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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(訂正あり)【海外ビルボード】ストリーミングで大ヒット、ジャック・ハーロウ「First Class」が米チャートで初登場首位獲得

(※追記(5月3日):リル・ナズ・X「Thats What I Want」について、これまで「That's What I Want」とアポストロフィ付きで紹介しておりました。訂正し、お詫び申し上げます。)

 

 

 

現地時間の4月18日月曜に発表された最新4月23日付米ビルボードソングスチャート(Hot 100)。前週初登場で首位に輝いたハリー・スタイルズ「As It Was」は2位へ後退し、ジャック・ハーロウ「First Class」が初登場で首位の座に就きました。

(上記は公式ヴィジュアライザー。)

集計期間初日となる4月8日にリリースされたジャック・ハーロウ「First Class」は、3月31日にInstagramで予告されると、リリース前までにTikTokでバイラルヒットとなっていた作品。5月6日にリリースされるニューアルバム『Come Home The Kids Miss You』からのリード曲という位置付けになっています。バイラルヒットについては、米ローリングストーン誌のリンクを用いて紹介されています。

ビルボードソングスチャート63年の歴史において1136曲目の首位に立った「First Class」は、初登場での首位獲得となるとちょうど60曲目に。ストリーミングは5460万(同指標1位)、ダウンロードは10600(同指標1位)、ラジオは410万(同指標50位未満)となり、デジタルの強さが際立っています。

(上記はクリスマスソングを除く、2022年のストリーミング上位作品一覧。)

ストリーミングについては、リル・ナズ・Xと共演した「Industry Baby」が昨年8月および10月に通算2週首位を獲得して以来2曲目となる首位となり、2022年においては最高の再生回数を記録。ドレイク feat. フューチャー & ヤング・サグ「Way 2 Sexy」が昨年9月18日付で記録した6730万に続く高水準です。

また「First Class」のストリーミング再生回数はテイラー・スウィフト「All Too Well (Taylor's Version)」の5440万(昨年11月27日付)、およびアデル「Easy On Me」の5390万(昨年10月30日付。ただし「Easy On Me」は時差の関係上、前週のチャートにおいて5時間分のストリーミングが加点)を僅差で上回っています。

ジャック・ハーロウはダウンロードにおいても、「Industry Baby」で昨年10月に1週首位を獲得して以来2曲目の頂点に立っています。

ジャック・ハーロウの総合ソングスチャート首位獲得は、リル・ナズ・Xとの「Industry Baby」(昨年10月23日付)以来2曲目。トップ10入りはダベイビー、トリー・レーンズおよびリル・ウェインを迎えた「Whats Poppin」の2位(2020年7月)を含め、3曲目となります。

なお来月リリースのアルバム『Come Home The Kids Miss You』から先行リリースされた「Nail Tech」は58→40位へ上昇。3月5日付で18位に初登場したこの曲は今週、ストリーミングが前週比43%アップの950万を獲得しています。

ジャック・ハーロウ「First Class」はファーギー「Glamorous」を引用した作品。この「Glamorous」はファーギーにとって2007年3月24日付から2週に渡り、2曲目の首位獲得を果たした作品となります。

「First Class」と「Glamorous」のように、リワークした/された両方の作品が首位を獲得したのは、ドレイク feat. フューチャー & ヤング・サグ「Way 2 Sexy」(昨年9月18日付 1週)およびライト・セッド・フレッド「I'm Too Sexy」(1992年2月 3週)以来となります。

タイトルに"First"がつく曲の首位獲得は4曲目。モニカ「The First Night」が1998年10月3日付(通算5週)、サーフィス「The First Time」が1991年1月26日付(2週)、そしてロバータ・フラック「The First Time Ever I Saw Your Face」が1972年4月15日付(6週)、それぞれ首位を獲得しています。

 

ハリー・スタイルズ「As It Was」は2位へ後退。ストリーミングは前週比26%ダウンの3230万(同指標2位)、ダウンロードは同24%ダウンの7800(同指標5位)、ラジオは同25%アップの3380万(同指標14位)となりトップエアプレイゲイナーを獲得。デジタルの落ち込みが目立つ一方でラジオが高まっています。グラス・アニマルズ「Heat Waves」(総合3位)がそのラジオで6週目の首位に立っています(前週比1%アップの6340万を獲得)。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (初登場) ジャック・ハーロウ「First Class」

2位 (1位) ハリー・スタイルズ「As It Was」

3位 (2位) グラス・アニマルズ「Heat Waves

4位 (3位) ラトー「Big Energy」

5位 (5位) イマジン・ドラゴンズ & J.I.D「Enemy」

6位 (4位) ザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」

7位 (6位) コダック・ブラック「Super Gremlin」

8位 (8位) ドージャ・キャット「Woman」

9位 (7位) ジャスティン・ビーバー「Ghost」

10位 (10位) リル・ナズ・X「Thats What I Want」

ザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」は昨年7月24日付で3位に初登場して以来、40週連続でトップ10内をキープ。ポスト・マローン「Circles」が2019年から翌年にかけて記録した初登場からのトップ10連続在籍週数(38週)を上回り、歴代最長記録を更新しています。

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。4月23日付ではジャック・ハーロウ「First Class」がGlobal 200、Global Excl. U.S.共に2位に初登場。ハリー・スタイルズ「As It Was」が双方のチャートで首位をキープしています。

ハリー・スタイルズ「As It Was」はGlobal 200においてストリーミングが前週比15%ダウンの1億390万、ダウンロードが同28%ダウンの13700を、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではストリーミングが前週比8%ダウンの7250万、ダウンロードが同30%ダウンの6500を獲得しています。

「As It Was」は前週、Global 200でストリーミング1億2210万を獲得。初登場から2週連続でストリーミング1億超えを果たしたのは、このチャートが2020年秋に新設されて以降男性ソロ歌手では初であり、全歌手ではアデル「Easy On Me」以来となります。先述の通り「Easy On Me」は時差の関係で昨年10月30日付の前週にも加算対象となっていましたが、初の1週間フル加算となった10月30日付では1億7840万を、翌週には1億420万を獲得しています。

ジャック・ハーロウ「First Class」はGlobal 200、Global Excl. U.S.共に2位に初登場。Global 200ではストリーミング8900万、ダウンロード13400を、Global Excl. U.S.ではストリーミング3500万、ダウンロード2700を獲得しています。双方のチャートにおいてこれまでの最高位はリル・ナズ・Xとの「Industry Baby」における2位(共に昨年10月)であり、「First Class」は最高位タイとなりました。

カミラ・カベロ feat. エド・シーラン「Bam Bam」がGlobal 200で13→7位に。5週前に10位デビューを果たしたこの曲が、アルバム『Familia』初登場のタイミングで最高位を更新しました(『Familia』は最新4月23日付米ビルボードアルバムチャートで10位に初登場)。ストリーミングは前週比22%アップの3390万、ダウンロードは同37%アップの13100を獲得しています。また「Bam Bam」はGlobal Excl. U.S.でもストリーミングが前週比22%アップの2650万、ダウンロードが同10%アップの6800となり、11→7位に。こちらでもこれまでの最高位(11位)を上回りました。

Global Excl. U.S.ではIVE「LOVE DIVE」が105→10位に急上昇。4月5日リリースのこの曲は今回初の1週間フル加算に伴い上昇を果たした形です。ストリーミングは2890万、ダウンロードは2800をそれぞれ獲得しています。