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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

男性アイドル/ダンスボーカルグループのアルバム、チャート好調の理由はストリーミングにあり

最新1月7日公開分のビルボードジャパンアルバムチャートでは、King & Prince『STARRING』が2連覇を達成しています。

(上記CHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています(ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています)。また、以下に紹介するCHART insightも同様に、有料会員が確認可能なものとなります。)

注目はCHART insightにて青で表示されるストリーミング指標が2週続けて首位を記録している点。さらにKing & Prince『STARRING』は初登場時となる2025年12月31日公開分にて構成3指標いずれも首位を獲得する、いわば完全制覇を果たしています(下記ポスト参照)。この完全制覇は同年10月1日公開分におけるNumber_i『No.Ⅱ』以来となります。

 

さて、最新1月7日公開分ビルボードジャパンアルバムチャートをみると、ストリーミングが好調な男性アイドル/ダンスボーカルグループ作品が少なくありません。今回はトップ10未満の作品から、注目作をピックアップします。

 

 

1月7日公開分のビルボードジャパンアルバムチャートでは、Travis Japan『's travelers』が登場5週目で16位に登場。CHART insightでは黄色で表示されるフィジカルセールスが大きく上昇、またダウンロード(紫)も上昇しながら、ストリーミングが常時20位以内で安定しているのがポイントです。

(なお1月7日公開分アルバムチャートにおいて、フィジカルセールス指標の基となるTop Albums Salesチャートの数値は前週より全体的に大きく落ち込んでいる状況です。ゆえに売上が変化していない作品が順位を上げているともいえます。)

Travis Japanは1月4日にコンサートツアーを開始しており、その予習もしくは復習という意味での聴取行動がチャートに影響したといえるでしょう。そしてTravis Japanは今回のツアーでも撮影可能時間を設けており、撮影した観客によるYouTube公開も少なくありません。このような動画公開がアルバムチャートの安定に寄与する可能性も考えられます。

なお、撮影した観客によるYouTube公開曲の中には「O-Shan-Tee」という作品が含まれます。同曲はTravis Japan初のフィジカルシングル「Say I do」「Tokyo Crazy Night」(ダブルAサイド)の通常盤にてカップリングとして収録されながら、フィジカルシングル表題曲以外はサブスク未解禁の模様です。仮に解禁されていればチャートにも反映されることでしょう。いわゆる"トンチキソング"が人気ゆえ、尚の事です。

なおTravis Japan「O-Shan-Tee」はトンチキソングに含まれないかもしれませんが、Snow Man「カリスマックス」より前にリリースされたという点でも大きな意味を持つはずです。ならば尚の事、フィジカルシングルのカップリングであってもきちんとデジタル解禁することを勧めます。

 

Hey! Say! JUMP『S say』は最新アルバムチャートで17位に。こちらはストリーミングが登場3週目以降高くなっていますが、これはアルバムのフィジカルリリース時に収録曲の解禁が一部のみだったことが理由です。

デジタルの本格的な加算は登場3週目となるため、チャート上の好調はやはりデジタル解禁効果といえます。そしてHey! Say! JUMPは本格解禁の翌日以降にコンサートツアーをスタートしており、『S say』ではTravis Japan『's travelers』同様に予習復習効果がみられるといえるでしょう。

STARTO ENTERTAINMENT所属歌手のコンサートツアーにおいては、そのツアー終了前でもライブレポートが公開され、また地上波テレビ局による朝の情報番組で紹介されることも少なくありません。そこでツアーの存在を知った方が、(ライブに行く行かないにかかわらず)アルバムをチェックするという流れも生まれているのではないでしょうか。

 

M!LK『M!Ⅹ』が最新アルバムチャートで47位に再登場を果たしています。昨年3月12日公開分で総合10位に初登場したものの同週はダウンロード指標100位未満(300位圏内)、そしてストリーミング指標は300位未満となっており、登場2週目には総合100位未満に後退。その作品の当週における再浮上は、最新曲「好きすぎて滅!」のヒットがアルバム収録曲「イイじゃん」をフックアップしたことの結果に伴うものといえます。

「イイじゃん」は年末の地上波長時間音楽特番で披露されたこともあり、当週は同曲最高位となる32位に。これまでは初登場時における45位(2025年2月26日公開分)が最高でしたが、その初登場時はLINE MUSIC再生キャンペーンが大きく影響していました。当時はそのLINE MUSICと他のサブスクサービスとで乖離がみられていましたが、今ではその乖離がほぼみられないことは下記ストリーミング表からも明らかです。

アルバム全体を聴くという以上に、アルバム収録曲の「イイじゃん」を聴くという行動が『M!Ⅹ』におけるチャート上昇の要因かもしれませんが(各サブスクサービスの人気プレイリストにリストインしているバージョンもアルバム収録版の同曲と思われます)、アルバムのヒットが知れ渡り「イイじゃん」以外の曲にも注目が集まるならば、『M!Ⅹ』はより高い位置でロングヒットする可能性も考えられます。

 

MAZZEL『Parade』が直近5週においてストリーミング指標を加点し、総合アルバムチャートでも95→99→88→84→77位と推移。総合100位以内返り咲きはおよそ1年8ヶ月ぶりとなります。また同作品では2025年最終週にダウンロード指標、最新週にフィジカルセールス指標がそれぞれ300位以内に入り、加点されているのも特長です。

MAZZELは最新フィジカルシングルの表題曲「Only You」がこれまでで最長となるソングチャート100位以内エントリーを達成、さらにはYouTubeチャンネル内のコンテンツも人気を集めています。個々の活動のフィードバックも相まって、MAZZELの音楽作品人気も高まりつつあることが『Parade』の動向から読み取れます。4月にリリースされるセカンドアルバム『Banquet』がどこまで伸びるかにも注目です。

 

 

今回紹介した作品はいずれも、直近のアルバムチャートにおいてはストリーミング指標が牽引していることが解ります。またHey! Say! JUMP『S say』ではフィジカル先行/デジタル後発という、STARTO ENTERTAINMENT所属歌手作品で未だ目立つ施策を採用していましたが、コンサートツアー開始直前に、フィジカルリリースからあまり間を開けずに解禁したことが好かったのかもしれません。

ゆえに、未だ解禁していないSnow Man『音故知新』や、デジタル解禁がおよそ半年後となったtimelesz『FAM』に対し、機会損失ではないかという思いを抱いています。『音故知新』、そして先述した「O-Shan-Tee」等Travis Japanによるフィジカルシングルのカップリング曲がきちんと解禁されることを希望します。