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【海外ビルボード】マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」が米・グローバル双方で連覇達成

現地時間の1月2日月曜が祝日のため翌3日火曜に発表された最新1月7日付米ビルボードソングチャート(集計期間:2022年12月23~29日)は、マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You (邦題:恋人たちのクリスマス)」が通算12週目の首位を獲得しました。

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」は元々1994年のクリスマスアルバム『Merry Christmas』に収録。ストリーミングが成長し、サブスクサービス等のプレイリストによってクリスマス曲が上昇しやすくなったことにより同曲は2017年12月に初のトップ10入り、翌年に初のトップ5入りを果たすと、2019年にクリスマスシーズン以降3週、2週、3週首位を獲得。今シーズンは4週目の首位に立っています。

「All I Want For Christmas Is You」はストリーミングが前週比4%ダウンの4690万(同指標2位)、ダウンロードが同47%ダウンの6,000(同指標3位)、ラジオが同38%ダウンの2460万(同指標24位)を記録しています。

 

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」が通算12週目の首位を獲得したことで、自身が持つクリスマス曲における最長首位獲得記録を更新。なお米ビルボードソングチャートを制したクリスマス曲は「All I Want For Christmas Is You」およびデヴィッド・セヴィル & ザ・チップマンクス「The Chipmunk Song」(1958年12月以降4週)のみとなります。2曲とも4週連続で首位となり、クリスマス曲による連続首位記録に至っています。

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」は2023年1月7日付で首位を獲得したことにより、同曲は2019年~2023年の5年間首位を獲得したことになります。3年以上首位に達した曲は他にありません。

またマライア・キャリーは今回の首位獲得により、首位を獲得した年が19年となりました(1990~2000、2005~2006、2008、2019~2023)。この記録に次ぐのがポール・マッカートニー/ウイングス(1971、1973~1976、1978、1980、1982~1984。なおポールが所属するザ・ビートルズにおいては1964~1970に首位を獲得)、マイケル・ジャクソン(1972、1979~1980、1983~1984、1987~1988、1991~1992、1995。なおマイケルが所属するジャクソン5においては1970年に首位を獲得)、そしてマドンナ(1984~1987、1989~1992、1995、2000)の通算10年となります。

今回の「All I Want For Christmas Is You」12週首位により、マライア・キャリーボーイズIIメンとの「One Sweet Day」(1995-1996 16週)、「We Belong Together」(2005 14週)に続き3曲目となる12週以上首位を達成。マライアはボーイズIIメン(「One Sweet Day」、「End Of The Road」(1992 13週)、「I'll Make Love To You」(1994 14週))に次ぐ歴代2組目、女性では初となる記録を達成しました。

ビルボードソングチャート64年の歴史において首位を獲得した1144曲のうち12週以上の首位獲得曲は22曲目となり、「All I Want For Christmas Is You」はわずか2%の中に含まれます。

 

「All I Want For Christmas Is You」は初の首位獲得から最新の首位獲得までの最長スパンを更新しました(2019年12月21日付~2023年1月7日付)。またマライア自身においても、キャリアにおける最初の首位獲得から最初の首位獲得までの最長スパンを更新しています(デビュー曲「Vision Of Love」にて1990年8月4日付で初の首位を記録、そこから今回まで32年5ヶ月となります)。

 

今回の首位獲得により、マライア・キャリーは自身が持つ歴代最長首位獲得週数記録を91週に更新しました。

<歴代首位獲得週数記録>

91週 マライア・キャリー

60週 リアーナ

59週 ザ・ビートルズ

54週 ドレイク

50週 ボーイズIIメン

47週 アッシャー

43週 ビヨンセ

37週 マイケル・ジャクソン

34週 アデル

34週 エルトン・ジョン

34週 ブルーノ・マーズ

「All I Want For Christmas Is You」はマライア・キャリーにとって19曲目の首位獲得曲であり、ソロ歌手では最多に。なお全体ではザ・ビートルズが最も多く、20曲を保有しています。またマライア・キャリーは1990年代以降4つのディケイドで首位を獲得しており、異なる4つのディケイドを制した初の歌手となります。

「All I Want For Christmas Is You」はクリスマスソングチャート(Holiday 100)が2011年のクリスマスシーズンに発足して以降今週までの62週のうち、57週において首位を獲得。さらに2015年のシーズン以降は42週連続でその座をキープしています。クリスマス曲によるGreatest Of All Time Holiday 100 Songsチャートでも首位に立っています。

 

ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」(1958年リリース)は2019年12月以降通算9週目となる2位となり、ストリーミング指標では初の首位に達しています(なお同曲のストリーミングは4687万、そしてマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」は厳密には4689万5千を記録しているのですが、有料会員と無料会員とでの1回再生のウエイト差に基づき、指標化の際に首位となった形です)。「Rockin' Around The Christmas Tree」はダウンロードが前週比58%ダウンの2,000、ラジオが同29%ダウンの2090万を記録しています。

前週初のトップ5入りを果たしたワム!Last Christmas」(1984年リリース)は今週1ランクアップし4位に到達、同曲最高位を更新しました。またアンディ・ウィリアムス「It's The Most Wonderful Time Of The Year」(1963年リリース)が6位をキープし、アンディは自身が持つ初のトップ10入りから最新週までの最長スパン記録をおよそ63年3ヶ月に伸ばしています。なおアンディにおける初のトップ10入りは1959年10月12日付における「Lonely Street」となります。

ナット・キング・コール「The Christmas Song (Merry Christmas To You)」が11→9位となり、同曲最高位を更新。ストリーミングは前週比4%ダウンの2740万、ダウンロードは同41%ダウンの1,000、ラジオは同30%ダウンの1550万を記録しています。

「The Christmas Song (Merry Christmas To You)」はナット・キング・コールがフロントを務めたナット・キング・コール・トリオ名義で1946年に初めてレコーディングされた作品。コールは「Ramblin' Rose」(1962 2位)、「Those Lazy-Hazy-Crazy Days of Summer」(1963 6位)に続く3曲目のトップ10ヒットを獲得しました。1965年に亡くなったコールにとって、最後のトップ10入りから今回までの期間が59年6ヶ月と1週になり、前回のクリスマスシーズンにザ・ロネッツが「Sleigh Ride」で記録した58年2ヶ月のトップ10インターバル記録を塗り替えました。なおコールが最後にトップ10入りした1963年6月29日付では坂本九Sukiyaki (原題:上を向いて歩こう)」が3週目にして最後の首位を獲得しています。

(なおナット・キング・コールは1966年8月以降以降、「The Christmas Song (Merry Christmas To You)」で2013年のクリスマスシーズンに返り咲きを果たすまでソングチャートに滞在していませんでしたが、娘のナタリー・コールと疑似共演した「Unforgettable」が1991年に最高14位を記録。この作品は1992年のグラミー賞で最優秀レコード賞を受賞しています。)

また「The Christmas Song (Merry Christmas To You)」は1960年12月12日付でソングチャートに初登場して以降、今回初めてトップ10入りするまで62年と26日を要しています。これはチャック・ベリー「Run Rudolph Run」の62年と18日を抜き、ソングチャート初登場からトップ10入りに至るまでの最長期間を更新しました。なお「Run Rudolph Run」は1958年に初登場し、2020年のクリスマスシーズンに初のトップ10入りを果たしています。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」

2位 (2位) ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」

3位 (3位) ボビー・ヘルムズ「Jingle Bell Rock」

4位 (5位) ワム!Last Christmas

5位 (4位) バール・アイヴス「A Holly Jolly Christmas」

6位 (6位) アンディ・ウィリアムス「It's The Most Wonderful Time Of The Year」

7位 (8位) ホセ・フェリシアーノ「Feliz Navidad」

8位 (9位) テイラー・スウィフトAnti-Hero

9位 (11位) ナット・キング・コール「The Christmas Song (Merry Christmas To You)」

10位 (10位) サム・スミス & キム・ペトラス「Unholy」

今週はクリスマス曲が7位までを占めた初の週となりました。またテイラー・スウィフトAnti-Hero」(8位)はラジオ指標が前週比1%アップの8030万を記録し、同指標2週目の首位を獲得しています。

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート、1月7日付ではマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」がGlobal 200、Global Excl. U.S.共に連覇を達成しました。

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」はGlobal 200においてストリーミングが前週比16%アップの1億2490万、ダウンロードが同31%ダウンの12,000を、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではストリーミングが前週比27%アップの8280万、ダウンロードが前週とほぼ変わらず6,000を、それぞれ記録しています。

「All I Want For Christmas Is You」はGlobal 200において、2020年のクリスマスシーズン、および翌年はそれぞれ4週首位を獲得。2022年のクリスマスシーズンは5週首位に至り、通算13週目となる首位を獲得しています。またGlobal Excl. U.S.では2020年のクリスマスシーズンに1週、2021年に3週、そして2022年のクリスマスシーズンは4週首位となり、通算8週目の首位に達しています。

Global 200においてはトップ10全てがクリスマス曲に。新たなトップ10入りはケリー・クラークソン「Underneath The Tree」(12→9位)およびバール・アイヴス「A Holly Jolly Christmas」(11→10位)で、2013年リリースの前者は2020年のクリスマスシーズンで最高8位を記録、また1964年リリースの後者はGlobal 200初のトップ10入りを果たしています。

Global Excl. U.S.においては8位を除きクリスマス曲が占拠。マイケル・ブーブレが2011年に発表した「It's Beginning To Look A Lot Like Christmas」(6→4位)、およびボビー・ヘルムズによる1957年リリースの「Jingle Bell Rock」(7→5位)はいずれも初のトップ5入りとなりました。またホセ・フェリシアーノによる1970年リリースの「Feliz Navidad」(16→7位)、シーアが2017年に発表した「Snowman」(11→9位)およびアンディ・ウィリアムス「It's The Most Wonderful Time Of The Year」(20→10位)はいずれも初のトップ10入りを果たし、各歌手においても初のトップ10ヒットとなっています。