イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

前週トップ10初登場曲の最新動向、そして『Dear Jubilee -RADWIMPS TRIBUTE-』から学ぶべきことについて

昨年夏以降再開したこのエントリーですが、タイトルを”前週トップ10初登場曲の最新動向”とした上で、副題を新たに設けています。前週の内容はこちら。

 

ビルボードジャパンソングチャートの動向を分析する者として、真の社会的ヒット曲とはロングヒットする、年間チャートで上位に進出する作品と考えます。週間単位で上位に入るのは好いことですが、他方で所有指標が極度に強い曲は加算2週目に、また接触指標が所有指標的な動きをなぞる曲(主にLINE MUSIC再生キャンペーン採用曲)はキャンペーン終了後に指標が大きく後退し、総合でも急落することが少なくありません。

この急落は毎週のようにみられます。ソングチャートのトップ10は多いときで5曲程度が毎週入れ替わり、ロングヒットするか否かが極端に分かれます。主にライト層の支持が反映されるストリーミングがロングヒット曲では強い一方、急落する曲はコアファンとライト層との乖離が大きいのですが、これらを1週分のチャートの順位およびポイントのみで判断することは、現状では難しい状況です。

そのため、このブログエントリーではビルボードジャパンに対しチャートポリシー(集計方法)の改善も提案していますが、あくまで自分なりのと前置きしつつもチャートの見方を提示したいと考えたのが、エントリー掲載の理由です。

 

<2025年11月26日公開分 ビルボードジャパンソングチャート

 前週初めてトップ10入りした作品の、前週および当週におけるCHART insight>

 

※CHART insightの説明

 

[色について]

黄:フィジカルセールス

紫:ダウンロード

青:ストリーミング

黄緑:ラジオ

赤:動画再生

緑:カラオケ

濃いオレンジ:UGC (ユーザー生成コンテンツ)

 (Top User Generated Songsチャートにおける獲得ポイントであり、ソングチャートには含まれません。)

ピンク:ハイブリッド指標

 (BUZZ、CONTACTおよびSALESから選択可能です。)

 

[表示範囲について]

総合順位、および構成指標等において20位まで表示

 

[チャート構成比について]

累計における指標毎のポイント構成

 

・timelesz「Steal The Show」

 11月19日公開分 2位→11月26日公開分 100位未満

NMB48「青春のデッドライン」

 11月19日公開分 3位→11月26日公開分 100位未満

 

 

当週のストリーミング表はこちら。

 

前週トップ3内に初登場した2曲についてですが、デジタル未解禁もしくは解禁するも未加点だったという状況について下記エントリーで紹介しています。結果的にデジタルを味方にできなかった2曲は当週、総合100位未満へ大きく後退した形です。

実はtimelesz「Steal The Show」においてはミュージックビデオのみならず下記動画も用意されていますが、ミュージックビデオ同様に短尺版となっています。

 

STARTO ENTERTAINMENT所属歌手についてはデジタル(ダウンロードおよびサブスク)に明るくない状態を続けているといえます。これはtimelesz「Steal The Show」のみならずSnow Man『音故知新』、そして今週リリースされたHey! Say! JUMPのアルバム『S say』がいずれもフィジカル先行という状況から明らかでしょう。

ミュージックビデオはフィジカルリリースに先駆けて解禁する傾向にありますが、それでもショートバージョンが未だ少なくないといえます。そしてデジタル未解禁作品については、YouTubeに公式オーディオを用意することはないはずです。

 

 

そんな中、当週のソングチャートではRADWIMPSのトリビュートアルバム『Dear Jubilee -RADWIMPS TRIBUTE-』収録曲が大挙初登場を果たしています。注目は公式動画が(公式)オーディオのみながら動画再生指標が高く、ストリーミング指標と比例傾向にあるということ。公式オーディオのみの展開であったとしてもきちんと聴かれている…言い換えれば聴かれるための環境づくりに徹し、デジタルを味方につけているのです。

さて、『Dear Jubilee -RADWIMPS TRIBUTE-』収録曲のソングチャートにおける指標構成には特徴があります。それは動画再生指標も強いということ。下記は最新11月26日公開分における上位20曲の構成6指標順位を示したCHART insightですが、赤で示される動画再生と、同じ接触指標であるストリーミングの順位が比例していることが解るはずです。

 

※ 上記CHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています。なおビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています。

 

昨日付エントリーの最後、『『Dear Jubilee -RADWIMPS TRIBUTE-』はデジタルの充実(公式オーディオ用意等)やユーザーへの多彩な選択肢の用意が結果につながっており、日本の音楽業界に学ぶきっかけを与えたといっても過言ではないでしょう』と記しました。デジタルに明るくない歌手そして組織は特に、今回の『Dear Jubilee -RADWIMPS TRIBUTE-』の動向を分析し、血肉とすることを願います。