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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

SixTONES「共鳴」とKing Gnu「カメレオン」、ビルボードジャパン首位獲得の鍵を握るチャートポリシー変更の可能性を考える

明後日発表される3月9日公開分(3月14日付)ビルボードジャパンソングスチャートでは、SixTONES「共鳴」とKing Gnu「カメレオン」が突出したポイントを獲得することが予想されます。

デジタル未解禁のSixTONES「共鳴」はフィジカルセールスが水曜までの段階で33万枚を突破。前作「マスカラ」は速報値43万枚を超えているためダウン幅は少なくないものの、圧倒的な強さをみせています。

一方で2月28日月曜にデジタル先行でリリースされたKing Gnu「カメレオン」はダウンロードおよびストリーミングで首位に。特にストリーミングは400万回弱という驚異的な再生回数を示しています。両者共に3月4日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日)に出演しており、週末の伸びが気になるところです。

 

自分は厳密なポイント予想を行っていませんが、直近の状況からある程度ポイントを予想することができるかもしれません。

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上記表は2022年度第1四半期におけるビルボードジャパンソングスチャートの週間首位獲得曲一覧。SixTONES「共鳴」は、2021年12月8日公開分(12月13日付)で首位を獲得したSnow Man「Secret Touch」と同種の動きをなぞると予想されます。フィジカルセールスが突出するのみならず、近年、ジャニーズ事務所所属歌手による曲はラジオ指標に強く、また特に若手は動画再生回数の好位置登場が定番化しています。

一方でKing Gnu「カメレオン」は、解禁初週にミュージックビデオが解禁されていない状況も含めて、2021年12月15日公開分(12月20日付)で初登場首位を獲得したAimer「残響散歌」と合致。『ミュージックステーション』がテレビ初パフォーマンスだったこともあってTwitter指標も伸びるものと思われます。

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Aimer「残響散歌」は初登場時にダウンロードが8万7千を突破、ストリーミングは1000万回に到達。速報値ではそれぞれ58800ダウンロード、4611005回再生となっているため、King Gnu「カメレオン」は「残響散歌」をポイントで上回ることは難しいかもしれませんが、1万5千程度のポイント獲得が予想されます。対して、SixTONES「共鳴」も同種のポイントに至ると考えられ、高いレベルでのワンツーが予想されるのです。

 

ソングスチャートの予想については、毎週発表し結果も省みられている紅蓮・疾風さんのツイートを是非ご確認いただきたいと思います。そしてその紅蓮・疾風さんも先日から指摘されているように、明後日発表分にビルボードジャパンは新たな変革を施す可能性があるのです。

(紅蓮・疾風さんは水曜までに、詳細な予想を発表されます。)

ゆえに、先程の予想ポイントはチャートポリシー変更がないという前提でのものとなります。

 

ビルボードジャパンではここ最近、各四半期の初週にチャートポリシー(集計方法)変更を行っています。2021年度においては第1四半期で動画再生指標のUGC(ユーザー生成コンテンツ)加算除外、第2四半期および第4四半期でソングスチャート構成指標のウエイト増減を実施。そして第3四半期ではAmazon Music Primeの集計開始に加え、フィジカルセールス指標の係数処理適用枚数を30万から10万(推測)に引き下げています。

係数処理とは、一定の売上を超える分については1枚あたりのウエイトを引き下げるという方法。ビルボードジャパンは2017年度に導入したことでソングスチャートが社会的なヒットの鑑に大きく近づきましたが、2021年度第3四半期では30万から10万に引き下げ、そして2022年度第1四半期ではさらに引き下げる措置を採っています。

その結果、フィジカルセールスばかりが突出した曲の最上位進出は難しくなり、ソングスチャートはますます社会的なヒットの鑑と言えるように。そしてそれもプラスに作用し、Aimer「残響散歌」は歴代2位となる通算9週もの首位を獲得しています。

先程紹介した紅蓮・疾風さんは、上記に端を発する一連のツイートにて2022年度第1四半期の雑感を記載されています(ツイート内でこのブログの複数のエントリーを紹介してくださったことに感謝申し上げます)。その上でビルボードジャパンに対し、第2四半期(2Q)にチャートポリシー変更が行われと見越してフィジカルセールスおよびダウンロード指標のウエイト変更を提案されています。

その紅蓮・疾風さんによる一連のツイートを紹介しつつ、自分の考えも記載しました(上記ツイートは一部抜粋)。フィジカルセールス指標係数処理適用枚数の引き下げ、そして米に倣ったオールタイムソングスチャートの設置を願っています。オールタイムが叶わないとしても、第4四半期でのチャートポリシーに準じた年間ソングスチャートの用意は少なくともお願いしたいところです。

 

ビルボードジャパンへの提案(願い)は他にも、指標毎で異なる曖昧な合算基準を排しリミックス等をすべて合算すること、UGC人気等がより反映されることを目的に動画再生指標のウエイトを引き上げること、米ビルボードに倣いアルバムチャートにストリーミングや単曲ダウンロードを含めること、集計開始の金曜への変更やチャート番組の用意等、様々あります。詳細はブログエントリーをご参照ください。

 

 

これまでの流れを踏まえれば、SixTONES「共鳴」やKing Gnu「カメレオン」が初登場する3月9日公開分(3月14日付)にてビルボードジャパンがソングスチャートのチャートポリシーを変更すると考えるのは自然なことです。ゆえにチャート予測は難しいのですが、変更実施の際には音楽を愛するすべての方にその旨を理解していただけるよう、ビルボードジャパンには説明をし尽くすことを強く願います。