イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

この1週間以内に発生した米ビルボードのチャート問題を記す(速報の遅延、および旧Twitterチャートの停止)

先月、日米およびグローバルの音楽チャートにおける公開スケジュールをまとめたエントリーをアップしました。

それから程なくしてちょっとした動きが生まれていますので、今回紹介します。

 

 

ひとつ目は、【米ビルボードアルバムチャート速報アナウンスの遅れ】についてです。

上記は最新10月7日付米ビルボードアルバムチャートの速報ですが、本来日本時間の月曜早朝にアップされるはずの内容が、1日以上遅れてようやく公開されています。

最新チャートにおいては上位2作品の獲得ユニット数がわずか500という僅差になっています。これはポストで記したように2ヶ月ぶりの出来事であり、その際も500ユニット差にてNewJeansが制していました。そしてその8月5日付アルバムチャート速報は通常より3日も発表が遅れています。

ビルボードアルバムチャートはデジタル/フィジカルのアルバムセールスに加えてストリーミング(動画再生を含む)のアルバム換算分(SEA)、単曲ダウンロードのアルバム換算分(TEA)も加算され、フィジカルセールスは歌手のホームページでの売上も含みます。通常は千ユニット単位で表示されるゆえ、500ユニット刻みでの掲載はよほどの僅差だったと考えられます(最新チャートのユニット数は下記ポストでまとめられています)。

この2ヶ月における二度のチャート速報遅延から、米ビルボードは僅差の際に調査時間を設けていること、そして今後も同様の遅れが発生する可能性が考えられます。歌手のホームページにおける売上も含むゆえ、調査にはより時間がかかると捉えてもいいでしょう。それを理解したとして、ただし遅延アナウンスについては米ビルボードがきちんと伝える必要があると考えます(今回はその姿勢がなかったように見受けられます)。

 

 

もうひとつは、【Hot Trending Songsチャートが停止されたこと】についてです。

これは先月末、米ビルボードによるチャート専用アカウントの上記ポスト(ツイート)により判明したもの。米ビルボードはXがTwitterだった時代、およそ2年半前にTwitterでの人気曲を示すHot Trending Songsチャートを立ち上げています。

そのチャートが停止されました。厳密には一時的な停止という表現が相応しいとはいえ、なんだか後味が悪いと感じています。おそらく最終週となるであろう9月30日付チャートを開いてみると(同日付チャートはこちら)、これまで20位まで可視化されていたものが米ビルボード有料会員のみ2位以下を確認できるという形に変更されており、尚の事です。

 

Hot Trending Songsチャートの動向をみると、翌週のソングチャートに初登場が見込まれる曲のランクインが大半だったという印象があります。すなわち新曲リリース前の期待値チャート的な意味合いが強く、口コミ的な形で現在人気の曲は見えにくかったといえるでしょう。ゆえにチャートの停止は理解できないわけではないのですが、ともすればイーロン・マスク氏が管轄していることも影響しているかもしれません。

 

ビルボードはXと新しい方法での協力を模索しているようですが、個人的には過度に期待せず、気長に待ちたいと思っています。