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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【海外ビルボード】マイリー・サイラス「Flowers」が米およびグローバルチャートで3連覇達成

現地時間の2月6日月曜に発表された最新2月11日付米ビルボードソングチャート(集計期間:1月27日~2月2日)。マイリー・サイラス「Flowers」が初登場から3連覇を達成しました。

マイリー・サイラス「Flowers」はストリーミングが前週比20%ダウンの4800万(同指標3週目の首位)、ダウンロードが同43%ダウンの37,000(同指標3週目の首位)、ラジオが同38%アップの5640万(同指標6位)を記録。ラジオにおいては「The Clime」(2009 7位)、「Party In The U.S.A.」(2009 8位)、「Wrecking Ball」(2013 4位)に続く4曲目のトップ10入りとなりました。

ストリーミングにおいては5260万→5970万→4800万と推移。クリスマス関連曲以外で3週以上続けて4千万以上を記録したのはオリヴィア・ロドリゴ「Good 4 U」(2021年5月29日付~6月19日付 4週連続)以来となります。

また「Flowers」はダウンロードも好調で70,000→65,000→37,000と推移。3週以上続けての3万超えはコールドプレイ & BTS「My Universe」(2021年10月9~30日付 初登場以降4週連続)以来の記録達成です。

 

シザ「Kill Bill」が4週目となる2位に。ストリーミングは前週比5%ダウンの3250万、ダウンロードは同3%ダウンの2,000、ラジオは同28%アップの4860万を記録。ラジオは10位に上昇し、この指標ではマルーン5に客演参加した「What Lovers Do」(2017 5位)、ドージャ・キャットにフィーチャーされた「Kiss Me More」(2021 2位)に続く3曲目、主演曲としては初のトップ10入りを果たしています。

 

ザ・ウィークエンド「Die For You」が7→6位に上昇。ラジオは前週比5%アップの8520万を記録し同指標首位に踊り出ました。ザ・ウィークエンドのラジオ指標首位獲得は「Earned It (Fifty Shades Of Grey)」(2015 4週)、「Can't Feel My Face」(2015 7週)、「The Hills」(2015 5週)、「Blinding Lights」(2020年4~10月 史上最長となる26週)に続く5曲目となります。また「Die For You」が収録されたアルバム『Starboy』(2016)からは共にダフト・パンクをフィーチャーした「Starboy」(2016 2位)および「I Feel It Coming」(2017 3位)もラジオヒットしています。

「Die For You」はアルバムリリースから6年以上の時を経てラジオ指標を制し、1990年にラジオソングチャートが開始されて以降、作品のリリースから指標制覇まで最も時間がかかった作品となりました。この数ヶ月はTikTokにてバズが発生し、それを受けて所属レコード会社のリパブリック・レコードが公式にラジオプロモーションを行ったことが功を奏した形です。

 

リル・ウージー・ヴァート「Just Wanna Rock」が12→10位となり、同曲初のトップ10入り。ストリーミングは前週比5%アップの1500万、ダウンロードは同14%アップの1,400、ラジオは同10%アップの2870万を記録しています。

リル・ウージー・ヴァートにとっては、ミーゴスに客演参加した「Bad And Boujee」(2017 3週首位)、「XO TOUR Llif3」(2017 7位)、「Futsal Shuffle 2020」(2019 5位)、「Baby Pluto」(2020 6位)、「Lo Mein」(2020 8位)、「Silly Watch」(2020 9位)に続く7曲目のトップ10入りとなります。

曲名に”Rock”が付いた作品のトップ10入りは先月、ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」が2位、ボビー・ヘルムズ「Jingle Bell Rock」が3位にランクインしたばかり。たとえば2020年代において、ダベイビー feat. ロディ・リッチ「Rockstar」が2020年6月以降通算7週首位の座に就いていました。ロックジャンルにおいて”Rock”が付いた曲でのトップ10入りはニッケルバック「Rockstar」(2007 6位)が最も新しいものとなります。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) マイリー・サイラス「Flowers」

2位 (2位) シザ「Kill Bill

3位 (4位) メトロ・ブーミン、ザ・ウィークエンド & 21サヴェージ「Creepin'」

4位 (3位) テイラー・スウィフトAnti-Hero

5位 (5位) サム・スミス & キム・ペトラス「Unholy」

6位 (7位) ザ・ウィークエンド「Die For You」

7位 (6位) デヴィッド・ゲッタ & ビービー・レクサ「I'm Good (Blue)」

8位 (8位) ドレイク & 21サヴェージ「Rich Flex

9位 (9位) ハリー・スタイルズ「As It Was」

10位 (12位) リル・ウージー・ヴァート「Just Wanna Rock」

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート、2月11日付ではGlobal 200、Global Excl. U.S.共にマイリー・サイラス「Flowers」が3連覇を達成しています。

マイリー・サイラス「Flowers」はGlobal 200においてストリーミングが前週比15%ダウンの1億8560万、ダウンロードが同35%ダウンの72,000を、Global 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.ではストリーミングが前週比12%ダウンの1億4270万、ダウンロードが同23%ダウンの35,000を、それぞれ記録しています。

初登場時において「Flowers」はGlobal 200ではソロとして2020年9月のチャート発足以降最大、歴代でも3位となるストリーミングを記録。登場2週目の前週はさらに数字を伸ばしストリーミング歴代2位に。そして登場3週目となる今週、初登場週の数値を上回り歴代4位を記録しています。

<Global 200における週間ストリーミング歴代トップ10>

1位 2億8920万 BTS「Butter」(2021年6月5日付)

2位 2億1710万 マイリー・サイラス「Flowers」(2023年2月4日付)

3位 2億1210万 BLACKPINK「Pink Venom」(2022年9月3日付)

4位 1億8560万 マイリー・サイラス「Flowers」(2023年2月11日付)

5位 1億7910万 マイリー・サイラス「Flowers」(2023年1月28日付)

6位 1億7820万 アデル「Easy On Me」(2021年10月30日付)

7位 1億7080万 BTS「Permission To Dance」(2021年7月24日付)

8位 1億6980万 BTS「Butter」(2021年6月12日付)

9位 1億5280万 BLACKPINK「Shut Down」(2022年10月1日付)

10位 1億5260万 LISA(BLACKPINK)「Lalisa」(2021年9月25日付)

 

 

最後に。最新グローバルチャートの記事にて、米ビルボードマイリー・サイラス「Flowers」のヒットについて次のように言及しています。

Cyrus first announced during her Miley’s New Year’s Eve Party NBC special that “Flowers” would be released Jan. 13, which fans noticed doubles as her ex-husband Liam Hemsworth’s birthday. That enticing narrative and interaction on TikTok have helped swell the profile of the song, which introduces Cyrus’ eighth studio album, Endless Summer Vacation, due March 10.

「Flowers」ヒットの理由については米ビルボードが別途記事を用意しています。このブログではそれら記事を意訳し、データ等を補足したエントリーを用意していますので、よろしければご覧ください。