イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(追記あり) 『NHK紅白歌合戦』出場歌手を予想する (予想1回目)

(※追記(10月7日5時25分):白組における”前年出場歌手で今回未掲載歌手”の一覧に10-FEETを記載しておりませんでした。つきましては追記を実施しております。)

(※追記(10月7日6時13分):GEMN「ファタール」のタイアップ作品表記に誤りがあったため、訂正を行っています。)

(※追記(10月7日9時5分):出場歌手予想2回目のブログエントリーを公開したことに伴い、巻末にリンクを貼付しています。)

 

 

 

晦日に放送予定の『第75回NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか 以下”紅白”と記載)の出場歌手を予想します。ブログではここ数年予想を実施し、昨年は音楽ナタリーにも予想担当者のひとりとして寄稿しています(→こちら)。

 

昨年の出場歌手および披露曲、曲順は下記リンク先をご参照ください。

 

紅白における出場歌手の選考基準について、昨年は以下のように定義されています。

NHKは、紅白歌合戦の出演者の選考にあたって、今年の活躍、世論の支持、番組の企画・演出という3つの点を中心に、次のようなデータを参考資料として検討し、総合的に判断しました。

「今年の活躍」については、CD、DVD、Blu-rayの売り上げやインターネットでのダウンロード、SNSなどについての調査、それに、ライブやコンサートの実績などです。

また、「世論の支持」については、NHKが行った2024人を対象にした世論調査の結果や、8000人を対象にしたウェブアンケート調査の結果です。

調査はいずれも7歳以上を対象に行いました。

今年の活躍については、社会的ヒット作品を示す鑑であるビルボードジャパンのチャートを参考にしていると考えます。2024年度上半期各種チャート、および第3四半期のデータは以下に掲載しています。

また”番組の企画・演出”については、NHKの番組タイアップやNHK(音楽)番組への出演の有無と置き換えてもいいでしょう。他にも紅白には独自の選出基準があると考えており(それらについては後述します)、年末年始のリリースも基準に成ると捉えていますが現時点ではそのアナウンスが少ないため、今回の第一弾予想は叩き台にしかならないかもしれません。とはいえ、このタイミングでまずは一度予想した次第です。

 

 

<『第75回NHK紅白歌合戦』出場歌手予想>

 (紅組、白組共に22組。以下敬称略。)

 

・紅組

aiko

ILLIT

新しい学校のリーダーズ

石川さゆり

宇多田ヒカル

XG

坂本冬美

椎名林檎

超ときめき♡宣伝部

tuki.

天童よしみ

NewJeans

乃木坂46

Perfume

星街すいせい

松田聖子

ME:I

MISIA

水森かおり

YOASOBI

緑黄色社会

LE SSERAFIM

 

(前年出場歌手で今回未掲載:あいみょん、Ado、ano、伊藤蘭、櫻坂46、JUJU、Superfly、NiziU、MISAMO、milet × MAN WITH A MISSION)

 

 

・白組

ENHYPEN

Omoinotake

Creepy Nuts

郷ひろみ

JO1

純烈

鈴木雅之

SPYAIR

Da-iCE

TM NETWORK

Number_i

西川貴教 with t.komuro

HYDE × MY FIRST STORY

BE:FIRST

福山雅治

星野源

ポルノグラフィティ

Mrs. GREEN APPLE

三山ひろし

山内惠介

ゆず

米津玄師

 

(前年出場歌手で今回未掲載:エレファントカシマシ大泉洋Official髭男dism、キタニタツヤ、さだまさし、すとぷり、Stray Kids、SEVENTEEN10-FEET藤井フミヤMAN WITH A MISSION × milet)

 

<特別枠>

X JAPAN

サザンオールスターズ

ハマいく

藤井風

松平健

REBECCA

 

まず今回、出場歌手予想一覧にSTARTO ENTERTAINMENT所属歌手は掲載していません。

紅白は昨年出場歌手(第一弾)を発表した際、"出演者に対する人権尊重のガイドライン"を初めて作成の上公表しました(冒頭掲載のNHKニュース参照)。”出演者に対する性的搾取、性的虐待を排除し、悪質な嫌がらせや差別的または攻撃的な行動を認めません"という項目が6つのうち最初に登場することからも、旧ジャニーズ事務所初代社長による性加害問題への姿勢を反映したものといえるでしょう。

他方、NHK側はSTARTO ENTERTAINMENT所属タレントの起用再開についての基準を明確にしていません。センシティブな問題ではあれど、どの段階に至れば再開するのかを明確化したほうが好いというのが私見です。紅白は以前BTS椎名林檎さん等が出場しなかった際もその見送った理由を不明瞭のままにするという、毅然とはいえない姿勢を続けていることに違和感を抱いており、堂々と示すことが必要だと考えます。

仮にNHK側が起用を再開し、STARTO ENTERTAINMENT所属歌手が出演するならば、フィジカルシングルがミリオンを達成し今秋アルバムをリリースするSnow Man、そしてテレビアニメ『【推しの子】』第2期オープニングテーマの「ファタール」がロングヒットのフェーズに入ったといえるGEMN(元Sexy Zone中島健人さんがキタニタツヤさんと組んだユニット)が最有力だと考えます。

 

 

さて、紅白においてはこのような傾向があるというのが自分の見方です。

<『NHK紅白歌合戦』出場歌手の傾向>

① 若手や初出場歌手についてはビルボードジャパンのチャート動向が重視される

② ①で選ばれた歌手の連続出場は難しいが、実績が伴えば叶う

③ 若手で連続出場するもその年の曲が披露できないならば翌年外れる可能性がある

④ ①を踏まえ、K-POP歌手も積極的に起用する

⑤ 演歌歌謡曲は顔ぶれが変わらず、枠も最低限にとどまる

⑥ 他の音楽番組に比べて、出場歌手の世代やジャンルが広範囲に及ぶ

⑦ 『SONGS』や『NHK MUSIC SPECIAL』等NHK音楽出演の実績が大きい

⑧ 周年記念歌手の出場が少なくない

⑨ 音源をサブスク配信していることがほぼ条件となっている

⑩ 年末年始のリリースが影響する(作品の宣伝の場という位置付けにもなっている)

 

上記については、昨年の出場歌手傾向を踏まえて記しています。

 

今年を代表する曲について、紅白はきちんと網羅する傾向があります。今年度年間ソングチャートで首位が濃厚なCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」やトップ10入りが見込めるOmoinotake「幾億光年」、tuki.「晩餐歌」は当確とみられ、また星街すいせい「ビビデバ」もロングヒットしており可能性は十分でしょう。昨年すとぷりが出演したこともあり、ネットで活躍する歌手の起用も積極的に行うと考えます。

 

アイドルやダンスボーカルグループについて、紅組ではK-POP3組が強い状況です。いずれもHYBE関連であり、NewJeansとILLITは所属事務所による騒動の渦中にあったものの既に同じ舞台に立っています。NewJeansは今年日本デビューを果たしたこともありNHK側が切望していることでしょう。

他方日本のアイドルは坂道グループでも2枠を保つのが難しいかもしれません。最もヒットしている乃木坂46が最新シングル「チートデイ」において、フィジカルセールス指標初加算週にストリーミング300位以内に達しなかったこともその理由です(乃木坂46、Snow Man、ONE OR EIGHT…CHART insightからみえてくる新曲の気になる動向(8月31日付)参照)。

それを踏まえ、ビルボードジャパン総合ソングチャートではヒットしているといえないものの「最上級にかわいいの!」がSNS中心に話題となった超ときめき♡宣伝部を坂道グループの一組から入れ替わる形で据えています。またNiziUが昨年「Make you happy」を披露したことから③の可能性を踏まえ、K-POP的オーディションの形で登場したという共通点を持つME:Iの出演可能性が高いと捉えています。

 

白組において、K-POPはHYBE関連のENHYPENを挙げています。『Venue101』特別番組等で採り上げられたTOMORROW X TOGETHERに替わるか、もしくは2組とも出場する可能性も考えられますが、チャート実績を踏まえればSEVENTEENの連続出場も有り得るかもしれません。

日本のアイドルにおいてはJO1(INIの可能性も考えつつ「Love seeker」のサブスク実績も踏まえ)、およびBE:FIRSTの連続出場は堅いでしょう。そして「I wonder」がロングヒット中のDa-iCEの初出場は確実と考えます。一昨日放送の『Venue101』ではその真裏で『TALK ABOUT』(TBSラジオ)を担当する工藤大輝さんが、聴取率調査週間にもかかわらずラジオを休み『Venue101』に出演したことからも、その可能性を感じています。

そしてNumber_iは、ソングチャートやトップアーティストチャートの実績を踏まえれば初出場は堅いというのが自分の見方です。アイドルやダンスボーカルグループについては"ヒットの7段階"が存在すると捉えていますが(下記参照)、BE:FIRSTは第3段階、Number_iは第4段階、そしてDa-iCE「I wonder」は第5段階に在ると考えるに、この3組は出場することが自然ではと捉えています。

 

その他若手では、XGが昨年以上のチャートアクションをみせていることやグローバルな活動を踏まえて予想。人選については自身のリサーチ不足を棚に上げ感覚的に非難するメディアや市井が残念ながら少なくないのですが、紅白はジャンルや年代を問わず、またグローバルを意識した人選であることはネット展開の徹底からもみえてきます。K-POP歌手に加えて、グローバルを視野に活動する歌手の起用は十分有り得るでしょう。

なおネット展開に関して、昨年の紅白披露曲では水森かおり「日向岬」がサブスク解禁されていません。ただし水森さんは今年、能登半島地震からの復興を願う意味で(サブスク未解禁ですが)「輪島朝市」を披露するものと考えます。

 

(世代的な)中堅どころではaikoさん、西川貴教さんがアニメ主題歌をヒットさせた実績を踏まえて選出しています。後者は小室哲哉さんとの「FREEDOM」がビルボードジャパンソングチャートでそこまでヒットしているわけではありませんが、ガンダムシリーズ知名度、また紅白がアニメ関連曲披露時にその作品とのコラボレーションを前面に押し出す姿勢を踏まえれば、選出は十分考えられます。

そして今年は宇多田ヒカルさんがベストアルバムをリリースし好調に推移、また米津玄師さんがニューアルバムリリースのタイミングで積極的にテレビ出演を果たしています。後者は紅白で披露した「Lemon」が主題歌となるドラマ『アンナチュラル』と世界観を共有する映画『ラストマイル』に「がらくた」を提供しており、朝ドラ『虎に翼』主題歌の「さよーならまたいつか!」と共に披露する可能性もゼロではないでしょう。

 

ベテランにおいては松田聖子さんの復帰の可能性を挙げています。NewJeansのHANNIさんが日本のライブで「青い珊瑚礁」を披露し話題となりましたが、紅白のタイミングで本家と共演という流れも有り得るかもしれません。

また特別枠として、過去6年間に様々な形で5回出場を果たしているYOSHIKIさんが、ともすればX JAPANとして登場する可能性も、限りなく低いながらゼロではないでしょう。西川貴教さんが小室哲哉さんを招聘して出場を果たすならば、また『シティーハンター』(Netflix)の好評を踏まえてTM NETWORKが出場するならば、YOSHIKIさんと小室さんによるV2(ユニット)の復活も面白いかもしれません。

 

最後にその特別枠では、新曲「ジャンヌ・ダルクによろしく」が昨日ラジオ先行でフル尺解禁、9月9日に配信リリースするサザンオールスターズが登場する可能性が高いと考えます。所属するアミューズの紅白への影響力の高さに加えて、今冬ニューアルバムのリリースをアナウンスしていることも、可能性が高いと考える理由です。一昨年の紅白で桑田佳祐さんのVTRが10分強と長尺だったことからも、紅白側の配慮が伺えます。

(なおアミューズ所属のポルノグラフィティは今月デビュー25周年、Perfumeも今月結成25周年を迎えることから、2組の出場は十分考えられます。)

 

ベテランの厚遇は紅白のみならず日本の音楽番組における共通点ですが、ならば同様に他の歌手、特に今年ヒット曲を輩出した方に対してはきちんとした尺を与えることを願い、第一弾予想を〆させていただきます。

 

 

※追記(10月7日9時5分):出場歌手予想2回目のブログエントリーを公開しました。つきましては当該エントリーのリンクを貼付します。