イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

「I wonder」のロングヒットが歌手人気にも波及…Da-iCEの紅白初出場を確実視する

この1週間にアップした2本のエントリーにて、『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか 以下"紅白"と表示)について言及しています。

上記においてはNHK側がSTARTO ENTERTAINMENT所属タレントの新規出演をいつ解禁するか、その解禁基準は何かを明確化することが重要と考えます(無論、旧事務所時代の初代社長による性加害問題の補償が進展することが大前提です)。

 

さて、紅白の注目点のひとつが男性アイドルやダンスボーカルグループの中でどの歌手が出演するかですが、この番組を目標に掲げるDa-iCEの初出場はより高まっただろうと捉えています。

 

 

Da-iCE「I wonder」は7月17日公開分のビルボードジャパンソングチャートで最高位となる7位に到達、そして最新8月14日公開分まで7週連続でトップ10入りを果たしています。ポイントは7月3日公開分以降3週続けて5千ポイントを突破、ストリーミング指標(上記CHART insightでは青で表示)が10週連続でトップ10入りしていることもあり、ポイントはダウンしてもその下降幅は緩やかなのが特徴です。

「I wonder」のヒットは他の曲へも波及。「スターマイン」は直近3週続けてビルボードジャパンソングチャート100位以内に登場し、「CITRUS」は6月12日公開分の同チャートで100位に再浮上。新曲が過去曲を押し上げるという動向はYOASOBIやMrs. GREEN APPLECreepy Nuts等でもみられており、歌手全体の人気につながっていることが見て取れます。

これにより、ソングチャートとアルバムチャートを合算したビルボードジャパンによるトップアーティストチャート(Artist 100)では、Da-iCEが6月12日公開分以降トップ20内を順調に走行しています。CHART insightでは灰色の棒グラフが総合順位を示します。

トップアーティストチャートでのDa-iCEのトップ20入りは2022年2月23日公開分の15位以来ですが、実は2021年4月7日公開分で53位に入って以降はこのチャートで常時100位以内に入り、今年7月17日公開分および最新週にて最高位となる14位に到達。歌手人気が安定していた彼らが「I wonder」のヒットに伴いステップアップしたことが解ります。

 

 

これらソングチャート、そしてトップアーティストチャートにおける状況を踏まえ、Da-iCEが紅白出場に一歩前進したと捉えています。

昨年の出場歌手(第一弾の)発表直後、主に初出場歌手の傾向については以下のように記しました。このエントリーでは昨年初出場を果たした歌手等のトップアーティストチャートにおけるCHART insightを掲載しています。

トップアーティストチャートのCHART insightからは、大半の歌手がチャートで安定していることが解ります。そしてそのほとんどはストリーミングや動画再生という指標が大きく寄与しています。ストリーミングや動画再生といった接触指標群はコアファン以上にライト層(歌手のファンというわけではないものの曲が気になる方々と位置づけています)の支持が大きいことを踏まえるに、社会に浸透した曲を輩出したといえるでしょう。

また男性アイドルやダンスボーカルグループならびにMISAMOについては所有指標、特にフィジカルセールスが大きい状況であり、これは男性アイドルやダンスボーカルグループ全体にいえる傾向でもあります。その中でもK-POP男性ダンスボーカルグループの二組はトップアーティストチャート100位以内に入った期間が長いのが特徴です。所有指標は直後の急落が激しい中にあって、この動きは特筆すべきといえます。

Da-iCEは2023年度もトップアーティストチャートが安定しながら、「I wonder」のようなトップ10ヒットは登場しませんでした(「スターマイン」は2023年度初週となる2022年12月7日公開分で13位を記録していますが、以降は後退しています)。ゆえに「I wonder」のヒットと歌手人気の高まりに伴い、今年の紅白初出場は大きく近づいたと考えます。

 

 

無論、最終的には紅白制作側がどのような判断を下すかにかかっていますが、Da-iCEが悲願の紅白初出場をさらに確実なものとするためには、「I wonder」がロングヒットすること、そして同曲を収録したニューアルバム『MUSi-aM』がアルバムチャートに初登場する10月9日公開分トップアーティストチャートにおいてキャリア初のトップ10ヒットとなるかが重要だというのが自分の見方です。