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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(訂正あり)【海外ビルボード】ハリー・スタイルズ「As It Was」、米およびグローバルで初登場首位獲得

(※追記(5月3日):リル・ナズ・X「Thats What I Want」について、これまで「That's What I Want」とアポストロフィ付きで紹介しておりました。訂正し、お詫び申し上げます。)

 

 

 

現地時間の4月11日月曜に発表された最新4月16日付米ビルボードソングスチャート(Hot 100)。ハリー・スタイルズ「As It Was」が初登場で首位を獲得しました。

ソングスチャート63年の歴史上1135曲目、初登場では59曲目での首位獲得となるハリー・スタイルズ「As It Was」はストリーミングが4380万(同指標1位)、ダウンロードが10300(同指標2位)、ラジオが2720万(同指標19位)を獲得。イギリスで4月1日金曜0時に解禁されたこの曲は時差の関係上アメリカでは前週5時間分が加算対象となっています(ストリーミング300万、ダウンロード3500およびラジオ140万を記録)。

ストリーミングではハリー・スタイルズとって、初のトップ10入りにして初の首位獲得。ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」が1月1日付で4750万を記録して以来の高水準に。集計期間初の1週間フル加算としてはアデル「Easy On Me」が昨年10月30日付で5390万を記録して以来のハイレベルとなります(アデル「Easy On Me」もイギリスで金曜0時に解禁され、時差の関係上米では前週5時間分が加算)。男性歌手としてはドレイク feat. フューチャー & ヤング・サグ「Way 2 Sexy」が昨年9月18日付で6730万を記録して以来のストリーミング高水準となります。

ダウンロードにおいては16→2位に上昇し、ハリー・スタイルズにとって5曲目の同指標トップ10入り。またラジオは先述したアデル「Easy On Me」が昨年10月30日付で4位に初登場して以来の高水準であり、男性歌手ではエミネム「Just Lose It」が2004年10月9日付で17位に登場して以来の初登場記録となります。

 

ハリー・スタイルズにとって「As It Was」は「Watermelon Sugar」に続く2曲目の首位獲得曲。「Watermelon Sugar」は2020年8月15日付にて、登場20週目で首位の座を射止めています。またハリー・スタイルズにとては今回が4曲目のトップ10入りとなります(「Watermelon Sugar」以外には「Sign Of The Times」(2017年4月 4位)、「Adore You」(2020年4月 6位)が含まれます)。

活動休止中のワン・ダイレクション出身のメンバーでは、ハリー・スタイルズが初めて複数曲で首位を獲得。脱退したゼイン(ゼイン・マリク)は「Pillowtalk」が2016年2月20日付で初登場首位に輝いています。なおワン・ダイレクションは6曲のトップ10ヒットを所有し、最高位は「Best Song Ever」の2位となります(2013年8月に記録)。

 

グラス・アニマルズ「Heat Waves」は5連覇の後2位にダウン。ストリーミングは前週比1%アップの1500万(同指標4位)、ダウンロードは同45%アップの4100(同指標13位 トップセールスゲイナー獲得)、ラジオは同2%ダウンの6330万(同指標5週目の1位)を記録しています。

ウスターシャー州レディッチ生まれのハリー・スタイルズ、そしてオックスフォードで結成されたグラス・アニマルズはいずれもイギリス出身。そのイギリス出身の歌手による首位後退は30年ぶり。ジョージ・マイケルエルトン・ジョン「Don't Let The Sun Go Down On Me」(1992年2月1日付)からライト・セッド・フレッド「I'm Too Sexy」(2月8日付)へのリレー以来となります。

またイギリス出身の歌手によるワンツーフィニッシュは5年ぶり。エド・シーラン「Shape Of You」およびゼイン & テイラー・スウィフト「I Don't Wanna Live Forever (Fifty Shades Darker)」が2017年3月4日付で1位および2位を記録して以来となります(なおテイラーはアメリカ出身です)。

 

ラトー「Big Energy」が3位をキープ。ストリーミングは前週比16%アップの1100万(同指標6位 トップストリーミングゲイナー獲得)、ダウンロードは同2%ダウンの12600(同指標1位)、ラジオは同12%アップの5830万(同指標3位 トップエアプレイゲイナー獲得)。この伸びは前週の集計期間中にリリースされた、マライア・キャリーと共演しDJキャレドをフィーチャーしたリミックスが今回1週間フル加算されたため。

なお「Big Energy」のクレジットはラトー単独表記に。これはリミックス版の獲得ポイントがオリジナルバージョンを下回ったためとなります。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (初登場) ハリー・スタイルズ「As It Was」

2位 (1位) グラス・アニマルズ「Heat Waves

3位 (3位) ラトー「Big Energy」

4位 (2位) ザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」

5位 (5位) イマジン・ドラゴンズ & J.I.D「Enemy」

6位 (4位) コダック・ブラック「Super Gremlin」

7位 (6位) ジャスティン・ビーバー「Ghost」

8位 (10位) ドージャ・キャット「Woman」

9位 (7位) ゲイル「Abcdefu」

10位 (9位) リル・ナズ・X「Thats What I Want」

ザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」は4位にダウンするも、昨年7月24日付で3位に初登場して以来39週連続でトップ10内をキープ。ポスト・マローン「Circles」が2019年から翌年にかけて記録した初登場からのトップ10連続在籍週数(38週)を上回り、単独で歴代最長記録を更新しました。

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。4月16日付ではGlobal 200、Global Excl. U.S.共にハリー・スタイルズ「As It Was」が初登場で首位の座に就きました。

ハリー・スタイルズ「As It Was」はGlobal 200でストリーミング1億2210万、ダウンロード19000を、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではストリーミング7920万、ダウンロード9400を記録し、共に初登場首位。Global 200において「As It Was」は2022年最大のストリーミング再生回数を記録。テイラー・スウィフト「All Too Well (Taylor's Version)」が昨年11月27日付で1億3130万を記録して以来の高水準です。

Global 200においてハリー・スタイルズはイギリス出身の男性ソロ歌手として初となる、初登場での首位獲得歌手となりました。初登場以外を含めれば、イギリス出身の男性ソロ歌手ではエド・シーラン「Bad Habits」が昨年7月31日付で首位を獲得して以来のトップとなります。

 

BIGBANG「Still Life」がGlobal 200で9位、Global Excl. U.S.で3位に初登場。Global 200ではストリーミング3400万、ダウンロード29700を、Global Excl. U.S.ではストリーミング3220万、ダウンロード26700を記録しています。