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【海外ビルボード】マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」が米で通算15週目の首位に

現地時間の12月9日月曜に発表された、最新12月14日付米ビルボードソングチャート(集計期間:11月29日~12月5日)。前週初登場で首位を獲得したケンドリック・ラマー「Squabble Up」は7位に後退、マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You (邦題:恋人たちのクリスマス)」が今シーズン初、通算15週目の首位に立っています。

 

1994年のアルバム『Merry Christmas』に収録されたマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」は、ストリーミングの興隆に合わせ、またサブスクサービスのプレイリストにてクリスマス関連曲が大きく採り上げられていくことに伴い、2017年のクリスマスシーズンに初めてトップ10入り、翌年初のトップ5入りを果たし、2019年のシーズンに初めて首位を獲得。同年3週、2020年に2週、2021年に3週、2022年に4週および2023年に2週首位を獲得しています。

「All I Want For Christmas Is You」はマライア・キャリーにとって19曲目となる首位獲得作品であり、ソロでは最多に。歴代最高はザ・ビートルズの20曲となります。また4つのディケイドで首位を獲得した最初の歌手となります(1990~2020年代)。

 

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」はストリーミングが前週比42%アップの3820万(同指標通算19週目の首位)、ダウンロードが同81%アップの3,000(同指標6位)、ラジオが同56%アップの2440万(同指標21位)を記録。ストリーミングはモーガン・ウォレン「Last Night」と並ぶ長期首位となり、リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」(2019 20週)に次ぐ歴代2位タイの記録を達成しています。

1958年8月4日付でスタートした米ビルボードソングチャートではこれまで1,176曲の首位曲が誕生していますが、マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」は歴代6位タイとなる15週の首位を獲得。なお以下の7曲すべて米ビルボードが電子モニターによるルミネイト社のデータを採用した1991年11月以降に達成しており、この採用に伴い以前よりも長く首位を獲得することが一般的となっています。

<米ビルボードソングスチャート 週間首位獲得週数上位7曲>

・19週 シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」(2024)

・19週 リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」(2019)

・16週 モーガン・ウォレン「Last Night」(2023)

・16週 ルイス・フォンシ & ダディー・ヤンキー feat. ジャスティン・ビーバー「Despacito」(2017)

・16週 マライア・キャリーボーイズIIメン「One Sweet Day」(1995-1996)

・15週 マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」(2019-2024)

・15週 ハリー・スタイルズ「As It Was」(2022)

 

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」は米ビルボードソングチャートにおいて首位を獲得したクリスマス関連曲では最長となる15週目の首位に。デヴィッド・セヴィル & ザ・チップマンクス「The Chipmunk Song」(1958年12月以降4週首位)、ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」(2023年12月以降 3週首位)が続いています。

「All I Want For Christmas Is You」は史上初となる6年に渡っての首位獲得曲に(2019-2024)。1960年および1962年に首位を記録したチャビー・チェッカー「The Twist」が(年をまたぐ形ではないパターンでの)初となる複数年首位獲得曲であり、「All I Want For Christmas Is You」の登場までは「The Twist」が唯一の作品となっていました。

マライア・キャリーは今回の首位獲得により、首位獲得期間が歴代最長となる20年に(1990-2000、2005-2006、2008、2019-2024)。この記録に次ぐのがポール・マッカートニー/ウイングス(1971、1973-1976、1978、1980、1982-1984。なおポールが所属するザ・ビートルズにおいては1964-1970に首位を獲得)、ビヨンセ(2003、2006-2009、2017-2018、2020、2022、2024。なおビヨンセが所属するデスティニーズ・チャイルドでは1999-2001に首位を獲得)、マイケル・ジャクソン(1972、1979-1980、1983-1984、1987-1988、1991-1992、1995。なおマイケルが所属するジャクソン5においては1970年に首位を獲得)、そしてマドンナ(1984-1987、1989-1992、1995、2000)となります。

 

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」は最初の首位獲得から今回に至るまでの期間が5年弱(2019年12月21日付-2024年12月14日付)となり、曲単位での最長期間を更新しています。

また歌手として、マライア・キャリーは1990年8月4日付にて「Vision Of Love」がキャリア初となる首位を獲得してから今回に至るまでの期間が34年4ヶ月と2週に。これはブレンダ・リーに次ぐ記録となります(「I'm Sorry」(1960年7月18日付)から「Rockin' Around The Christmas Tree」(2024年1月6日付)までの63年5ヶ月と3週)。

 

マライア・キャリーは今回の首位獲得により、首位在籍記録が通算94週に。自身の持つ最長首位獲得週数記録を更新しています。

<米ビルボードソングチャート 歴代首位獲得週数記録>

94週 マライア・キャリー

60週 リアーナ

59週 ザ・ビートルズ

56週 ドレイク

50週 ボーイズIIメン

 

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」は、2011年に開始したクリスマス関連曲のチャートであるHoliday 100でも首位に立ち、同チャート70週のうち62週において首位に。また「All I Want For Christmas Is You」はHoliday 100のランクイン曲のみで構成されるGreatest Of All Time Holiday 100 Songsでも首位を記録しています。

 

クリスマス関連曲がトップ10の半数を占めた当週、マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」に次ぐのがブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」(2位)。1958年の作品で昨年初の首位を獲得、昨シーズン3週首位に立ったこの曲はストリーミングが前週比52%アップの3570万、ダウンロードが同84%アップの1,500、ラジオが同39%アップの1980万を記録しています。

1984年リリースのワム!Last Christmas」(3位)は同曲初のトップ3入りを達成(これまでの最高は4位)。ストリーミングが前週比57%アップの3430万、ダウンロードが同75%アップの2,000およびラジオが同20%アップの1790万を記録しています。2016年に亡くなったジョージ・マイケル、そしてアンドリュー・リッジリーによるデュオは7曲のトップ10ヒットを輩出していますが、そのうち6曲が3位以内に登場。これまでは「Wake Me Up Before You Go-Go」「Careless Whisper」(共に3週首位)、「Everything She Wants」(2週首位)、「Freedom」「I'm Your Man」(共に3位)、そして「The Edge Of Heaven」(10位)が、いずれも1984-1986年の間に記録を達成しています。

 

ボビー・ヘルムズ「Jingle Bell Rock」(1957年リリース)およびバール・アイヴス「A Holly Jolly Christmas」(1964年リリース)がトップ10に返り咲き。「Jingle Bell Rock」はストリーミングが前週比55%アップの3350万、ダウンロードが同67%アップの1,000およびラジオが同35%アップの1990万を記録し総合5位に、「A Holly Jolly Christmas」はストリーミングが前週比60%アップの2550万、ダウンロードが同85%アップの1,000およびラジオが同30%アップの1870万を記録し総合10位につけています。

 

クリスマス関連曲以外では、前週初登場を果たしたケンドリック・ラマー『GNX』収録曲のうち3作品がトップ10内をキープ。レフティ・ガンプレイをフィーチャーした「TV Off」が4位、シザとの「Luther」が6位、そして前週首位の「Squabble Up」が7位に入っています。

シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」は8位に後退していますが、総合ソングチャートと集計期間を同一とするホットカントリーソングチャートでは25週目の首位を獲得。2020年代においてはモーガン・ウォレン「Last Night」と並び男性歌手で最長タイになったのみならず、ギャビー・バレット「I Hope」(27週)にあと2週と迫っています。ホットカントリーソングチャートが1958年にこのジャンルのヒットを示すメインチャートに成って以降、「A Bar Song (Tipsy)」は首位獲得週数が歴代4位タイとなっています。

「A Bar Song (Tipsy)」はラジオにおいて前週比5%ダウンの6490万を記録し、同指標19週目の首位に。「A Bar Song (Tipsy)」はマイリー・サイラス「Flowers」(2023)およびグー・グー・ドールズ「Iris」(1998)を抜き、1990年以降においてザ・ウィークエンド「Blinding Lights」(2020 26週)に次ぐ単独2位の首位獲得を果たしています。

 

最新のトップ10はこちら。

1位 (10位) マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」

2位 (15位) ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」

3位 (18位) ワム!Last Christmas

4位 (2位) ケンドリック・ラマー feat. レフティ・ガンプレイ「TV Off」

5位 (19位) ボビー・ヘルムズ「Jingle Bell Rock」

6位 (3位) ケンドリック・ラマー & シザ「Luther」

7位 (1位) ケンドリック・ラマー「Squabble Up」

8位 (6位) シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」

9位 (7位) レディー・ガガブルーノ・マーズ「Die With A Smile」

10位 (33位) バール・アイヴス「A Holly Jolly Christmas」

 

 

続いてグローバルチャートを紹介。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。12月14日付ではGlobal 200、およびGlobal 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.の双方にて、ロゼ (ROSÉ) & ブルーノ・マーズ「APT.」が初登場から7連覇を達成しています。

ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」はGlobal 200においてストリーミングが前週比7%ダウンの1億4990万およびダウンロードが同13%ダウンの18,000を、Global Excl. U.S.ではストリーミングが前週比6%ダウンの1億3260万およびダウンロードが同7%ダウンの12,000を、それぞれ記録しています。

「APT.」はGlobal 200において、今年の週間ストリーミング再生回数8位までのうち7つを占めています。

<Global 200 2024年におけるストリーミング週間再生回数上位8曲>

・2億2450万 ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」(11月2日付)

・2億750万 ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」(11月9日付)

・1億7680万 テイラー・スウィフト feat. ポスト・マローン「Fortnight」(5月4日付)

・1億6220万 ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」(11月16日付)

・1億6060万 ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」(12月7日付)

・1億4990万 ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」(12月14日付)

・1億4640万 ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」(11月23日付)

・1億3270万 ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」(11月30日付)

 

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」がGlobal 200で2位、Global Excl. U.S.では3位に上昇。Global 200ではストリーミングが前週比48%アップの9270万およびダウンロードが同77%アップの7,000を記録しています。Global 200において「All I Want For Christmas Is You」は歴代最長となる通算18週の首位を獲得(2020年および2021年のクリスマスシーズンに各4週、2022年および2023年は各5週)、またGlobal Excl. U.S.では歴代最長タイとなる13週の首位を、それぞれ記録しています。

Global 200においてはワム!Last Christmas」が4位、ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」が6位、ボビー・ヘルムズ「Jingle Bell Rock」が8位となり、クリスマス関連曲が上昇。ストリーミングは順に、前週比75%アップの8430万、同60%アップの6360万および同61%アップの5670万を記録しています。

クリスマス関連曲はGlobal Excl. U.S.において、ワム!Last Christmas」がストリーミング前週比88%アップの5410万を記録し4位に、ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」がストリーミング前週比70%アップの3240万を記録し10位に、それぞれ上昇しています。

 

レディー・ガガブルーノ・マーズ「Die With A Smile」がGlobal 200で3位に後退。ストリーミングは前週とほぼ変わらず1億1520万を記録しており、14週連続で1億回超えを達成。同チャートにおける最長記録を自ら更新しています。なおGlobal Excl. U.S.では2位をキープしています。