パリオリンピックの閉会から1週間が経過しました。このブログでは次回のビルボードジャパンソングチャートの結果を踏まえ、オリンピック前後におけるストリーミングの動向を紹介する予定です。
さて、今回のオリンピックでは様々な音楽が披露され、また会場BGMとして用いられていました。これらはオリンピックの公式ホームページでも紹介されています。
注目は、閉会式にて次回開催地のロサンゼルスから中継で登場したビリー・アイリッシュ。この次の日に発表された米ビルボードによるふたつのグローバルソングチャートでキャリア初制覇を果たしたにて「Birds Of A Feather」は、日本時間で明日発表される8月24日付同チャートにて首位の座を盤石にするものとみられます。
パフォーマンス映像はビリー・アイリッシュの公式YouTubeチャンネルから即座に公開されています。オリンピックにも公式チャンネルが存在しますが、歌手やレコード会社等の公式チャンネルではストリーミング指標(ビルボードジャパンソングチャートでは動画再生指標)のカウント対象となるISRC(国際標準レコーディングコード)が付番可能となります。
さて、オリンピックはNHKそして民放各局で中継されましたが、各放送局が用意するテーマ曲はビルボードジャパンソングチャートにてどのように動いたでしょう。なお各曲についてはReal Soundにて詳しく紹介されています。
＜パリオリンピック 地上波テレビ局におけるテーマ曲の
ビルボードジャパンソングチャートにおけるCHART insight＞
(※最新8月14日公開分ビルボードジャパンソングチャートにおけるCHART insightを掲載しています。)
※CHART insightの説明
［色について］
黄：フィジカルセールス
紫：ダウンロード
青：ストリーミング
黄緑：ラジオ
赤：動画再生
緑：カラオケ
濃いオレンジ：UGC (ユーザー生成コンテンツ)
(Top User Generated Songsチャートにおける獲得ポイントであり、ソングチャートには含まれません。)
ピンク：ハイブリッド指標
(BUZZ、CONTACTおよびSALESから選択可能です。)
［表示範囲について］
総合順位、および構成指標等において20位まで表示
［チャート構成比について］
最新週における指標毎のポイント構成
(CHART insight改定以降は累計ポイントにおける構成比に変更した、とビルボードジャパンは説明しています。)
・NHK YOASOBI「舞台に立って」
(ビルボードジャパンソングチャートにて総合、構成指標共々20位以内に入らなかったためCHART insightは無料会員向けに存在せず。)
・テレビ朝日 Mrs. GREEN APPLE「アポロドロス」
・TBS サザンオールスターズ「ジャンヌ・ダルクによろしく」
・フジテレビ 菅田将暉「くじら」
現時点にて、YOASOBI「舞台に立って」およびMrs. GREEN APPLE「アポロドロス」が強いという状況です。2曲ともストリーミング指標が加点され、総合ソングチャートは共に16位が最高位となっています。
一方の4曲はいずれも総合100位以内未達の状況です。ただしMISIA「フルール・ドゥ・ラ・パシオン」を除いてラジオ指標で20位以内に入っており、ラジオ指標の季節モノに強いという特性が今回も表れた形です。またサザンオールスターズ「ジャンヌ・ダルクによろしく」は現時点で音源未リリースながらラジオ先行OA。桑田佳祐さんがレギュラー番組を持っていること、ベテランが強いこともこの指標獲得の要因と考えます。
金メダル単独、メダル全体の獲得数の双方で海外大会における最多記録を更新したパリオリンピックですが、テレビ中継にて彩った曲は大きなヒットに至れたとは言い難いというのが、厳しくも私見です。
— Mrs. GREEN APPLE (@AORINGOHUZIN) 2024年8月18日
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familie
Official Music Video
Premiering at 0am, August 20
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https://t.co/ImEnGkDXmB… pic.twitter.com/ufsHYFgA6W
その中でMrs. GREEN APPLEは、8月14日公開分ビルボードジャパンソングチャートで17位に初登場した最新曲「familie」について、先週金曜の『ミュージックステーション』(テレビ朝日)および本日の『CDTVライブ！ライブ！』(TBS)で披露するのみならず、明日0時にはミュージックビデオを公開。YouTubeでは公式オーディオ(→こちら)やスタジアムライブのパフォーマンス映像(→こちら)も既に用意しています。
新曲が好調に推移すれば過去曲にも波及します。とりわけMrs. GREEN APPLEはその勢いが大きいことから、「アポロドロス」もロングヒットする可能性があります。同曲も『CDTVライブ！ライブ！』で披露されることから、初のトップ10入り成るかに注目です。
最後に。過去のオリンピックテーマ曲にも動きが見られています。
NHK発のオリンピックテーマ曲は現在でも高く支持されているものが少なくなく、8月16日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日)でも紹介されたゆず「栄光の架橋」は直近8月14日公開分のビルボードジャパンソングチャートにおいてダウンロード、ラジオ、動画再生およびカラオケが加点されています。他方ストリーミングは300位未達となり、加点されていません。
(※動画がこのように表示されている理由は後述します。)
また2016年のリオデジャネイロオリンピックのテーマソングである安室奈美恵「Hero」は最新8月14日公開分ビルボードジャパンソングチャートでラジオ指標が加点されています。ただ昨年デジタル(公式YouTubeチャンネル含む)を引き上げたこともあり、「Hero」も含む安室さんの曲が再度注目されたとしても大きなうねりに至ることはほぼないといえます。これは昨年末のエントリーでも指摘したことです。
なお安室奈美恵「Hero」のYouTube動画はNHKの公式YouTubeチャンネル発であり、上記エントリーでも記しているようにブログに直接リンクを貼ることができません。またコードを埋め込んでも、このブログにて視聴することはできません。ISRCが付番できないこともあり尚の事、NHKに対し仕様の変更を強く願っています。
またビルボードジャパンに対しても、CHART insightの仕様変更を希望します。安室奈美恵「Hero」は8月10日および17日公開分においてもラジオ指標が加点されている模様ですが、無料会員向けには各指標21～100位にランクインした場合、各指標のグラフの底辺に表示されません。ゆえに、21～100位にランクインした場合でも可視化することを願います。
