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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(訂正あり)【海外ビルボード】マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」が米およびグローバルすべて制覇

(※訂正(18時24分):米ビルボードソングスチャート、トップ10の画像付きツイートについて誤って前週のものを掲載してしまいました。そのため、差替を実施しました。)

 

 

 

現地時間の1月4日火曜に発表された最新1月8日付米ビルボードソングスチャート(Hot 100)。マライア・キャリーが1994年にリリースした「All I Want For Christmas Is You (邦題:恋人たちのクリスマス)」が通算8週目の首位を獲得しました。

12月24日金曜から30日木曜までを集計期間とする最新1月8日付米ビルボードソングスチャート。マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」はストリーミングが前週比25%ダウンの3540万(同指標通算15週目の1位)、ダウンロードが同39%ダウンの4900(同指標11位)、ラジオが同49%ダウンの1650万(同指標40位)を獲得しています。

今回の集計期間においてクリスマスソングの勢いが高かったのは前半2日のみ(クリスマス当日まで)。しかしながらその2日分の勢いが非常に強く、総合ソングスチャートトップ10内には6曲が、そしてストリーミング指標においては上位19曲のうち18曲がクリスマスソングで占められる結果となりました。

 

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」は、時代に即したチャートポリシー変更(集計方法の変更)、とりわけストリーミングの成長および各ストリーミングサービスが用意する季節のプレイリストが曲にさらなる勢いを与えていると指摘されています。その点については、(米ビルボードの記事にはありませんが)以前ブログエントリーでまとめています。

 

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」が今回成し遂げた様々な記録をあらためてまとめてみます。

 

「All I Want For Christmas Is You」は最初に首位を獲得してからのスパンが最も長い作品となりました。最初の首位獲得は2019年12月21日付であり、2年と18日後の今回頂点に立ったことになります。また、マライア・キャリーはキャリア初の首位獲得(1990年8月4日付におけるデビューシングル「Vision Of Love」)から今回に至るまでのスパンが31年5ヶ月1週となり、自らの持つ歌手としての最長スパン記録を更に伸ばしています。

マライア・キャリーは今回の「All I Want For Christmas Is You」により、歌手として87週目となる首位を獲得。米ビルボードソングスチャート63年の歴史において、マライアは首位獲得週数で2位のリアーナ(60週)との差をさらに引き離しました。この記録は以下、ザ・ビートルズ(59週)、ドレイク(52週)、ボーイズIIメン(50週)と続きます。

なお「All I Want For Christmas Is You」はマライア・キャリーにとって19曲目の首位獲得曲でありソロでは最多を記録。全体での最高はザ・ビートルズの20曲ですが、マライア・キャリーは4つのディケイドで首位を獲得した唯一の歌手となります。

 

「All I Want For Christmas Is You」が通算8週目の首位を獲得し、マライア・キャリーにとって8週以上の首位獲得曲は5曲に(他はボーイズIIメンとの「One Sweet Day」(1995-1996年 16週)、「We Belong Together」(2005年 14週)、「Fantasy」(1995年 8週)、「Dreamlover」(1993年 8週)。8週以上の首位獲得曲を5作品保持するのはドレイクに並び最多タイとなります(次点として、ビヨンセおよびボーイズIIメンが3曲で並びます)。

クリスマスソングで総合チャートを制したのはデヴィッド・セヴィル & ザ・チップマンクス「The Chipmunk Song」(1958)とマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」のみ。「The Chipmunk Song」は4週首位を獲得しており、「All I Want For Christmas Is You」は首位獲得週数で4週引き離したことになります。

2011年のクリスマスシーズンに米ビルボードはクリスマスソングスチャート(Holiday 100)をスタートしていますが、登場から56週目となる同チャートで「All I Want For Christmas Is You」は通算51週目の首位を獲得。2015年のシーズン以降は36週連続でトップの座に就いています。またこの曲はクリスマスソングで歴代ナンバーワンの記録を更新中です(Greatest Of All Time Holiday 100 songsチャートより)。

 

アデル「Easy On Me」は3ランクアップし2位に。ストリーミングは前週比10%ダウンの1520万(同指標22位)、ダウンロードは同5%アップの9100(同指標3位)、ラジオは同7%アップの9400万(同指標6週目の1位)となっています。ラジオがここに来て伸びたのは、12月25日以降クリスマスソング以外の作品を流すようになったためです。

 

先述したように、クリスマスソングはトップ10に6曲エントリー。ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」(1958年)はストリーミングが前週比27%ダウンの3480万、ラジオが同45%ダウンの1260万を記録し、総合で2→3位に。またアンディ・ウィリアムス「It's The Most Wonderful Time Of The Year」(1963年)は2ランクダウンの8位となり、自身が持つ初のトップ10入りからの最長登場期間を62年3ヶ月に伸ばしました。アンディにとって初のトップ10入りは、1959年10月12日付の「Lonely Street」となります。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」

2位 (5位) アデル「Easy On Me」

3位 (2位) ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」

4位 (3位) ボビー・ヘルムス「Jingle Bell Rock」

5位 (4位) バール・アイヴス「A Holly Jolly Christmas」

6位 (9位) ザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」

7位 (15位) グラス・アニマルズ「Heat Waves

8位 (6位) アンディ・ウィリアムス「It's The Most Wonderful Time Of The Year」

9位 (23位) エド・シーラン「Shivers」

10位 (8位) ホセ・フェリシアーノ「Feliz Navidad」

グラス・アニマルズ「Heat Waves」は今週トップ10内にカムバックを果たしたのみならず、同曲の最高位を更新しています。

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。1月8日付ではGlobal 200、Global Excl. U.S.共にマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」が頂点に立ちました。

(上記は昨年末に公開されたリリックビデオ。)

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」はGlobal 200でストリーミングが前週比7%ダウンの9780万、ダウンロードが同30%ダウンの11900を、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではストリーミングが前週比4%アップの6640万、ダウンロードが同22%ダウンの7000を記録しています。Global 200においては2020年、2021年のクリスマスシーズンに4週ずつ首位を獲得した形です。

ホセ・フェリシアーノ「Feliz Navidad」(1970年)がGlobal 200で11→10位に。ストリーミングは前週比1%アップの4690万を獲得し、昨シーズンの9位に続くトップ10入りを果たしました。

Global Excl. U.S.ではアリアナ・グランデ「Santa Tell Me」(2014年)が11→9位となり、同チャートにおいて昨シーズンの7位に続くトップ10入りを達成。ストリーミングは前週比4%アップの3350万を記録しています。

 

今回のチャートでもクリスマスソングが大量エントリー。Global 200では7曲、Global Excl. U.S.では6曲がトップ10入りし、米ビルボード(6曲)と占有率はほぼ変わっていません。