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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(追記あり)【海外ビルボード】ハリー・スタイルズ「As It Was」が米で15週目の首位、グローバルはBLACKPINKがワンツー達成

(※追記(9月28日21時10分):スティーヴ・レイシー「Bad Habit」において、"ダウンロードは同10%アップの3780万(同指標8位)を記録"と記載しましたが、正しくは"ラジオは同10%アップの3780万(同指標8位)を記録"てした。訂正し、お詫び申し上げます。)

 

 

 

現地時間の9月26日月曜に発表された最新10月1日付米ビルボードソングスチャート(Hot 100)。ハリー・スタイルズ「As It Was」が通算15週目の首位を獲得しました。

ハリー・スタイルズ「As It Was」はストリーミングが前週比6%ダウンの1350万(同指標9位)、ダウンロードが同13%アップの3,000(同指標15位)、ラジオが同2%ダウンの6600万(同指標7週目の首位)をそれぞれ記録。これにより「As It Was」は、1958年8月4日付から始まった米ビルボードソングスチャートにおいて歴代単独4位となる15週目の首位を獲得しました。

<米ビルボードソングスチャート 歴代週間首位獲得週数一覧>

19週

・リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」(2019年4月13日付以降)

16週

・ルイス・フォンシ & ダディー・ヤンキー feat. ジャスティン・ビーバー「Despacito」(2017年5月27日付以降)

マライア・キャリーボーイズIIメン「One Sweet Day」(1995年12月2日付以降)

15週

ハリー・スタイルズ「As It Was」(2022年4月16日付以降)

14週

・マーク・ロンソン feat. ブルーノ・マーズ「Uptown Funk!」(2015年1月17日付以降)

ブラック・アイド・ピーズ「I Gotta Feeling」(2009年7月11日付以降)

マライア・キャリー「We Belong Together」(2005年6月4日付以降)

エルトン・ジョン「Candle In The Wind 1997」「Something About The Way You Look Tonight」(1997年10月11日付以降)

・ロス・デル・リオ「Macarena (Bayside Boys Mix)」(1996年8月3日付以降)

ボーイズIIメン「I'll Make Love To You」(1994年8月27日付以降)

ホイットニー・ヒューストン「I Will Always Love You」(1992年11月28日付以降)

「As It Was」は共演もしくは客演なしの作品として、単独最長となる週間首位獲得週数を達成。またイギリスはウスターシャー、レディッチ出身のハリー・スタイルズはマーク・ロンソンおよびエルトン・ジョンを上回り、「As It Was」がイギリス人歌手として単独最長となる週間首位獲得週数を記録しています。

<イギリス人歌手による米ビルボードソングスチャート歴代週間首位獲得週数一覧>

15週

ハリー・スタイルズ「As It Was」(2022年4月16日付以降)

14週

・マーク・ロンソン feat. ブルーノ・マーズ「Uptown Funk!」(2015年1月17日付以降)

 (マーク・ロンソンが該当)

エルトン・ジョン「Candle In The Wind 1997」「Something About The Way You Look Tonight」(1997年10月11日付以降)

12週

エド・シーラン「Shape Of You」(2017年1月28日付以降)

10週

・アデル「Easy On Me」(2021年10月30日付以降)

・ドレイク feat. ウィズキッド & カイラ「One Dance」(2016年4月23日付以降)

 (カイラが該当)

・アデル「Hello」(2015年11月14日付以降)

・リアーナ feat. カルヴィン・ハリス「We Found Love」(2011年11月12日付以降)

 (カルヴィン・ハリスが該当)

オリヴィア・ニュートン・ジョン「Physical」(1981年11月21日付以降)

9週

ザ・ビートルズHey Jude」(1968年9月28日付以降)

ハリー・スタイルズ「As It Was」は4月16日付で首位に初登場して以降、最新チャートがエントリー25週目にして2位以上在籍が24週目となり、米ビルボードソングスチャート64年の歴史において2位以上在籍週数最長記録を更新。また3位以上在籍記録でも「As It Was」は最長となる25週に達したほか、初登場から25週連続でトップ3入りを続けた最初の曲となります。

ハリー・スタイルズ「As It Was」は首位に初登場してから今回の首位獲得までのスパンが25週(首位獲得以外の10週のうち2位が9週、3位が1週)となり、ひとつのリリースサイクルにおける首位獲得の最長期間を更新。なお最長記録はマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」の2年3週(2019年12月21日付-2022年1月8日付)となりますが、クリスマスソングにつきそれ以外の期間は100位未満となっています。

ハリー・スタイルズ「As It Was」は5月21日付でラジオ指標を初めて制して以降6月11日付まで4週連続で首位となり、2週前に首位に返り咲くと3週連続で制覇。初の首位獲得から最新の首位獲得までの20週というスパンはザ・ウィークエンド「Blinding Lights」(2000)の28週(うち26週首位)に次ぐ歴代単独2位となりました。

さらに、ハリー・スタイルズが出演した映画『ドント・ウォーリー・ダーリン』が最新の北米ボックスオフィスによる興行収入ランキングで1920万ドルを獲得し首位に登場。これにより、ハリー・スタイルズは米ビルボードソングスチャートと映画興行収入ランキングの双方を同時制覇したことになります。

この2つの制覇は、プリンスによる「When Doves Cry (邦題:ビートに抱かれて)」と『プリンス/パープル・レイン』(米ビルボードソングスチャートは1984年に5週制覇)、エミネムによる2002年の「Lose Yourself」と『8マイル』(米ビルボードソングスチャートは2002-2003年に12週制覇)に続く記録となりました。

(なおカメオ出演を含めればヒューイ・ルイスも。1985年にヒューイ・ルイス・アンド・ザ・ニュース「The Power Of Love」が、そして出演した『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が同時制覇を果たしています。)

スティーヴ・レイシー「Bad Habit」が2位をキープ。ストリーミングは前週とほぼ変わらず1960万(同指標5週目の首位)、ダウンロードは同39%アップの2,000(同指標37位)、ラジオは同10%アップの3780万(同指標8位)を記録し、ラジオにおいては自身初のトップ10入りを果たしています。

(※追記(9月28日21時10分):スティーヴ・レイシー「Bad Habit」において、"ダウンロードは同10%アップの3780万(同指標8位)を記録"と記載しましたが、正しくは"ラジオは同10%アップの3780万(同指標8位)を記録"てした。訂正し、お詫び申し上げます。)

「Bad Habit」はホットロック&オルタナティブソングスチャート、ホットロックソングスチャート、ホットオルタナティブソングスチャート、ホットR&B/ヒップホップソングスチャートおよびホットR&Bソングスチャートを同時制覇(前半3種は5週連続、後半2種は4週連続首位)。5つのチャートを同じタイミングで制したのは「Bad Habit」が初となります。

ルーク・コムズ「The Kind Of Love We Make」が14→8位に。ストリーミングは前週比13%アップの1390万、ダウンロードは同8%アップの3,000、ラジオは同5%アップの3270万を記録しています。ルークにとっては2020年11月に初登場2位を記録した「Forever After All」に続くトップ10ヒットとなりました。

今週の米ビルボードソングスチャートではモーガン・ウォレン「You Proof」が6位をキープしており、「You Proof」そしてルーク・コムズ「The Kind Of Love We Make」というホットカントリーソングスチャートのトップ2(前者は現在まで6週首位、後者はこれまで4週首位を獲得)が共に総合ソングスチャートでもトップ10入りする事態となりました。

このホットカントリーソングスチャートトップ2が同時に総合ソングスチャートでトップ10入りしたのは、2000年5月13日付以降では5例目となります。

<ホットカントリーソングスチャートのトップ2が総合ソングスチャートで同時トップ10入りを果たした週>

・2022年10月1日付 モーガン・ウォレン「You Proof」(総合6位)、ルーク・コムズ「The Kind Of Love We Make」(同8位)

・2021年11月27日付 テイラー・スウィフト「All Too Well (Taylor's Version)」(総合1位)、ウォーカー・ヘイズ「Fancy Like」(同10位)

・2020年11月7日付 ルーク・コムズ「Forever After All」(総合2位)、ギャビー・バレット feat. チャーリー・プース「I Hope」(同6位)

・2020年8月29日付 モーガン・ウォレン「7 Summers」(総合6位)、「I Hope」(同10位)

・2020年5月13日付 フェイス・ヒル「Breathe」(総合3位)、ローンスター「Amazed」(同10位)

注目すべきは、これまでの4例とは異なり、「You Proof」および「The Kind Of Love We Make」が共にポップおよびアダルトラジオでのプロモーションの助けを借りずに総合ソングスチャートでトップ10入りを果たしたこと。「All Too Well (Taylor's Version)」、「Fancy Like」や「I Hope」、さらに「Breathe」や「Amazed」はいずれもジャンルをまたいだ形でラジオのポイントを獲得していました。

モーガン・ウォレン「You Proof」、およびルーク・コムズ「The Kind Of Love We Make」の強さはストリーミングとカントリーエアプレイが大きく貢献しており、「You Proof」はストリーミング5位/カントリーエアプレイ3位、「The Kind Of Love We Make」はストリーミング7位/カントリーエアプレイ2位を記録しています。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) ハリー・スタイルズ「As It Was」

2位 (2位) スティーヴ・レイシー「Bad Habit」

3位 (5位) ポスト・マローン feat. ドージャ・キャット「I Like You (A Happier Song)」

4位 (4位) ニッキー・ユーア & デイジー「Sunroof」

5位 (3位) ニッキー・ミナージュ「Super Freaky Girl」

6位 (6位) モーガン・ウォレン「You Proof」

7位 (8位) ワンリパブリック「I Ain't Worried」

8位 (14位) ルーク・コムズ「The Kind Of Love We Make」

9位 (7位) リゾ「About Damn Time」

10位 (10位) フューチャー feat. ドレイク & テムズ「Wait For U」

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。10月1日付ではGlobal 200、Global Excl. U.S.共にBLACKPINK「Shut Down」が初登場で首位を獲得、また「Pink Venom」も両チャートで2位となりワンツーフィニッシュを達成しました。

BLACKPINK「Shut Down」はGlobal 200にてストリーミングが1億5280万、ダウンロードが17,000を、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではストリーミングが1億4000万、ダウンロードが13,000を記録しています。

Global 200においてBLACKPINKは2曲目の首位となり、グローバルチャート2年の歴史においてBTS(6曲)、ジャスティン・ビーバーおよびオリヴィア・ロドリゴ(共に2曲)に続く複数の首位曲を獲得した歌手となりました。Global Excl. U.S.においては首位獲得数が3曲となり、BTS(6曲)に次ぐ歴代単独2位に。なおGlobal Excl. U.S.では他に、ジャスティン・ビーバーが2曲の首位を保持しています。

さらに、BLACKPINKはGlobal 200、Global Excl. U.S.および米ビルボードアルバムチャート(Billboard 200)を同時に制した4組目(4例目)となります。

<Global 200、Global Excl. U.S.および米ビルボードアルバムチャート同時制覇歌手>

・2022年10月1日付 BLACKPINK「Shut Down」/『Born Pink』

・2021年11月27日付 テイラー・スウィフト「All Too Well (Taylor's Version)」/『Red (Taylor's Version)』

・2021年4月3日付 ジャスティン・ビーバー「Peaches (feat. ダニエル・シーザー & ギヴィオン)」/『Justice』

・2020年12月5日付 BTS「Life Goes On」/『Be』

Global 200におけるワンツーフィニッシュはドレイク(2021年3月20日付)、ハリー・スタイルズ(2022年6月4日付)に続く3組目となり、グループとしては初。Global Excl. U.S.においてはBTS(2020年12月5日付)に続く2組目となります。なおBLACKPINK「Shut Down」は10月1日付米ビルボードソングスチャートで25位に初登場を果たしています。