イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【マイベスト】2023年1月の私的トップ10ソングス、選びました

2020年1月にスタートした【私的トップ10ソングス+α】企画、今回は2023年1月分です。前の月にリリースされた曲を中心に選出しています。ミュージックビデオ等動画がない曲は巻末のプレイリスト(Spotify)でチェックしてみてください。

過去の私的トップ10ソングス等についてはこちらに。Spotifyを利用し、New Music WednesdayNew Music Friday JapanNew Music FridayおよびMonday Spinといったプレイリストを毎週チェックしています。

なお、"私的トップ10ソングス"とあるように、月イチで紹介するこのエントリーは完全な私見に基づくベストソングス(選出企画)となります。個人的な作品への思い入れについて、音楽チャート紹介時には乗せないよう心掛けています。

 

 

10位 リル・ヨッティ「sAy sOMETHINg」

ラッパーのリル・ヨッティーによるニューアルバム『Let's Start Here.』はサイケデリックな作品となり、好事家から高い評価を受けています。ミュージックビデオも制作された「sAy sOMETHINg」(このタイトルの付け方はいい意味で奇妙と言えそうです)における音のエフェクトも、紙一重の快感をもたらしてくれるかのよう。

 

9位 アダム・ランバート「Getting Older」

クイーンのボーカルとしても活躍するアダム・ランバート、今月リリースのニューアルバム『High Drama』はカバーアルバムに。ビリー・アイリッシュ「Getting Older」のカバーは、クイーンへの参加を経て円熟味を増したボーカルとアメリカの王道的ロックサウンドが高次元で融合。『High Drama』収録のカバー曲がアダム流にどう解釈されるのか、楽しみです。

 

8位 サム・スミス「I'm Not Here To Make Friends」

キャリア初となる米ビルボードソングチャート制覇曲、「Unholy」(キム・ペトラスとの共演作)を含むニューアルバム『Gloria』収録のディスコティーク。1980年代ムーブメントの興隆に貢献したカルヴィン・ハリスを制作の一組に迎え、ディスコティークとサムの相性の好さを証明した作品に。

 

7位 SGルイス feat. シャルロット・デイ・ウィルソン & チャンネル・トレス「Fever Dreamer」

続いてもディスコティーク。近年の1970年代サウンドを踏襲したもので、2番における低音ボイス挿入は10年前にリリースされ世界的にヒットしたダフト・パンク『Random Access Memories』を彷彿とさせます。

 

6位 ポップカーン「Great Is He」

ジャマイカ出身、ドレイクによるOVOサウンドから登場したポップカーンによるゴスペルアプローチ作品。クワイアによる力強いコーラスと、ダンスホールを基軸とするポップカーンの声との一体感は予想以上。

 

5位 Vaundy「まぶた」

昨年の『NHK紅白歌合戦』出場歌手で最も注目を集めたことが音楽チャート面でも証明されたVaundyさん。間髪入れずにリリースされたフジテレビ月9ドラマの主題歌「まぶた」のキャッチーさは、街中で流れた際にふと口ずさんでしまうほど。

 

4位 イェジ「For Granted」

ニューヨーク在住、韓国にルーツを持つプロデューサー/DJによる待望のデビューアルバム『With A Hammer』からの先行曲。1990年代にヒットしたドラムンベースやジャングルの引用も印象的ながら、初期ティンバランドサウンドを彷彿とさせるトラックも◎。繊細なイェジのボーカルが浮遊感や不思議な感覚をさらに高めているのもポイント。

 

3位 M83「Oceans Niagara

1980年代におけるロックとインストゥルメンタルが見事に溶け合い昇華したサウンド。彼らについては初めて知ったのですが、この疾走感は堪りません。

 

2位 TOMOO「Cinderella」

一聴して思い出したのは安室奈美恵さんによる「Love Story」でしたが、「Cinderella」は別れてから家に着いた直後までの短い時間をドラマティックに描いています。注目はサビ。平坦なメロディはあたかも、わずかな刺激が加われば涙が溢れかねないという主人公の心情を見事に表現しているのではないでしょうか。

 

1位 NewJeans「OMG」

ここにきて「Ditto」を選ばなかったことを強く後悔するほど、NewJeansの作品は聴くほどに癖になっています。2000年前後の音楽スタイルを踏襲しながら新しさを併せ持つ音楽プロダクションは見事。そしてミュージックビデオがアイドルのあり方、世間のアイドルに対する考え方に一石を投じる予感も。NewJeansの作品群は、韓国や日本のみならず世界のチャートでも存在感を示しています。

 

 

以下、次点として10曲。

・Asilo「Days」

・Kick a Show「こんな夜だから」

・Yaffle feat. カリタス「Storm」

・Lisa Halim feat. 流線形「恋はジェラシー」

アメリア・ローズ feat. レルヤー「Where's This Going? 」

・エロイーズ「Drunk On A Flight」

・エリカ・キャンベル「Feel Alright (Blessed)」

・ジェーン・ヘンドリック「Layin Next To Me」

・パリス「Goddess」

・マック・キーン & エスタ「Super」

ゴスペルデュオ、メアリー・メアリーのメンバーによるソロ作を次点に。夫のウォーリン・キャンベルがプロデュースに参加し、余裕と楽しさが溢れる作品となりました。相次ぐ転調や声のダイナミックさはまさにゴスペルのそれであり、大勢のクワイアの前で披露する姿も観てみたいものです。

 

 

Spotifyのプレイリストはこちらに。

今月も素晴らしい音楽に出逢えることを願っています。