) イマジン・ドラゴンズ & J.I.D「Enemy」
8位 (9位) リル・ナズ・X「Thats What I Want」
9位 (12位) ドージャ・キャット「Woman」
10位 (7位) アデル「Easy On Me」
イマジン・ドラゴンズ & J.I.D「Enemy」およびリル・ナズ・X「Thats What I Want」は共に最高位を更新。「Enemy」はラジオが前週比13%アップの4770万を記録し、6週連続でトップエアプレイゲイナーを獲得しています。この6週連続トップエアプレイゲイナー記録はオリヴィア・ロドリゴ「Good 4 U」(2021年6-7月)以来となります。
なおストリーミングのトップはカロリーナ・ガイタン、マウロ・カスティージョ、アダッサ、レンジー・フェリズ、ダイアン・ゲレロ、ステファニー・ベアトリス & エンカント・キャスト「We Don't Talk About Bruno」(総合6位)。前週比13%ダウンの1930万を獲得し、2013年1月の同指標(に基づく)チャート開始後では9番目の長さとなる12週目の首位を獲得しています。
米ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。4月2日付ではグラス・アニマルズ「Heat Waves」がGlobal 200で5連覇、Global Excl. U.S.で3連覇を達成しました。
.@GlassAnimals' "Heat Waves" tops both Billboard Global charts 🌎📈https://t.co/p3NUr7zpTR
— billboard (@billboard) 2022年3月28日
The Global 200 top 10 (chart dated April 2, 2022)
— billboard charts (@billboardcharts) 2022年3月28日
The Global Excl. U.S. top 10 (chart dated April 2, 2022)
— billboard charts (@billboardcharts) 2022年3月28日
グラス・アニマルズ「Heat Waves」はGlobal 200においてストリーミングが前週とほぼ変わらず5670万、ダウンロードが前週比8%ダウンの5100を、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではストリーミングが前週とほぼ変わらず4240万、ダウンロードが前週比9%ダウンの2100を獲得しています。Global 200において「Heat Waves」はBTS「Dynamite」(2020-2021年)を抜き、グループでの単独最長首位記録を達成しました。
アニッタ「Envolver」がふたつのグローバルチャートでトップ5入り。Global 200ではストリーミングが前週比54%アップの4870万、ダウンロードが同35%アップの1400を獲得し19→5位へ、Global Excl. U.S.ではストリーミングが前週比55%アップの4420万、ダウンロードが同38%アップの600となり12→2位に上昇、双方のチャートで初のトップ10入りを果たしました。これまでの最高は共に「Mu Gusta」で、Global 200では2020年に37位、Global Excl. U.S.では同年38位を記録しています。
この「Envolver」のヒットにはTikTokが大きく貢献。アニタの投稿動画におけるダンスを真似たダンスチャレンジがムーブメントに至っています。この件についてはニューズウィーク日本版ホームページ内、World Voiceの記事(→こちら)をご参照ください。