イギリス発、ヒット曲を網羅した老舗コンピレーションアルバム"Now"シリーズの最新作、『Now 104』が今月リリースされています。弊ブログではこれまで、トラックリストを順位やミュージックビデオ付で紹介していましたが今回から簡素に、しかし要点を押さえる形で紹介します。
Who’s heading out to get NOW 104 today? 🙌
— NOW That's What I Call Music (@NOWMusic) November 9, 2019
The only album you will need this Winter!
FULL TRACKLIST: https://t.co/TkaHvGg4Ql pic.twitter.com/HOY7cUSfes
Spotifyプレイリストは"Now"側が用意したもののようです。11月23日朝の段階で、アリアナ・グランデ & ソーシャル・ハウス「Boyfriend」等一部抜けはあるものの、ほぼ全ての曲を押さえています。
イギリスのソングスチャートで首位を獲得した曲はきちんと網羅。とはいえ『Now 104』に収録されている首位曲はエド・シーラン feat. ストームジー「Take Me Back To London」(5週)およびトーンズ・アンド・アイ「Dance Monkey」(現在まで7週)の2曲のみであり、この前に首位を獲得したショーン・メンデス & カミラ・カベロ「Senorita」は前作『Now 103』に収録されていますのでそちらを是非。「Dance Monkey」、および米ビルボードソングスチャートでもトップ5入りしたマルーン5「Memories」についてはReal Soundに寄稿しています。
『Now 104』のブックレットには、「Memories」は『パッヘルベルのカノン』のメロディをベースに…』と記載。リリース後間もなく情報が少ない段階で上記記事を執筆したゆえカノン進行については恐る恐る触れた程度だったのですが、ブックレットは堂々としていますね。
注目は「Dance Monkey」やリル・テッカ「Ransom」といった、サブスクリプションサービスで大ヒットした曲も押さえているということ。
Nowシリーズはクリーンバージョンでの収録ゆえ注意が必要ですが、未CD化のままの楽曲がCDとして手に入るのが利点。ちなみにリル・テッカのアルバム(ミックステープ)は8月末にリリースされながらCD化は12月はじめまで待つこととなり、また「Old Town Road」が世界的に大ヒットしたリル・ナズ・Xについては今回「Panini」が収録されていますが、その2曲が収録されたEP『7』は来年開催のグラミー賞で最優秀アルバム賞にノミネートされながら未だCD化されていません。ゆえに「Panini」は今作で、「Old Town Road」(ビリー・レイ・サイラス客演版)は前作『Now 103』でいち早くCD化されていることとなります。
嬉しいのは、カイゴ & ホイットニー・ヒューストン「Higher Love」が収録されること。スティーブ・ウィンウッドのナンバーをホイットニーがカバーし、日本でのみCD化していた作品(『I'm Your Baby Tonight』(1990)のボーナストラックとして収録)。ホイットニーの財団から公式オファーを受けたカイゴによりリミックスされ、米63位、英2位を記録。米ビルボードダンスクラブソングスチャートでは首位を獲得しています。
また、米4位、英7位を記録し今後の伸びも期待されるリゾ「Good As Hell」は元来EP『Coconut Oil』に収録されたものが現在ヒット中。このEPもCD化されていないため、貴重な収録となりました。
リゾは来年開催のグラミー賞で主要4部門(最優秀レコード賞、最優秀アルバム賞、最優秀楽曲賞および最優秀新人賞)全てにノミネート。同じく主要部門を網羅したビリー・アイリッシュ共々注目の的に。なおビリー・アイリッシュ「All The Good Girls Go To Hell」も『Now 104』に収められています(ビリーのオリジナルアルバムはCD化されています)。
今作『Now 104』はイギリスの首位曲や未CD化の注目曲を押さえている点で良質なコンピレーションアルバムと言えます。イギリスでの発売から2週経過し、日本でも手に取りやすくなったと思いますので是非チェックしてみてください。