(※追記(13時16分):米ビルボードのチャート成績専用アカウントによるGlobal 200のトップ10紹介画像ツイートが差し替えられたため、このブログでも貼付し直しを実施しました。)
現地時間の12月12日月曜に発表された最新12月17日付米ビルボードソングスチャート(Hot 100)は、マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You (邦題:恋人たちのクリスマス)」が今シーズン初、通算9週目の首位を獲得しました。
She's back! @MariahCarey's "All I Want For Christmas Is You" returns to No. 1 on the Billboard #Hot100! 🎄 https://t.co/ZuGtXox7Uz
— billboard (@billboard) 2022年12月12日
1994年のアルバム『Merry Christmas』に収録されたマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」は通算9週目の首位獲得。ストリーミングの興隆やサブスクプレイリストの意義が大きくなったことも相俟ってクリスマスソングがチャートでの存在感を高め、「All I Want For Christmas Is You」は2017年12月に初のトップ10入り、翌年のクリスマスシーズンに初のトップ5入りを果たすと、2019年のクリスマスシーズンに3週、2020年に2週、2021年に3週首位を獲得し、今回2022年のクリスマスシーズンでは初となる首位に到達しました。
マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」はストリーミングが前週比19%アップの3620万(同指標通算17週目の首位)、ダウンロードが同23%アップの6,000(同7位)、ラジオが同1%未満アップとなる2990万(同指標17位)を記録。2011年に始まったクリスマスソング専用チャートであるHoliday 100においては、最新週にあたる59週目においても首位となり、全体のうち54週、また2015年のクリスマスシーズンからは39週連続でその座に就いています。クリスマスソングによるオールタイムチャート(Greatest Of All Time Holiday 100 Songs)も制しています。
マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」は2019年12月21日付で初のトップに立つと、同年12月28日付および2020年1月4日付でも首位に。続く2020年のクリスマスシーズンでは同年12月19日付で首位となり、翌年1月2日付で返り咲いています。さらに2021年のクリスマスシーズンにおいて、同年12月25日付で首位に返り咲いたことで1958年8月のチャート開始以降初めて3年(3シーズン)連続での首位獲得曲に。その後2022年1月1日付および1月8日付も制し、今回の首位獲得により4年(4シーズン)連続での最上位到達となりました。
(なお、ハリー・スタイルズ「As It Was」は昨年、100位以内在籍を続けた状態で4度の首位返り咲きを達成しています。)
マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」は初の首位獲得から最新週まで、首位獲得曲の最長スパンを更新しています(2019年12月21日付~2022年12月17日付)。また今回の首位獲得により、マライア自身が持つ初の首位獲得からの最長スパン記録を32年4ヶ月と3週に伸ばしました(マライアは「Vision Of Love」が1990年8月4日付にて初の首位を獲得)。なおマライアが「All I Want For Christmas Is You」にて初の首位を獲得した段階で、初の首位獲得からの最長スパンがシェールの27年5ヶ月(「Gypsys, Tramps & Thieves」(1971)~「Believe」(1999))を上回っていました(ただしシェールにおいては、ソニー & シェール時代を含むならば最初の首位獲得曲が「I Got You Babe」となり、33年7ヶ月と2週になります)。
マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」が通算9週目の首位を獲得したことで、自身が持つクリスマスソングにおける最長首位獲得記録を更新。なお米ビルボードソングチャートを制したクリスマスソングは「All I Want For Christmas Is You」およびデヴィッド・セヴィル & ザ・チップマンクス「The Chipmunk Song」(1958年12月以降4週)のみとなります。
今回の首位獲得により、マライア・キャリーは自身が持つ歴代最長首位獲得週数記録を更新しています。
<歴代首位獲得週数記録>
88週 マライア・キャリー
60週 リアーナ
59週 ザ・ビートルズ
54週 ドレイク
50週 ボーイズIIメン
47週 アッシャー
43週 ビヨンセ
37週 マイケル・ジャクソン
34週 アデル
34週 エルトン・ジョン
34週 ブルーノ・マーズ
「All I Want For Christmas Is You」はマライア・キャリーにとって19曲目の首位獲得曲であり、ソロ歌手では最多に。なお全体ではザ・ビートルズが最も多く、20曲を保有しています。またマライア・キャリーは1990年代以降4つのディケイドで首位を獲得しており、異なる4つのディケイドを制した初の歌手となります。
クリスマスソングではブレンダ・リーによる1958年作「Rockin' Around The Christmas Tree」が2位に上昇し、過去3シーズンの最高位に並びました。ストリーミングは前週比15%アップの3430万、ダウンロードは同19%アップの5,000、ラジオは前週とほぼ変わらず2610万を記録しています。
同じくクリスマスソングではボビー・ヘルムズ「Jingle Bell Rock」(1957)が3位に、バール・アイヴス「A Holly Jolly Christmas」が4位に上昇し、「Rockin' Around The Christmas Tree」同様に過去3シーズンの最高位に並んでいます。
メトロ・ブーミンがトップ10内に2曲を送り込んでいます。ザ・ウィークエンドおよび21サヴェージとの「Creepin'」が5位、フューチャーおよびクリス・ブラウンとの「Superhero (Heroes & Villains)」が8位に、それぞれ初登場を果たしました。ストリーミングにおいては「Creepin'」が3080万を記録し同指標4位、「Superhero (Heroes & Villains)」が2740万となり同指標6位に入っています。
メトロ・ブーミンは歌手としてキャリア最高位を更新すると共に、トップ10ランクイン曲を倍の4曲に伸ばしました。メトロは2020年10月、21サヴェージを迎えた「Runnin」が9位に、21サヴェージと共演しドレイクをフィーチャーした「Mr. Right Now」を10位に、それぞれ初登場で送り込んでいます。これらの作品でメトロは共同プロデュースおよび共同でのソングライトを担当。この共同プロデュースおよび共同ソングライトによってトップ10入りを果たした作品が他に6曲あり、ミーゴス feat. リル・ウージー・ヴァート「Bad And Boujee」(2017 1位)やザ・ウィークエンド「Heartless」(2019 1位)が含まれます。またビッグ・ショーンのトップ10ヒット「Bounce Back」においても共同ソングライトを担当しています。
今回のメトロ・ブーミンによる2曲のトップ10入りに伴い、ザ・ウィークエンドのトップ10ヒットは15曲、21サヴェージは14曲、フューチャーは10曲、クリス・ブラウンにおいては17曲となりました。
初登場から6週連続で首位をキープしていたテイラー・スウィフト「Anti-Hero」は6位に後退。ストリーミングは前週比11%ダウンの1860万、ダウンロードは同48%ダウンの7,000、ラジオは同8%アップの7460万を記録しています。またサム・スミス & キム・ペトラス「Unholy」は3ランクダウンし7位となりましたが、ラジオ指標においては前週比2%アップの7860万を記録し同指標4週目の首位となっています。
最新のトップ10はこちら。
The Billboard #Hot100 top 10 (chart dated Dec. 17, 2022)
— billboard charts (@billboardcharts) 2022年12月12日
[今週 (前週) 歌手名・曲名]
1位 (2位) マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」
2位 (3位) ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」
3位 (5位) ボビー・ヘルムズ「Jingle Bell Rock」
4位 (6位) バール・アイヴス「A Holly Jolly Christmas」
5位 (初登場) メトロ・ブーミン、ザ・ウィークエンド & 21サヴェージ「Creepin'」
6位 (1位) テイラー・スウィフト「Anti-Hero」
7位 (4位) サム・スミス & キム・ペトラス「Unholy」
8位 (初登場) メトロ・ブーミン、フューチャー & クリス・ブラウン「Superhero (Heroes & Villains)」
9位 (10位) ワム!「Last Christmas」
10位 (7位) ドレイク & 21サヴェージ「Rich Flex」
米ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。12月17日付ではマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」がGlobal 200で連覇を達成、またGlobal Excl. U.S.でも首位に返り咲きを果たしました。
.@MariahCarey is No. 1 on both global @billboardcharts with "All I Want I Want For Christmas Is You!" 🎁 https://t.co/oVJjbl1075
— billboard (@billboard) 2022年12月12日
The Global 200 top 10 (chart dated Dec. 17, 2022)
— billboard charts (@billboardcharts) 2022年12月13日
The Global Excl. U.S. top 10 (chart dated Dec. 17, 2022)
— billboard charts (@billboardcharts) 2022年12月12日
(上記動画は"Make My Wish Come True Edition"。)
マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」はGlobal 200で通算10週目、Global 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.では通算5週目の首位に。Global 200ではストリーミングが前週比32%アップの8520万、ダウンロードが同32%アップの11,000を、Global Excl. U.S.ではストリーミングが前週比42%アップの5310万、ダウンロードが同46%アップの5,000を、それぞれ記録しています。
「All I Want For Christmas Is You」はGlobal 200において、2020年および2021年のクリスマスシーズンにそれぞれ4週首位を獲得し、今シーズンは2週目の首位に。これによりGlobal 200では歴代3曲目となる10週以上首位獲得曲となりました。最長首位獲得曲はハリー・スタイルズ「As It Was」の15週(2022年4月以降)、次いでザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」(2021年8月以降 11週)となります。またGlobal Excl. U.S.では2020年のクリスマスシーズンに1週、2021年には3週首位を獲得し、今回通算5週目となる首位獲得となりました。
Global 200ではワム!の1984年作「Last Christmas」が9→2位に。2020年および2021年のクリスマスシーズンの最高位に並んでおり、ストリーミングは前週比39%アップの6540万、ダウンロードは同45%アップの6,000を記録しています。
Global 200ではメトロ・ブーミンの2曲が初登場でトップ10入り。ザ・ウィークエンドおよび21サヴェージとの「Creepin'」が3位、フューチャーおよびクリス・ブラウンとの「Superhero (Heroes & Villains)」が8位となり、ストリーミングは前者が5940万、後者が4400万を記録しています。メトロ・ブーミンは2020年10月に21サヴェージとの「Runnin」が9位、21サヴェージと共演しドレイクを客演に迎えた「Mr. Right Now」が10位に初登場を果たしており、今回のランクインによりGlobal 200でのトップ10入りが倍の4曲に達したほか、同チャートで最高位を更新しています。またメトロ・ブーミンとの共演に伴いザ・ウィークエンドはGlobal 200で8曲目のトップ10入りを果たし、21サヴェージは13曲目、フューチャーは5曲目、クリス・ブラウンは2曲目となりました。なおGlobal Excl. U.S.では「Creepin'」が8位に初登場を果たし、同チャートでのトップ10入りはメトロが初、ザ・ウィークエンドが6曲目、21サヴェージが3曲目となっています。
Global 200ではクリスマスソングがトップ10内に返り咲き。2020年のクリスマスシーズンに最高5位を記録したアリアナ・グランデの2014年作「Santa Tell Me」は15→9位に、同じく2020年のシーズンに最高6位を記録したマイケル・ブーブレ「It's Beginning To Look A Lot Like Christmas」(2011)は17→10位に、それぞれ上昇しています。
Global Excl. U.S.においてはブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」が22→9位となりトップ10返り咲き。2021年のクリスマスシーズンに最高8位を記録しています。