2020年1月にスタートした【私的トップ10ソングス+α】企画、今回は2023年11月分です。前の月にリリースされた曲を中心に選出しています。ミュージックビデオ等動画がない曲は巻末のプレイリスト(Spotify)でチェックしてみてください。
過去の私的トップ10ソングス等についてはこちらに。Spotifyを利用し、New Music Wednesday、New Music Friday Japan、New Music FridayおよびMonday Spinといったプレイリストを毎週チェックしています。
なお、"私的トップ10ソングス"とあるように、月イチで紹介するこのエントリーは完全な私見に基づくベストソング選出企画となります。音楽チャート紹介時には個人的な作品への思い入れを乗せないよう心掛けています。
10位 ビリー・ポーター「Black Mona Lisa」
ワンアンドオンリーな世界観を極めるビリー・ポーター。彼を知ったのは四半世紀前のアルバムに収録された「Love Is On The Way」で、その芯の強さや気高さに圧倒されたのですが、その空気は今作でも健在。あくまで個人的には力強い歌声を持つ歌手が好きなゆえ、ビリ―のような歌い手が日本に、特にダンスボーカルグループに増えることを願っています。
9位 オディール「Gave You My All」
幼少期に様々な国へ(おそらくは家族の都合であれど)出向いたことで、世界の様々な音楽を吸収してきたオディールによる作品。美しいアレンジ、そしてUKR&Bにあって異国感漂うオディールのボーカルとが相反するようでいてしっかり絡み合っています。
8位 オリヴィア・ロドリゴ「Can’t Catch Me Now」
映画『ハンガー・ゲーム0』(原題:The Hunger Games: The Ballad of Songbirds and Snakes)のためにオリヴィア・ロドリゴが書き下ろした曲。大サビにおける多重コーラスが、それ以外の静の部分と絶妙なコントラストを生み、ミステリアスな雰囲気を醸し出すことに成功しています。
7位 ちゃんみな「Biscuit」
ちゃんみなさんによる韓国語曲。最近では歌モノの比率が高まっている印象があるのですが、ラップ/サングコラボレーションをひとりで自然にできるところは彼女にしか出せない強みといえそう。序盤が穏やかだからこそ、最後の叫びがより効果的になっています。
6位 ジャック・ハーロウ「Lovin On Me」
TikTokでの一部解禁によりバズを生み、直後に音源をリリースしたことで直近の米ビルボードソングチャートを制覇という施策の巧さもさることながら、何よりフックがキャッチーゆえに抗えないのが魅力。そのフックに用いられたサンプリング元はこれまでいずれの米ビルボードチャートにもランクインしておらず、そういうフックアップにもジャック・ハーロウの面白さを感じます。
5位 ブランディー「Christmas Party For Two」
四半世紀以上のキャリアを誇るブランディーによる、初のクリスマスアルバム収録曲。ハスキーでどちらかと言えば細い声が特徴的だった彼女ですが、年齢を重ねて得たしなやかさをと流麗さがこの作品に反映。とりわけ多重コーラスによって、その魅力が高まっているように感じます。
4位 トゥイー「Don't Miss Me Too Much」
ベトナム系アメリカ人のトゥイー(Thuy)による逸品。濃密ながらさらりと聴けるというR&Bダンスチューン(矛盾を孕むようですが)はそうそうないのではと感じて選出。トゥイーのボーカルには一切の隙がなく、この才能の持ち主を今まで知らなかったことを恥じています(そして、こういう出会いを与えてくれるサブスクの存在に感謝です)。
3位 May J. feat. ハラミちゃん「Sweetest Crime」
(上記はビハインド・ザ・シーン。)
アリシア・キーズ「If I Ain't Got You」を間違いなく意識したであろう作品。たとえばOfficial髭男dism「Subtitle」の冒頭の進行にもうっすらと感じていた「If I Ain't Got You」の持つ美しさ、そしてドラマティックな展開がこの曲では見事に踏襲されています。ハラミちゃんによる旋律とMay J.さんのボーカルの相性の良さたるや。
2位 ジョングク「Standing Next To You」
BTSのメンバー、ジョングクによる『GOLDEN』リード曲は、マイケル・ジャクソンを代表するポップミュージックの王道にして最高級。12月1日にリリースされたアッシャー参加版リミックスも絶品でした。ジョングク『GOLDEN』先行曲から感じるスタンスについては、先日ブログにて紹介しています。
1位 AMEFURASSHI「SPIN」
10月末にリリースされた曲は解禁当初は未聴だったのですが、各所で高まる評判を踏まえてチェックし圧倒されました。NewJeans以降といえるダンスミュージックをJ-POPに踏襲したstyさんの手腕に唸るとともに、日本の女性アイドル/ダンスボーカルグループの層の厚さに感心した次第。そしてこの曲からジャネット・ジャクソン「Throb」の影も感じるのですが、ともすればstyさんが意識して織り込んだのではと。
以下、次点として10曲。
・Aile The Shota「Epilogue」
・大和田彗 with LAGHEADS「Hello Hello!」
・Yaffle feat. fiction.「Painkiller」
・エモーショナル・オレンジズ & ノンソ・アマディ「Nowhere」
・ジェイコブ・コリアー feat. ショーン・メンデス、ストームジー & カーク・フランクリン「Witness Me」
・カニー「Pretty Photos」
・ノーテッド feat. イーメイ「Hold On Me」
・ラヤナ・ジェイ & L.A.X「Touch Me Back」
・ローズマリー feat. ロディ・リッチ「Is It Real?」
いわば"NewJeans以降"といえるアレンジを踏襲した作品は今後増えるものと思われますが、そのうちの一曲がAile The Shota「Epilogue」。サビでアレンジが比較的大きく変わるのですが、Bメロの展開はまさしくNewJeans的。そして、今年上半期ベストに選出したSoulflexとの「FANCITY」とまた大きく異なる作品ながら、その双方で存在感を放つAile The Shotaさんのボーカルには今後ますます注目しなくてはと実感しています。
Spotifyのプレイリストはこちらに。
今月も素晴らしい音楽に出逢えることを願っています。
そして年内に、下半期および年間の私的トップソングスを掲載する予定です。