イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【海外ビルボード】ドージャ・キャット「Paint The Town Red」が米で首位返り咲き&グローバルで連覇達成

現地時間の10月2日月曜に発表された、最新10月7日付米ビルボードソングチャート(集計期間:9月22~28日)。前週初登場で首位を獲得したドレイク feat. シザ「Slime You Out」は12位へ後退、ドージャ・キャット「Paint The Town Red」が3週ぶり、通算2週目の首位を獲得しました。

ドージャ・キャット「Paint The Town Red」はストリーミングが前週比3%アップの2750万(同指標首位)、ダウンロードが同19%ダウンの6,000(同指標首位)、ラジオが同17%アップの5260万(同指標7位)を記録。ダウンロードは2週目の首位、ストリーミングではキャリア初の首位を獲得しています。

「Paint The Town Red」ではディオンヌ・ワーウィック「Walk On By」(1964)をサンプリングで使用。「Walk On By」はバート・バカラックおよびハル・デヴィッドがソングライトを担当しており、両者は「Paint The Town Red」でもクレジットされています。バート・バカラックにとって関連曲が複数週首位を獲得したのはディオンヌ & フレンズ (エルトン・ジョン、グラディス・ナイト & スティーヴィー・ワンダー)「That's What Friends Are For」(1986 4週)以来、ハル・デヴィッドにとってはカーペンターズ「(They Long To Be) Close To You」(1970 4週)以来となります。

 

シザ「Snooze」が3→2位となり同曲最高位を更新。ストリーミングは前週比18%ダウンの1750万、ダウンロードは同35%ダウンの2,000、ラジオは同4%アップの7290万を記録しています。「Snooze」はシザにとって3曲目のトップ2ヒットとなり、いずれも今年到達。「Kill Bill」が4月に首位、ドレイクに客演参加した「Slime You Out」が前週首位を記録していますが、後者は今週12位にダウンしています。

 

テイラー・スウィフト「Cruel Summer」が6→4位に上昇。ラジオは前週比2%アップの7610万を記録し、テイラーにとって同指標8曲目の首位に。1990年12月にラジオソングチャートが始まって以降、マルーン5ケイティ・ペリーおよびアッシャーを上回り同指標での首位獲得曲数が単独4位となりました。テイラーはリアーナ(13曲)、マライア・キャリー(11曲)、ブルーノ・マーズ(9曲)に続いています。

テイラー・スウィフト ラジオ指標首位獲得曲>

・「You Belong With Me」(2009 2週)

・「I Knew You Were Trouble」(2013 4週)

・「Shake It Off」(2014 4週)

・「Blank Space」(2014-2015 6週)

・「Bad Blood (feat. ケンドリック・ラマー)」(2015 5週)

・「Wildest Dreams」(2015 2週)

・「Anti-Hero」(2022-2023 5週)

・「Cruel Summer」(2023 1週)

また「Cruel Summer」はテイラー・スウィフトにとってポップエアプレイチャートで8週目の首位に。「I Knew You Were Trouble」の7週を上回り、同チャートで自身にとっての単独最長首位獲得曲となりました。

2019年リリースのアルバム『Lover』収録曲となる「Cruel Summer」は、テイラーの最新シングルとして6月にプロモーションが開始。アルバムはコロナ禍前にリリースされたため、最新のコンサートツアーで初めて『Lover』期の作品にスポットが当たっています。

今年になって2010年代リリースの作品がラジオ指標を制したのは2曲目。ザ・ウィークエンド & アリアナ・グランデ「Die For You」が2月に2週首位を獲得して以来となります。同曲のオリジナル版はザ・ウィークエンドのソロ作品として2016年にリリースされています。

テイラー・スウィフトは2000年代以降の3つのディケイドすべてでラジオ指標を制した唯一の歌手、また1990年代以降の4つのディケイドのうち3つにおいて首位を獲得した最初の歌手でもあります。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (2位) ドージャ・キャット「Paint The Town Red」

2位 (3位) シザ「Snooze」

3位 (4位) ルーク・コムズ「Fast Car」

4位 (6位) テイラー・スウィフト「Cruel Summer」

5位 (5位) ザック・ブライアン feat. ケイシー・マスグレイヴス「I Remember Everything」

6位 (8位) モーガン・ウォレン「Last Night」

7位 (7位) オリヴィア・ロドリゴ「Vampire」

8位 (9位) ガンナ「Fukumean」

9位 (11位) レマ & セレーナ・ゴメス「Calm Down」

10位 (10位) デュア・リパ「Dance The Night」

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。10月7日付ではドージャ・キャット「Paint The Town Red」がGlobal 200において4連覇、Global 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.では2連覇を獲得しています。

ドージャ・キャット「Paint The Town Red」はGlobal 200においてストリーミングが前週比1%アップの9060万、ダウンロードが同5%ダウンの11,000を、Global Excl. U.S.ではストリーミングが前週とほぼ同じ6490万、ダウンロードが同4%ダウンの4,000を、それぞれ記録しています。

Global 200では前週11位に初登場したテイト・マクレー「Greedy」が4位に上昇。ストリーミングは前週比17%アップの3880万を記録しています。カナダはカルガリー出身のテイトはこの曲でGlobal 200初のトップ10入りを果たしました(これまでの最高位は「You Broke Me First.」(2020)の16位)。

同じくGlobal 200ではケニア・グレース「Strangers」が12→5位へ上昇。ストリーミングは前週比14%アップの3990万、ダウンロードは同21%アップの3,000を記録しています。南アフリカ生まれイギリス育ちのケニアにとって、同曲の上昇にはTikTokが大きく貢献。70万以上の動画に同曲の一部が用いられ、またTikTokのフォロワーは53万を突破しています。

Global Excl. U.S.ではカロルG & ペソ・プルマ「Qlona」が6→5位に上昇。ストリーミングは前週比3%アップの3840万を記録しています。カロルGのGlobal Excl. U.S.におけるトップ5ヒットは5曲目、ペソ・プルマは4曲目となります。

カッソー(Cassö)、レイ & D-ブロック・ヨーロッパ「Prada」がGlobal Excl. U.S.で11→8位に。ストリーミングは前週比14%アップの2360万、ダウンロードは同15%アップの2,000を記録しています。イギリスのレイにとっては070シェイクを迎えた「Escapism」(2023年1月 6位)に次ぐ2曲目のトップ10入りとなり、アメリカ生まれのカッソーおよびイギリスのD-ブロック・ヨーロッパにとっては初のトップ10ヒットとなりました。