昨夏以降再開したこのエントリー、今回からタイトルを一部変更しています。前週の内容はこちら。
ビルボードジャパンソングチャートの動向を分析する者として、真の社会的ヒット曲とはロングヒットする、年間チャートで上位に進出する作品と考えます。週間単位で上位に入るのは好いことですが、他方で所有指標が極度に強い曲は加算2週目に、また所有指標的な接触指標をなぞる曲(主にLINE MUSIC再生キャンペーン採用曲)はキャンペーン終了後に指標が大きく後退し、総合でも急落することが少なくありません。
この急落は毎週のようにみられます。ソングチャートのトップ10は多いときで5曲程度が毎週入れ替わり、ロングヒットするか否かが極端に分かれる状況です。主にライト層の支持が反映されるストリーミング指標がロングヒット曲は強い一方、急落する曲はコアファンとライト層との乖離が大きいのですが、これらを1週分のチャートの順位およびポイントのみで判断することは、現状では難しい状況です。
そのため、このブログエントリーではビルボードジャパンに対しチャートポリシー(集計方法)の改善も提案していますが、あくまで自分なりのと前置きしつつもチャートの見方を提示したいと考えたのがエントリー再開の理由です。
<2025年1月1日公開分 ビルボードジャパンソングチャート
前週初めてトップ10入りした作品の、前週および当週におけるCHART insight>
※CHART insightの説明
[色について]
黄:フィジカルセールス
紫:ダウンロード
青:ストリーミング
黄緑:ラジオ
赤:動画再生
緑:カラオケ
濃いオレンジ:UGC (ユーザー生成コンテンツ)
(Top User Generated Songsチャートにおける獲得ポイントであり、ソングチャートには含まれません。)
ピンク:ハイブリッド指標
(BUZZ、CONTACTおよびSALESから選択可能です。)
[表示範囲について]
総合順位、および構成指標等において20位まで表示
[チャート構成比について]
累計における指標毎のポイント構成
・Aqours「永久hours」
2024年12月25日公開分 3位→2025年1月1日公開分 62位
・IMP.「BAM-BOO」
2024年12月25日公開分 9位→2025年1月1日公開分 100位未満
1月1日公開分におけるストリーミング等動向表はこちら。
Aqours「永久hours」はフィジカルセールスが引き続き強かったものの総合62位、IMP.「BAM-BOO」は総合100位未満にいずれも後退しています。「BAM-BOO」はデジタル先行でリリースされているものの、2曲ともこれまでストリーミング指標が300位以内に達せず、この指標でポイントを獲得できていません。
TOBE所属のIMP.によるフィジカルは現在も事務所公式のネットショップ以外で販売されていない模様であり、歌手のファンというわけではないものの曲が気になるというライト層がフィジカルを手にするには難しい環境といえます。そのため他の歌手に比べてフィジカルセールス加算2週目の急落が目立つ状況です(Aqours「永久hours」は179,390→20,429枚、IMP.「BAM-BOO」は52,589→1,263枚と推移)。
また「BAM-BOO」ではダウンロード指標300位以内登場が初週およびフィジカルセールス初加算週に限られています。加えて動画再生指標は前週まで300位以内に入り加点されていたのですが、フィジカルセールス初加算週に未加算という状況です。フィジカルに同梱された映像盤にミュージックビデオが収録されていることから、コアファンが視聴先をそちらに移行した一方、ライト層があまり付いていないと想起できるでしょう。
TOBE所属歌手ではNumber_iの勢いが圧倒し、また後輩グループもデビューしていくと思われます。IMP.がデジタルヒットを輩出することでフィジカルも購入するコアファンを増やしていけるか、注視する必要があるでしょう。事務所公式ネットショップ以外に販路を拡げることも検討する必要があるかもしれません。
さて、年末年始を集計期間とする1月8日公開分ビルボードジャパンソングチャートでは、新たにトップ10入りした曲はありませんでした。このチャートについては一昨日のエントリーにて紹介しています。
1月8日公開分におけるストリーミング等動向表はこちら。
昨日付エントリーでB'zについて採り上げましたが、その数時間後に「ultra soul」および「LOVE PHANTOM」のライブ動画が3本ずつ公開されています(つきましてはその点をブログエントリーに追記しています)。それに伴いB'zが次週どのようなチャートアクションを示すか、動画再生指標を獲得できるかについて注目していきます。