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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(訂正あり)【海外ビルボード】『ミラベルと魔法だらけの家』より「We Don't Talk About Bruno」が米で4連覇達成

(※追記(5月3日):リル・ナズ・X「Thats What I Want」について、これまで「That's What I Want」とアポストロフィ付きで紹介しておりました。訂正し、お詫び申し上げます。)

 

 

 

現地時間の2月21日月曜が祝日のため翌22日に発表された最新2月26日付米ビルボードソングスチャート(Hot 100)。カロリーナ・ガイタン、マウロ・カスティージョ、アダッサ、レンジー・フェリズ、ダイアン・ゲレロ、ステファニー・ベアトリス & エンカント・キャスト「We Don't Talk About Bruno (邦題:秘密のブルーノ)」が4週連続で首位を獲得しました。

ディズニーアニメ映画『Encanto (邦題:ミラベルと魔法だらけの家)』のサウンドトラック発となる「We Don't Talk About Bruno」は、ストリーミングが前週比10%ダウンの3220万(同指標7週目の1位)、ダウンロードが同11%ダウンの7500(同指標11位)、ラジオが同18%アップの650万(同指標50位未満)を獲得しています。

「We Don't Talk About Bruno」は連覇の段階で、ディズニーアニメ映画では『アラジン』よりピーボ・ブライソン & レジーナ・ベル「A Whole New World」(1993年 1週)を抜いて初となる複数週での首位に。そして今回4週目の首位に立ったことで、実写も含むディズニー映画においてブライアン・アダムスロッド・スチュワート & スティング「All For Love」(『The Three Musketeers (邦題:三銃士)』より 1994年1-2月 3週)を抜いて最長首位獲得週数を記録しました。

「We Don't Talk About Bruno」および『Encanto』サウンドトラックは4週連続で米ビルボードソングス/アルバムチャートを同時制覇。後者は今週通算6週目の首位となり、獲得ユニット数は前週比11%ダウンの98000となっています。

映画サウンドトラックおよびそこからの曲が4週以上同時に制したのは29年ぶり。映画『ボディガード (原題:The Bodyguard)』およびホイットニー・ヒューストン「I Will Always Love You」が1992年12月12日付から1993年2月27日付まで12週首位を獲得して以来となります。またサウンドトラックの括りを外せば、ソングス/アルバムチャートでの4週以上の同時制覇はドレイク『Scorpion』および「In My Feelings」が2018年7月21日付から8月11日付まで制して以来となります。

 

グラス・アニマルズ「Heat Waves」が2ランクアップし2位となり、最高位を更新。ソングスチャート登場57週目での2位以上到達は、これまでの記録だったマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You (邦題:恋人たちのクリスマス)」が保持していた35週の記録を塗り替えました。なおクリスマスソングにおいてはデジタル、特にストリーミングの興隆に伴い再登場しやすくなり、「All I Want For Christmas Is You」はリリースから25年の時を経て2019年のクリスマスシーズンに初めて首位を獲得しています。

アデル「Easy On Me」は3位をキープし、ラジオでは13週目の首位に。一方で同指標は前週比7%ダウンし7730万を記録しました。またゲイル「Abcdefu」はそのラジオが堅調で前週比3%アップとなる5480万を記録(同指標5位)、総合でも7→4位に上昇しています。

 

リル・ナズ・X「Thats What I Want」が3ランクアップし9位に。『Montero』がアルバムチャートで2位に初登場した昨年10月2日付においてこの曲も10位に初登場しましたが、その際の最高位を今週塗り替えた形です。ラジオが強く5230万を獲得したほか、ストリーミング860万、ダウンロード3200を獲得してます。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) カロリーナ・ガイタン、マウロ・カスティージョ、アダッサ、レンジー・フェリズ、ダイアン・ゲレロ、ステファニー・ベアトリス & エンカント・キャスト「We Don't Talk About Bruno」

2位 (4位) グラス・アニマルズ「Heat Waves

3位 (3位) アデル「Easy On Me」

4位 (7位) ゲイル「Abcdefu」

5位 (5位) ザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」

6位 (6位) コダック・ブラック「Super Gremlin」

7位 (8位) エド・シーラン「Shivers」

8位 (9位) ジャスティン・ビーバー「Ghost」

9位 (12位) リル・ナズ・X「Thats What I Want」

10位 (11位) ガンナ & フューチャー feat. ヤング・サグ「Pushin P」

ガンナ & フューチャー feat. ヤング・サグ「Pushin P」がトップ10返り咲きを果たした今週。一方で前週「Do We Have A Problem?」を2位に送り込んだニッキー・ミナージュ & リル・ベイビーは同曲が早くもトップ10落ちし、また新曲「Bussin」は初登場20位となっています。

エド・シーラン「The Joker And The Queen」は新たにテイラー・スウィフトが客演参加したバージョンによりソングスチャート21位に初登場。トップ40ヒットはエドが22曲目となった一方、テイラーは史上2位となる86曲目となりました。なおこの記録の最高はドレイクの145曲となっています。

また、今週は集計期間に開催されたスーパーボウルハーフタイムショーの影響が反映されています。ショーについてはこちらで確認可能です。

ダウンロード指標では4位までがスーパーボウルハーフタイムショー披露曲で占められ、ドクター・ドレー feat. スヌープ・ドッグ「Still D.R.E.」が23位、「The Next Episode」は37位にそれぞれ再登場。後者は2000年7月に23位を記録していますが、前者は1999年11月に93位を記録したのが最高であり、ダウンロードに加えてストリーミングの上昇により22年の時を経て最高位を更新しています。

またエミネム「Lose Yourself」は40位にカムバック。この曲は2002年から翌年にかけて12週首位を記録しています。

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。2月26日付ではGlobal 200においてカロリーナ・ガイタン、マウロ・カスティージョ、アダッサ、レンジー・フェリズ、ダイアン・ゲレロ、ステファニー・ベアトリス & エンカント・キャスト「We Don't Talk About Bruno」が3連覇、Global Excl. U.S.ではゲイル「Abcdefu」が7連覇を達成しました。

「We Don't Talk About Bruno」はGlobal 200において、ストリーミングが前週比9%ダウンの5910万、ダウンロードが同13%ダウンの11100を獲得しています。

ゲイル「Abcdefu」はGlobal Excl. U.S.においてストリーミングが前週比4%ダウンの3840万、ダウンロードが同8%ダウンの5400となり、同曲はGlobal 200でも2位をキープしています。Global Excl. U.S.における「Abcdefu」の7週首位は、ザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」およびオリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」の9週、BTS「Dynamite」の8週に続く歴代4位となり、アデル「Easy On Me」に並びました。

 

(上記は公式オーディオとなります。)

ベッキー・G & カロルG「Mamiii」がGlobal 200で7位、Global Excl. U.S.では10位に初登場。2月10日リリースのこの曲は今週初の1週間フル加算となったことでグローバルチャート200位以内に登場した形です。

(なおベッキー・Gの日本での表記はメディアによって異なり、ベッキーGと表記するところもある一方、カロルGにおいては日本のレコード会社でこのように表記されています。)

「Mamiii」はGlobal 200においてストリーミング5610万、ダウンロード7700を、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではストリーミング3940万、ダウンロード1100をそれぞれ獲得。ベッキー・GにとってはGlobal 200、Global Excl. U.S.共に初のトップ10入りとなった一方、カロルGにおいては「Bichota」が2021年1月にGlobal 200で7位、Global Excl. U.S.で5位に登場しており、今回共に2曲目のトップ10入りとなります。

米では21位に初登場を果たしたエド・シーラン feat. テイラー・スウィフト「The Joker And The Queen」がGlobal 200で10位に到達。エドのアルバム『= (Equals)』が初登場した2021年11月13日付でエド単独のオリジナルバージョンがGlobal 200で99位にランクインしましたが、リミックスの追加により最高位を更新した形です。

Global 200ではストリーミング3110万、ダウンロード22800を獲得し、エド・シーランにとっては3曲目、テイラー・スウィフトは4曲目のトップ10入りとなりました。

 

Global Excl. U.S.ではBTSのジョングクが、同じくメンバーのSUGAプロデュースによる「Stay Alive」にて8位に初登場。ストリーミング2570万、ダウンロード30400を記録しています。

Global Excl. U.S.において、BTSジャスティン・ビーバーと並び最多タイとなる7曲のトップ10ランクイン曲を記録し、そのうち5曲を首位に送り込んでいますが、ソロでは今回初めてトップ10入りを果たしました。これまでのソロ曲ではジミン「Yours」が昨年11月に67位、SUGAがジュース・ワールドと組んだ「Girl On My Dreams」が昨年12月に55位、Vが今年1月に「Christmas Tree」で43位を記録したのが最高となっています。