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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

HUNTR/X「Golden」およびアイナ・ジ・エンド「革命道中」の人気を、都心の混雑の中で考えた件

9月5~11日を集計期間とする米ビルボードによる最新9月20日付米およびグローバルソングチャート(グローバルについてはGlobal 200、およびGlobal 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.)ではいずれも、『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ (原題:Kpop Demon Hunters)』サウンドトラックに収録されたHUNTR/X(ハントリックス)(イジェ、オードリー・ヌナ & レイ・アミ)「Golden」が首位をキープしています。

さらに、HUNTR/X「Golden」を含む『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』サウンドトラックは最新9月20日付米ビルボードアルバムチャートで登場12週目にして初制覇を果たしています。

これらから、Netflixの映像作品が世界中で如何にムーブメントを起こしているかがよく解るでしょう。

 

さて今回は私見強めと前置きした上で、HUNTR/X「Golden」のヒットの理由を記します。

 

 

『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ (原題:Kpop Demon Hunters)』サウンドトラックに収録された曲の中でもHUNTR/X(ハントリックス)(イジェ、オードリー・ヌナ & レイ・アミ)「Golden」が首位を続けるのは、歌声がダイレクトに耳に入りやすいことが一因ではと考えるようになりました。

 

9月上旬に私用で都心を訪れた際、人通りにてHUNTR/X「Golden」が流れている環境に触れたのですが、メインボーカルの声が雑踏にかき消されずダイレクトに耳に飛び込んできたのです。無論自分がこの曲を知っているということもプラスに作用したとして、しかし人混みの中で強い存在感を放つ「Golden」のボーカル力に驚かされた次第です。

 

この曲がK-POP曲の中で特に大きなヒットと成っていることについては『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』発、HUNTR/X「Golden」が米ラジオ界でも存在感を高めることの意義(9月12日付)でも紹介。その際、米でラジオヒットするK-POPについて『現代のBPMが速く激しめのK-POP特有と呼べる作品ではなく、よりグローバルを意識したサウンドといえる作品が大半では』と記しました。

その中にあってHUNTR/X「Golden」はBTS「Dynamite」等に比べると現代のK-POPダンスボーカルグループ的要素が強いかもしれません。しかしながら先述した声の強さ、鳴りが良いとも形容可能な強靭な声は、ともすればダンスボーカルグループの中でも稀有な存在かもしれず、このようなボーカルの強さはK-POPK-POP的アプローチにて結成される日本のダンスボーカルグループやアイドルにおいても珍しいかもしれません。

 

 

さて、HUNTR/X「Golden」から真っ先に想起した日本のダンスボーカルグループ/アイドルによる作品はNEWS「チャンカパーナ」(での手越祐也さんによるラストパート)でしたが、リリースから間もない曲において該当すると感じたのはアイナ・ジ・エンド「革命道中」です。

上記はフィジカルリリース週に新宿で開催された、アイナ・ジ・エンド「革命道中」のライブパフォーマンス動画。この映像は開催1週間後に公開され、明日発表される9月17日公開分のビルボードジャパンソングチャートにて動画再生指標に加算される予定です。動画の音源にはミックスが施されていますが、会場外にいた方は漏れ聴こえたアイナ・ジ・エンドさんの強力な声をはっきりと認識できたのではないでしょうか。

 

 

HUNTR/X「Golden」、そしてアイナ・ジ・エンド「革命道中」は共にビルボードジャパンソングチャートで時折順位を落としつつも、順調に上昇を続けています。

(上記は最新9月10日公開分ビルボードジャパンソングチャートのCHART insight。こちらは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています。なお、ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています。)

 

無論、ヒットには複数の要因があります。2曲ともアニメタイアップ曲であること(アイナ・ジ・エンド「革命道中」はテレビアニメ『ダンダダン』第2期オープニングテーマ)、ストリーミングが強いこともさることながら、”活用”の側面でも強さを発揮している点が共通しているといえます。

 

活用のひとつが、”歌ってみた”や”踊ってみた”に代表されるユーザー生成コンテンツ(UGC)の人気。動画再生やストリーミングといった接触指標群に影響を及ぼすUGC人気はTop User Generated Songsチャートにて可視化されるのですが(上記CHART insightでは茶色で表示)、HUNTR/X「Golden」は1→9位にダウンしながらトップ10内をキープし、アイナ・ジ・エンド「革命道中」は36→22位に上昇しています。

(なお「Golden」においてはタガログ語バージョンが、最新9月10日公開分のビルボードジャパンTop User Generated Songsチャートで2位に登場しています。)

そしてもうひとつがカラオケ人気。アイナ・ジ・エンド「革命道中」では最新チャートにおいてこの指標が65→50位に上昇しています。HUNTR/X「Golden」はカラオケ指標が加点されていないものの、しかし『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』ではシンガロング(シングアロング)版が登場しており、米では映画館での上映も大人気に。”歌ってみた”動画の人気も踏まえれば日本でもカラオケニーズは高いといえるでしょう。

そのような複合的な形でヒットすると、そのヒット曲はいい意味で独り歩きを始めます。そして街の中で流れるようになり、今回自分が経験したような形で曲を知る方が増えることで、ヒットはさらに加速していくのかもしれません。

アイナ・ジ・エンド「革命道中」はグローバルチャートで好調に推移しています。『ダンダダン』人気の高さゆえといえますが、グローバルでも楽曲が独り歩きしていく可能性は十分あるのではないでしょうか。