毎週木曜は、前日発表されたビルボードジャパン各種チャートの注目点をソングスチャート中心に紹介します。今週のソングスチャートを制したのはSexy Zone「麒麟の子」でした。
【ビルボード】Sexy Zone「麒麟の子」が161,590枚を売り上げ総合首位獲得 https://t.co/pNr9CSeHmD pic.twitter.com/by5Ja4hcHk
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) October 30, 2019
#ビルボードジャパン最新チャート速報
— Kei / ブレストコナカ (@Kei_radio) October 30, 2019
ソングスチャート、Twitter指標では #SexyZone「#麒麟の子」(総合1位)がトップに、シングルCDのダブルAサイドである「#HoneyHoney」が2位。「Honey Honey」は総合でも55位にランクインしています
シングルCDセールスが強い楽曲は前週のランクが極端に低いことが多いのですが(後述の今年度1位獲得曲一覧をご参照ください)、Sexy Zone「麒麟の子」の前週は32位。デジタル指標群が弱いジャニーズ事務所所属歌手にあって、Twitter指標に長けていることが高位置に登場した要因と言えます。一方でシングルCDセールス指標がダウンする次週、どこまで踏みとどまるかに注目です。
さて、今回注目したいのはOfficial髭男dism。
●Official髭男dism「Pretender」、最高ポイントを獲得
前週遂にソングスチャートを制したOfficial髭男dism「Pretender」。今週Sexy Zoneが1位を獲得することは予想出来ていましたが、「Pretender」はワンランクダウンにとどまった上、今週最高ポイントを更新したのです。
#ビルボードジャパン最新チャート速報
— Kei / ブレストコナカ (@Kei_radio) October 30, 2019
ソングスチャート2位の #Official髭男dism「#Pretender」は9663ポイント。初めて首位を獲得した前週に比べて112.1%とポイントを大きく伸ばしたのみならず、過去最高のポイントを獲得しています
「Pretender」については前週、週毎のポイントを含むチャート推移を記載しています。
そして、今年度1位獲得曲における翌週の動向をみると、翌週のポイントが前週比100%を超えるのは今回が二度目。
([前週]は前週の順位、左の[P]は首位獲得週の総合ポイント、[CD]は同週のシングルCDセールス指標の順位、[翌週]は翌週の順位、右の[P]は翌週の総合ポイント、[前週比]は翌週におけるポイント前週比、ポイントの[※]は翌週50位未満となったためポイントが不明であることを示し、翌週のポイントが不明なものは前週比の欄に[(計測不能)]と記載しています。)
前回は1月7日→1月14日付における米津玄師「Lemon」。ポイント倍増の理由は、1月14日付の集計期間が昨年の大晦日からの1週間であり、『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)の出演効果とみられます。
今週なぜ数字を伸ばしたかについては、ビルボードジャパンストリーミングソングスチャートの記事に記載されています。
10月25日にはペンタトニックスによる「Pretender」アカペラ・カヴァーが公開、26日からは新アルバムを引っ提げた全国ツアーがスタートするなど、トピックの絶えないOfficial髭男dism。今週もトップ100に15曲がエントリーしており、その総再生回数は3,000万回を超えた。
ペンタトニックスによる日本語バージョンの「Pretender」は話題に。
このインパクトは大きく、カバーバージョンはTwitter指標でトップ10入り。そして同指標ではオリジナルバージョンも並んでランクインしています。
#ビルボードジャパン最新チャート速報
— Kei / ブレストコナカ (@Kei_radio) October 30, 2019
Twitter指標では面白い動きが。#Official髭男dism「#Pretender」(総合2位)が37→9位に急上昇。実は同指標10位に #ペンタトニックス(#Pentatonix)による同曲のカバーバージョンが入り総合でも84位に初登場。相乗効果とみられます
(上記CHART insightにおける水色の折れ線グラフがTwitter指標。)
さらに、ツアー初日の模様についてはOfficial髭男dismの公式Twitterアカウントで発信。
#髭男 Tour 19/20 - Hall Travelers -
— Official髭男dism (@officialhige) October 26, 2019
初日市川公演、無事終了しました!
お越し下さった皆さんありがとうございました!
ツアー行ってきます🤘#ラババンはふなっしーカラー pic.twitter.com/6Ce43zmMol
その翌日、27日日曜にはアルバム『Traveler』特別CMがOA。
ペンタトニックスのカバーがOfficial髭男dismにとってサプライズだったかは判りかねますが、畳み掛けるようなスケジュールで彼らへの熱が持続した結果、ストリーミング指標のカウント対象となるサブスクリプションサービスにおいて史上初となる週間再生数600万回超えを達成したものと考えられます。
アルバム『Traveler』が前週末からレンタル解禁となったことで、アルバム収録曲の「Pretender」をはじめ「宿命」「Stand By You」のシングルCDセールスおよびルックアップ指標は今後収束するだろうとは思われます。しかしながら既にロングヒットの波に乗っていることや、今後年末年始の歌番組出演、『NHK紅白歌合戦』への出演(これは間違いないでしょう)を機に、米津玄師「Lemon」同様にOfficial髭男dismが年始のチャートを席巻する可能性があるかもしれません。
それにしても #Official髭男dism の快進撃は素晴らしいですね。レンタル解禁、そしてペンタトニックスのカバーを見事に追い風にしています。今後『NHK紅白歌合戦』への初出場、紅白を含む年末の音楽番組出演を経て、来年はじめのチャートでは今年の「Lemon」のような複数週制覇も夢ではないでしょう
— Kei / ブレストコナカ (@Kei_radio) October 30, 2019
●LiSA「紅蓮華」、サブスクリプションサービス解禁で三度目のピークを目指す
#ビルボードジャパン最新チャート速報
— Kei / ブレストコナカ (@Kei_radio) October 30, 2019
ソングスチャート11~20位をみると、#LiSA「#紅蓮華」が19→15位に。サブスクリプションサービスでこれまでの楽曲を解禁したことでストリーミング指標が16位に急伸。同指標がチャート構成比の4割程度に。さらには新曲「#unlasting」が16位に初登場
LiSAさんがサブスクリプションサービスを解禁したのは10月21日月曜。公式Twitterアカウントをみると下記ツイートの発信が同日午前0時であり、集計期間をフルに活用していることが解ります。
【サブスク解禁】最新曲「unlasting」と最新シングル「紅蓮華」を含む、LiSAのこれまでの全楽曲が各サブスクリプションサービスにてストリーミング配信決定!あの曲もこの曲も、たくさん聴いてください!お楽しみに!https://t.co/8M7mMDQn6W#LiSA#サブスク解禁
— LiSA_STAFF (@LiSA_STAFF) October 20, 2019
ニューアルバムからの先行曲「unlasting」も同時に解禁され16位に初登場したのみならず、「紅蓮華」は15位に上昇。ストリーミング指標16位というのはLiSAさんの全楽曲の中で同指標最高位となります。
(上記CHART insightにおける青の折れ線グラフがストリーミング指標。他方、後述する動画再生指標は赤で表示。)
「紅蓮華」は先行リリースされたダウンロードが初めて反映された5月6日付、およびシングルCDセールスが初めて反映された7月15日付で共に最高位となる5位を獲得。CDリリース後は一旦55位までダウンするもののその後はカラオケ人気と共に上昇し、今回ストリーミング指標が大きく飛躍したことで15位に達しました。この人気は4~9月に放送され、「紅蓮華」がオープニングテーマに起用されたテレビアニメ『鬼滅の刃』(TOKYO MXほか)に因るものが大きくまた映画公開も決定したことから、テレビアニメは終了したものの「紅蓮華」人気は続くかもしれません。
ちなみに自分は、Spotifyバイラルチャート(SNSで引用されている人気の楽曲を示すもの)でヒットしている、RADWIMPS野田洋次郎さんのソロプロジェクト、illionの2013年の楽曲「GASSHOW」から『鬼滅の刃』(の人気)にたどり着きました。その点について、Real Soundにて紹介しています。
LiSA「紅蓮華」がさらなるヒットを掴むためには、ラジオエアプレイ以外の接触指標群で唯一弱い動画再生指標を上げることが必要と思われます。YouTubeで現在公開されているミュージックビデオはショートバージョンであり、フルバージョンでないものが再生回数を伸ばさないことは弊ブログで以前から述べていること。レコード会社等の英断を願うばかりです。
●Foorin「パプリカ」、動画再生指標が遂に100位以内に
以前からずっと指摘してきたことが、ようやくという感じです。
Foorin「パプリカ」については前週、動画再生指標が100位圏外(300位以内)に初めて登場したタイミングで一度記載しました。
そして今回、遂に動画再生指標が100位以内に入りました。NHKのYouTubeアカウントから発信された動画に同指標加算対象の条件である国際標準レコーディングコード、ISRCが付番されたと考えていいでしょう。
(なお、動画説明欄に楽曲クレジットは未記載となっています。)
ビルボードジャパンソングスチャートの社会への浸透に合わせて、レコード会社や芸能事務所がISRC付番を意識するようになってきたかもしれませんが、YouTubeにアカウントを持つテレビ等のメディアもまた意識付けを徹底する必要があるでしょう。