毎週木曜は、前日発表されたビルボードジャパン各種チャートの注目点をソングスチャート中心に紹介します。
2月3~9日を集計期間とする2月17日付ビルボードジャパンソングスチャートはOfficial髭男dism「I LOVE...」が制しました。昨日シングルCDがリリースされたこの曲は、昨年6月17日付の米津玄師「海の幽霊」以来となるシングルCDセールスおよびルックアップの2指標未加算での首位獲得となりました。
【ビルボード】Official髭男dism 「I LOVE...」CDリリース前週に総合首位獲得 米津「パプリカ」7.4万DLで総合4位に初登場 https://t.co/RREWVR7XYs pic.twitter.com/30ZncderrU
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2020年2月12日
翌週CD関連指標が加算されポイントが増加、その翌週には反動が生じることが予想されるものの、急落には至らないというのが私見。というのも、「I LOVE...」および2週連続でトップ10入りを果たしたビリー・アイリッシュ「Bad Guy」(今週8位)にはロングヒット中の曲との共通点を見出すことが出来るのです。
・1位 Official髭男dism「I LOVE...」
2位 Official髭男dism「Pretender」
3位 King Gnu「白日」
5位 LiSA「紅蓮華」
8位 ビリー・アイリッシュ「Bad Guy」
10位 Official髭男dism「宿命」
ロングヒット中の5曲(「Pretender」「白日」「紅蓮華」「まちがいさがし」「宿命」)と「I LOVE...」および「Bad Guy」は、その比率に若干の差はあれどストリーミング指標がチャート構成比のおよそ5割を占めています(「紅蓮華」は4割に満たないものの、CD関連指標が他の曲より高く、ストリーミング指標を補強出来ていると言えます)。ストリーミング指標は各種サブスクリプションサービスの再生回数を指し、有料サービスと無料とで1再生回数あたりのウェイトに差が設けられています。この、有料と無料とでのウェイト差については以前紹介しています(→こちら)。
ストリーミング指標において、1再生あたりどれだけのポイントを獲得しているかを算出してみると。
円グラフにおけるストリーミング指標の割合を目視でしか測れないため(測る手段を知っている方がいらしたら、教えていただけたならば幸いです)、また有料と無料との再生比率が曲によって異なるため、1再生あたりのポイントはあくまで目安でしかありません。しかしながら、100万再生で700回を超えるポイントを稼いでいることがここから理解出来ます。
接触指標群は上昇こそ急激なこともありますが、下降が緩やかなのが特徴。動画再生指標も「I LOVE...」「Bad Guy」および「紅蓮華」以外はチャート構成比の20~25%程度を占めていることから、これら2つの接触指標群だけで7割強を占める曲がロングヒットするという法則が成り立つと言えるでしょう(それゆえ、ミュージックビデオをフルバージョンでアップしていない「紅蓮華」の勿体無さが際立ちます。短尺版が再生回数を伸ばさないことは以前から弊ブログで言及しています)。下記リンク先のCHART insightより確認出来るチャート構成比から、その曲がロングヒットの法則に則っているかをチェックすることが真のヒット曲を知る上で重要であり、著しく乖離しているならば改善点を見出すことが必要です。無論、サブスクリプションサービス未解禁ならば解禁に動く必要があります。