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ロディ・リッチ遂に10連覇、リル・ウージー・ヴァート3曲トップ10入り、ドレイクが新記録達成…3月21日付米ビルボードソングスチャートをチェック

ビルボードのソングスチャートをチェック。現地時間の3月16日月曜に発表された、3月21日付最新ソングスチャート。ロディ・リッチ「The Box」が遂に10連覇を達成し、リル・ウージー・ヴァートがトップ10に3曲初登場。また、ドレイクがソングスチャート(Hot 100)における史上最多ランクイン記録を更新しました。

遂に10週連続で首位の座に就いたロディ・リッチ「The Box」。10週以上首位の座を獲得したのはこれが39曲目となり、昨年19週という史上最長首位記録を更新したリル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」以来の二桁記録達成です。ストリーミングは前週比8%ダウンの4510万を獲得し同指標11週目の首位、ダウンロードは同12%ダウンの10000(同9位)、ラジオエアプレイは同3%アップの6560万(同10位)と、未だラジオエアプレイが伸びています。

他方、2位以下は大きく動きました。

前週自己最高の3位に上昇したデュア・リパ「Don't Start Now」はさらに1ランク上昇し2位に到達。ラジオエアプレイは前週比3%アップの9780万となり、ポスト・マローン「Circles」(今週総合5位)を抜いて遂に同指標を制覇。所属レコード会社のワーナーで女性歌手がラジオエアプレイを制したのは今から25年前のマドンナ「Take A Bow」以来となります。

4位にはザ・ウィークエンド「Blinding Lights」が3ランクアップし、彼にとって8曲目となるトップ5ヒットとなりました。上昇の理由は3月7日に放送された『サタデー・ナイト・ライブ』(NBC)でこの曲を披露したため。ダウンロードは前週比31%アップの22000となり同指標2位を獲得、ストリーミングは同2%ダウンの2140万(同指標12位)、ラジオエアプレイは同14%アップの6420万(同11位)となっています。

今週は、米ビルボードアルバムチャートを制したリル・ウージー・ヴァートが躍進。アルバム『Eternal Atake』収録の全18曲を含む20曲が今週のソングスチャート100位以内に登場し、そのうちアルバム収録曲の「Baby Pluto」が6位、「Lo Mein」が8位、「Silly Watch」が9位にいずれも初登場を果たしました。

トップ10入りした3曲はストリーミングで2~4位を獲得。トップ10に3曲以上を初登場で送り込んだのはJ・コール(2018年5月5日付)、ドレイク(2018年7月14日付)およびリル・ウェイン(2018年10月13日付)以来となる4組目。リル・ウージー・ヴァートはこれまで、ミーゴスに客演参加した「Bad And Boujee」で2017年にチャートを制したほか2曲のトップ10ヒットを持っていますが、今回の3曲ランクインによりトップ10ヒットは計6曲に。そして次週さらに増やすかもしれません。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) ロディ・リッチ「The Box」

2位 (3位) デュア・リパ「Don't Start Now」

3位 (2位) フューチャー feat. ドレイク「Life Is Good」

4位 (7位) ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」

5位 (4位) ポスト・マローン「Circles」

6位 (初登場) リル・ウージー・ヴァート「Baby Pluto

7位 (6位) アリゾナ・ザーヴァス「Roxanne」

8位 (初登場) リル・ウージー・ヴァート「Lo Mein」

9位 (初登場) リル・ウージー・ヴァート「Silly Watch

10位 (10位) ジャスティン・ビーバー feat. クエイヴォ「Intentions」

冒頭で紹介したドレイクの最高記録更新について。

リル・ヨッティおよびダベイビーとの「Oprah's Bank Account」が今週89位に初登場を果たしたことで、ドレイクは208曲目となるソングスチャート100位以内ランクイン。グリー・キャストの持つ207曲を上回り、単独での最多記録を達成しました。

ドレイクは2009年5月23日付で「Best I Ever Had」が92位に初登場して以来、10年10ヶ月で単独最多記録を更新。一方のグリー・キャストはドレイク初登場の2週間後にジャーニーのカバー「Don't Stop Believn'」を4位に、エイミー・ワインハウスのカバー「Rehab」を98位にそれぞれ送り込み、チャート上でのキャリアをスタートさせています。グリー・キャストはドラマの出演者による作品群ということもあり、2013年10月までのわずか4年強の間に207曲を一気にランクインさせていますが、ドレイクは今回遂にグリー・キャストを抜き去った形です。なお現在の最多ランクイン記録トップ10はドレイク、グリー・キャストに次いでリル・ウェイン(168曲)、エルヴィス・プレスリー(109曲)、ニッキー・ミナージュ(108曲)、カニエ・ウェスト(107曲)、ジェイ・Z(100曲)、クリス・ブラウン(99曲)、テイラー・スウィフト(97曲)、フューチャー(93曲)の順となっています。

 

さて来週以降ですが、ザ・ウィークエンドが今週末に「Blinding Lights」を含むニューアルバム『After Hours』を、デュア・リパが4月3日に「Don't Start Now」を含むニューアルバム『Future Nostalgia』をリリースすることによりそれぞれの収録曲が再来週および4週後のチャートで上昇することが見込まれ、「The Box」との首位争いが面白くなりそうです。そして次週はリル・ウージー・ヴァートのアルバム『Eternal Atake』のデラックス・エディション収録曲が大挙初登場を果たす可能性が。デラックス・エディションについては昨日記載していますが、トップ10の初登場曲数のみならず、今週ソングスチャートに20曲を送り込んだリル・ウージー・ヴァートが次週は何曲ランクインさせるかも気になります。