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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ソングチャートトップ10入り目前は二度目…HUNTR/X「Golden」の日本での動向をどう捉えるか

最新10月8日公開分ビルボードジャパンソングチャート(集計方法:9月29日~10月5日)では、『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ (原題:Kpop Demon Hunters)』サウンドトラックに収録されたHUNTR/X(ハントリックス)(イジェ、オードリー・ヌナ & レイ・アミ)「Golden」が14→11位に上昇。3週ぶりに同曲最高位へ返り咲いていますが、トップ10入りは未だ果たしていません。

 

 

HUNTR/X(ハントリックス)(イジェ、オードリー・ヌナ & レイ・アミ)「Golden」のビルボードジャパンソングチャートにおけるCHART insightをみると、大きな動きが確認できます。

HUNTR/X「Golden」では前週10月1日公開分にて、動画再生指標(CHART insightでは赤で表示)が89→22位に急伸。これはこのブログにて以前紹介した、動画再生指標のカウント対象となるISRC(国際標準レコーディングコード)が付番されただろうことが影響していると考えられます。

YouTubeにおけるミュージックビデオランキングにおいて、HUNTR/X「Golden」はグローバルのみならず日本でも9月20日付で初ランクインを果たしています(同日付ランキングはこちら)。なお、動画公開からおよそ3ヶ月が経過したタイミングでISRCが付番され、動画再生指標(グローバルチャートにおいてはストリーミング指標)のカウント対象となった理由は不明です。

これによりHUNTR/X「Golden」は前週総合ポイントを伸ばしましたが、総合ソングチャートでは13→14位と後退(前週トップ10初登場曲の最新動向と、BE:FIRST「空」のフィジカルセールス加算2週目における後退について(10月4日付)掲載のストリーミング表参照)。トップ10内に5曲が初登場、またXG「GALA」やねぐせ。 feat. 汐れいら「織姫とBABY」が追い抜いたことも、「Golden」の順位面での後退に影響した形です。

 

一方で、HUNTR/X「Golden」は当週におけるポイント前週比が96.9%となりながら、順位を上げています(上記ストリーミング表参照)。実は当週においてポイント全体が下がってきており、その中にあって下落幅を抑えた「Golden」がトップ10目前まで上昇できたのではというのが自分の見方です。

 

ポイント全体の低下については、下記グラフにて確認できます。

上記は2023年度以降のビルボードジャパンソングチャートにおける1位、10位および50位の週間ポイント推移を示したもの。ビルボードジャパンは2022年度まで8指標で構成されていますが、ルックアップおよびTwitter指標を廃止して以降は後述する分以外に大きなチャートポリシー(集計方法)変更は多くないと考え、2023年度以降のグラフを用意しています(その大きな変更前後で各順位の色を分けています)。

大きな変更とは、2025年度下半期以降にリカレントルールを採用したこと。Streaming Songsチャートのデータをストリーミング指標へ適用する際、総合100位以内に52週以上ランクインした曲については指標化時に減算処理を施すようになりました。それによりMrs. GREEN APPLEライラック」を筆頭に、獲得ポイントが大きく減少しています。総合10位および50位に絞った定点観測グラフをみると、変更後の動向がよく解ります。

リカレントルールはロングヒット曲のみに適用されるため、新曲や新たに話題になった作品のヒットが可視化されやすくなったといえます。しかしながらリカレントルール適用曲は以前ならば常時トップ50入りできたものが多く、ルール抵触に伴いそれら作品が一気に後退して以降は総合10位および50位のポイント水準は低下。そして最新10月8日公開分では、10位および50位のポイントは2023年度以降で最も低くなっています。

 

これは当週、50位以内の初登場が2曲のみ(再登場を含めても3曲)だったことも影響しているといえるでしょう。また米津玄師「IRIS OUT」の特大ヒットに伴いサブスクサービス自体の利用者が増えたことの緩やかな反動もあるかもしれません。実際、「IRIS OUT」が日本のSpotifyにて過去最高のデイリー再生回数を記録した9月23日は、同サービス200位における再生回数も過去最高に達しており、後の緩やかな反動が想起可能です。

 

 

次週10月15日公開分のビルボードジャパンソングチャートにてフィジカルセールス指標の基となるTop Singles Salesチャート、その速報値をみると4位までが総合トップ20入りを狙えるものと捉えています。ゆえに総合10位や50位の水準は高まるものと思われますが、フィジカルセールスばかりが強い曲は直後に後退する傾向にあり尚の事、曲毎のポイント推移を見極め、ロングヒット曲はどれかをきちんと判断することが重要です。

 

たとえば、今年に入り注目された清水翔太「PUZZLE」はビルボードジャパンで最高11位ながら、27週連続で総合100位以内にエントリーを果たしています。ストリーミング指標は通算7週に渡りトップ10入り(うち5週分はビルボードジャパンがリカレントルールを採用する前に記録)したことを踏まえれば、同曲は十分ヒットしていると捉えていいでしょう。『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)の初出場の可能性は十分と感じています。

清水翔太「PUZZLE」の動向を踏まえれば、HUNTR/X「Golden」も十分ヒットしていると考えて差し支えないでしょう。『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ (原題:Kpop Demon Hunters)』もビルボードジャパンアルバムチャートで13週連続トップ10入りを果たしており、尚の事です。「Golden」そして『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』が日本でもっとメディア露出できたならば、状況はさらに変わるかもしれません。