(※追記(11月10日7時36分):このエントリーの最後にて、予想2回目、および予想最終版のリンクを貼付しています。)
(※追記(11月14日19時27分):このエントリーの最後にて、11月14日に発表された『NHK紅白歌合戦』の出場歌手について分析したエントリーのリンクを貼付しています。)
大晦日に放送される『第76回NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか 以下”紅白”と記載)の出場歌手を予想します。ブログではここ数年予想を実施し、昨年は音楽ナタリーにも予想担当者のひとりとして寄稿しています(→こちら)。
昨年の出場歌手および披露曲、曲順は下記リンク先をご参照ください。
紅白における出場歌手の選考基準について、昨年は以下のように定義されています。
紅白歌合戦の選考にあたっては、「今年の活躍」「世論の支持」「番組の企画・演出」という3つの要素を中心に、「データを参考資料として検討のうえ、総合的に判断いたしました」と説明。「今年の活躍」については、CD・DVD・Blu-rayの売り上げ、インターネットでのダウンロード・ストリーミング・ミュージックビデオ再生回数・SNS等、有線・カラオケのリクエスト等、ライブやコンサートの実績について調査したという。
「世論の支持」については、7歳以上の全国2015人を対象にNHKが行った「ランダムデジットダイヤリング」方式による世論調査の結果(※質問は「紅白に出場してほしい歌手男女各3組」)、7歳以上の全国8000人を対象にNHKが行ったウェブアンケート調査の結果(※質問は「紅白に出場してほしい歌手男女各3組以上10組まで」)をもとに選出したとしている。
”今年の活躍”においてはここ数年、社会的ヒット作品を示す鑑であるビルボードジャパンのチャートを参考にしているものと捉えています。2025年度上半期各種チャート、および第3四半期のデータは以下に掲載しています。
また”番組の企画・演出”については、NHK番組タイアップの存在やNHK(音楽)番組への出演と置き換えていいでしょう。他にも紅白には独自の選出基準があると考えており、年末年始のリリースも基準に成ると捉えていますが現時点ではそのアナウンスが少ないため、今回の第一弾予想は叩き台にしかならないかもしれません。とはいえ、このタイミングでまずは一度予想した次第です。
さて、紅白出場歌手の傾向については昨年1回目の予想にて記しましたが、昨年の結果を踏まえ、以下のように改訂します。
<『NHK紅白歌合戦』出場歌手の傾向>
① 若手や初出場歌手についてはビルボードジャパンのチャート動向が重視される(が、その限りではない)
② ①で選ばれた歌手の連続出場は難しいが、実績が伴えば叶う
③ 若手で連続出場するもその年の曲が披露できないならば翌年外れる可能性がある
④ ①を踏まえ、K-POP歌手も積極的に起用する(可能性が高い)
⑤ 演歌歌謡曲は顔ぶれが変わらず、枠も最低限にとどまる
⑥ 他の音楽番組に比べて、出場歌手の世代やジャンルが広範囲に及ぶ
⑦ 『SONGS』や『NHK MUSIC SPECIAL』等NHK音楽出演の実績が大きい
⑧ 周年記念歌手の出場が少なくない
⑨ 音源をサブスク配信していることがほぼ条件となっている
⑩ 年末年始のリリースが影響する(作品の宣伝の場という位置付けにもなっている)
※昨年の1回目予想エントリー(→こちら)を踏まえ、追記部分は太字、訂正部分は打ち消した上で追記しています。
そしてこの中で、昨年重視されたのが⑧であると捉えています。
昨年復活出場を果たした歌手のうち、南こうせつさんは昨年デビュー55周年、イルカさんはソロデビュー50周年、THE ALFEEはデビュー50周年、GLAYは同30周年を迎えていました。また高橋真梨子さんは昨年秋からラストツアーを実施したことが復帰理由と捉えています。これら歌手の登場により、”今の歌手は知らない”と紅白に悪態をつく方を振り向かせる効果があったと考えるに、今年もこの選出基準は続くものと考えます。
また①に関しては若手歌手を主体に今年ヒット曲を輩出したことが出場判断基準に成ると捉えていますが、一方で今年はSNS等でヒットし流行となりながらもビルボードジャパンソングチャートではその限りではないという曲も存在。それでも後述する歌手は、メンバーのNHK貢献度も踏まえれば出場資格は十分であり、むしろ彼らが出場することでビルボードジャパンのチャートポリシー(集計方法)再考につながるかもしれません。
それらを念頭に置き、今年の紅白出場歌手を予想します。
<『第76回NHK紅白歌合戦』出場歌手予想>
(紅組、白組共に21組。以下敬称略。)
・紅組
アイナ・ジ・エンド
aespa
Superfly
TWICE
HANA
FRUITS ZIPPER
BABYMETAL
LiSA
(前年出場歌手で今回の予想にて未掲載:aiko、ILLIT、イルカ、HY、櫻坂46、髙橋真梨子、tuki.、西野カナ、ME:I、緑黄色社会、LE SSERAFIM)
・白組
Aぇ! group
純烈
timelesz
TENBLANK
Number_i
新浜レオン
原摩利彦 feat. 井口理
BE:FIRST
藤井風
M!LK
(前年出場歌手で今回の予想にて未掲載:Omoinotake、Creepy Nuts、GLAY、こっちのけんと、THE ALFEE、JO1、Da-iCE、TOMORROW X TOGETHER、Vaundy、福山雅治、南こうせつ)
<特別企画>
嵐
ドリーミング
米津玄師
今回のエントリーが1回目の予想となりますが、今年は既にジャンル別等に区切った上でいくつか記してきました。
このうち”グローバル”については、それが紅白のテーマとして起用されるならば尚の事、例えば来年開催の米アカデミー賞にて国際長編映画賞の日本代表作品となった『国宝』のテーマソング(原摩利彦 feat. 井口理「Luminance」)が選ばれやすくなるでしょう。また世界でヒットしている『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 』第一章 猗窩座再来』の関連曲(の中でもLiSA「残酷な夜に輝け」)が、特別映像付きで披露されるかもしれません。
尤も、今挙げた2曲は音楽チャート上で大きなヒットに至ってはいないかもしれませんが、日本を代表するエンタテインメント作品のテーマ曲として披露されることに異論は少ないものと思われます。そしてヒットチャートを賑わせていなくとも流行した事例として真っ先に挙げられるであろうM!LK「イイじゃん」も、メンバーの佐野勇斗さんがNHKドラマに出演した実績等も踏まえれば披露される可能性は十分あると考えます。
そのM!LKをはじめとするアイドルやダンスボーカルグループの選出は、白組紅組共に難航が予想されます。今年はストリーミング等でのヒット曲が多く、TikTok発の人気曲も(先述した「イイじゃん」含め)複数。さらには坂道グループやBE:FIRST等常連組の行方も気になるところですが、現時点で確実視しているのがHANA。ヒット曲を連発し、さらにその規模も大きく、輩出したちゃんみなさん共々初出場を果たす可能性は十分です。
白組はBE:FIRSTが、NHK関連曲の存在もあり選ばれる可能性は高いでしょう。NHKがスキャンダルを極度に嫌う点は気になりますが、先日は6名で『SONGS』に出演しています。他方、白組において連続出場を続けるJO1やK-POPアクトの枠にはSTARTO ENTERTAINMENT所属の数組が入る(復活する)とみています。フィジカルセールスやアルバムのヒットを踏まえればSnow Manとtimeleszは可能性が特に高く、また来年の朝ドラに佐野晶哉さんの出演が決定したことでAぇ! groupの初出場も考えられます。
(なおSnow Manに関しては、紅白と絶縁した的な三面記事が登場していますが、そのような噂を吹聴する前に双方にきちんと取材することを求めます。それこそがメディアの責務でしょう。)
グローバルがテーマに成る可能性を記しながら、一方で白組からはK-POPアクトを外しています。これはソングチャートにおいて男性歌手によるロングヒット曲が少ないと考えるゆえ。紅組においてはTWICEを選んでいますが、海外ほどの人気を得ていないかもしれないものの、『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ (原題:Kpop Demon Hunters)』にも用いられた「Strategy」を披露するのが最善ではと考えます。
加えて紅組ではK-POPアクトとして「Whiplash」がロングヒットしたaespaを据え、また日本のグループではワールドワイドに活動するXG(初出場)やBABYMETAL(再出場)の可能性もあると捉えています。そして昨年は出場を逃しましたが、来年”コールドスリープ”に入るPerfumeが復活する可能性は高いでしょう。特別企画枠がより適切と考えるものの紅組の出場候補者が白組ほど多くはないと考え、通常枠に含めています。
坂道グループのヒット規模は昨年と大きく変わっていませんが、KAWAII LAB.は今年大きく飛躍。NHKは坂道グループの一枠をKAWAII LAB.の中で先輩格にあたるFRUITS ZIPPERに譲り、そのパフォーマンス時にCUTIE STREET等後輩グループが大挙参加するという流れが考えられます。
映像作品関連曲では先ほどお伝えしたLiSAさん、後述するサカナクションもさることながら、『ダンダダン』発のヒットとなったアイナ・ジ・エンド「革命道中」も披露されるかもしれません。また、佐藤健さん主演のNetflixドラマ『グラスハート』に登場するTENBLANKは現時点でテレビパフォーマンスがないもののバンド名義のアルバムはチャートで存在感を示しており、ここで初披露となれば紅白の目玉に成り得ると考えます。
(なお『グラスハート』に出演する髙石あかりさんは現在、NHK朝の連続テレビ小説『ばけばけ』に出演中。現時点で司会者やゲストは明らかになっていませんが、そこに髙石さんが就くことになれば尚の事、TENBLANKの出場可能性は高まるのではないでしょうか。)
演歌・歌謡曲については特に目立った動きがなく、顔ぶれは変わらないと感じています。SHOW-WAやMATSURIがこのジャンルにて高いフィジカルセールスを誇るも、NHK貢献度を踏まえれば純烈の優位性は変わらないと捉えています。また氷川きよしさんは今年も特別企画枠として登場すると予想しています。
中堅や復活組では、NHKアニメのタイアップ曲「怪獣」がヒットしたサカナクションは当確。以前の出場時に音声トラブルが発生しており、リベンジを果たす意味でも最善でしょう。また「イケナイ太陽」がリバイバルヒットしたORANGE RANGE、カラオケで「サウダージ」がヒットを続けるポルノグラフィティにも注目。さらには清水翔太さんが、紅白にもピッタリといえる「PUZZLE」で初出場することが考えられます。
ベテランでは周年記念歌手が優先されるという紅白のスタンスもあり、デビュー45周年を迎える松田聖子さんや佐野元春さん、40周年の斉藤由貴さんを予想しています。
周年記念歌手の中でも今年音楽活動が積極的だった方を選出した形ですが、佐野元春さんは桑田佳祐さんと共演する形で近年紅白に出場した実績や、今年『あさイチ』に登場したことも選出の理由です(『あさイチ』には椎名林檎さんも今年登場)。また斉藤由貴さんは今週放送の『SONGS』に登場。番組では”デビュー40周年”である旨が綴られています。
特別企画枠としては、朝の連続テレビ小説『あんぱん』関連でドリーミングが登場することを予想します。子ども向け企画とも合致するゆえ尚の事ですが、ビルボードジャパンではドリーミングによるロングヒット曲の存在が可視化されています。
米津玄師さんにおいては2年連続という形ですが、「Plazma」等がヒットしていたことに加えて「IRIS OUT」がここに来て日本で特大ヒットに至り、米ビルボードのグローバルチャートでもトップ5入りを果たしています。映画エンディングテーマである宇多田ヒカルさんとの「JANE DOE」も披露し、そして宇多田さんも1曲披露する形で2組で10分近い尺を用意しても、ヒット規模も踏まえれば自然なことといえるかもしれません。
サザンオールスターズはオリジナルアルバムがストリーミングでもロングヒットしたことにより、出場は自然と考えます。アミューズにおいては先述したポルノグラフィティやPerfumeの復活出場、また同じくオリジナルアルバムがヒットした星野源さんは確実というのが私見です。
他方、福山雅治さんは今回の予想で選外としましたが、選ばれる可能性は高いとは考えます。ただしヒット規模、また”夏の紅白”とも呼べそうな新たな音楽特番『MUSIC GIFT 2025 ~あなたに贈ろう 希望の歌~』(8月9日放送)でのタイムテーブルも踏まえれば、白組のトリはMrs. GREEN APPLEが相応しいというのが私見です。
その『MUSIC GIFT 2025 ~あなたに贈ろう 希望の歌~』で司会を務めた二宮和也さんがメンバーの一員を務める嵐は来年のツアー開催後に活動を終了しますが、そのアナウンス後もテレビパフォーマンスを行っていません。今回が最後の出場機会となるため、活動休止前同様に嵐は紅白でその姿をみせるものと予想しています。”夏の紅白”での二宮さんの起用は、嵐の紅白出場への布石と捉えていいのかもしれません。
以上が第1回目の紅白予想となります。司会者やテーマが決定したタイミングにて、あらためて予想を実施する予定です。
最後に。紅白出場歌手の傾向として、”⑨ 音源をサブスク配信していることがほぼ条件となっている”を挙げました。たとえば今年の出場を予想したAぇ! groupは未だ解禁に至っておらず、また解禁してもSnow Manやtimeleszのようにすべての音源をデジタル化していない方も存在します。紅白が海外でも視聴可能という環境を考慮するならば、また今年もYouTube発信を行うならば尚の事、紅白側がこの点を歌手側に問うよう願います。
※追記(11月10日7時36分)
10月26日付にて予想2回目、そして11月10日付にて予想最終版のエントリーを公開しています。以下にそのリンクを貼付します。
※追記(11月14日19時27分)
11月14日に発表された『NHK紅白歌合戦』の出場歌手について分析したエントリーのリンクを、以下に貼付します。