最新11月12日公開分ビルボードジャパンソングチャート(集計期間:11月3~9日)では米津玄師「IRIS OUT」が初登場から8連覇を達成し、単独自己最長首位記録を達成しています。

米津玄師「IRIS OUT」は当週もストリーミング、動画再生およびカラオケの3指標を制覇。またラジオは前週比168%を記録し同指標13→3位と推移しています。ストリーミング指標の基となるStreaming Songsチャートでは再生回数が前週比92.5%となった一方で総合ポイントの前週比は94.7%に。ラジオ等の好調がポイント減少率を抑えたといえるでしょう。結果、「IRIS OUT」の通算首位獲得週数は歴代6位タイに上昇しています。
◎通算首位獲得回数ランキング
1位 YOASOBI「アイドル」22回
2位 Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」19回
3位 Ado「唱」13回
3位 Official髭男dism「Subtitle」13回
5位 Aimer(エメ)「残響散歌」9回
6位 LiSA「炎」8回
6位 米津玄師「IRIS OUT」8回
8位 Official髭男dism「Pretender」7回
8位 Mrs. GREEN APPLE「ライラック」7回
8位 Official髭男dism「I LOVE…」7回
8位 米津玄師「Lemon」7回
【ビルボード】米津玄師「IRIS OUT」が8週目の総合首位、「Lemon」の通算首位獲得数を上回る https://t.co/S7vesTjjZ4
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2025年11月12日
さて当週は週間フィジカルセールスが10万を超えた作品がないこと、また前週初めてトップ10入りした曲が後退したこともあり、トップ5においては週間3位、4位そして5位のポイントが今年度最低となっています。その状況も、米津玄師「IRIS OUT」のライバル不在という状況を生んだといえるでしょう。

当週におけるポイント前週比が直近4週にて最も高いのは、集計期間初日が祝日であり平日が4日のみだったため。言い換えれば、次週は反動することが考えられます。仮に次週の獲得ポイントが前週比85%で推移した場合は「IRIS OUT」は11,281ポイントを獲得することとなりますが、総合首位の座はキープできる可能性が高いと思われます。
【#オリコンランキング】11/11付 デイリーランキング更新!#シングル 1位はtimelesz
— オリコンニュース (@oricon) 2025年11月12日
▼シングルランキングhttps://t.co/A7rolRShhT
デイリーのフィジカルセールスが発表されるオリコンでは、11月11日火曜日にてtimelesz「Steal The Show」「レシピ」(ダブルAサイド)が44万弱を売り上げ首位に。ビルボードジャパンでは12日水曜までの集計分が先ヨミ記事として本日登場し、同程度の売上が示されるものと思われます。ビルボードジャパンでは「Steal The Show」にフィジカルセールス指標が加点される一方、timeleszはデジタルを解禁していません。
先程は2025年度ビルボードジャパンソングチャートでの週間1位および2位獲得曲一覧表を掲載しましたが、フィジカルセールス指標初加算時にストリーミング指標未加算だった曲で総合ポイントが1万を上回ったのはSnow Man「SERIOUS」のみ(7月30日公開分 11,720ポイント獲得)。同曲は90万を超えるフィジカルセールスが影響しています。timelesz「Steal The Show」が総合首位を獲得するには同規模の売上が必要となります。
先ヨミ記事が登場しない限り確信を持つべきではないものの、米津玄師「IRIS OUT」は次週も総合首位をキープするでしょう。状況を覆すには何よりもまずtimelesz側のデジタル解禁が必須ですが、オリジナルアルバム『FAM』もリリースから5ヶ月経過しながらデジタル未解禁を続けているという現状では、首位奪取は難しいものと考えます。
最後に。米津玄師「IRIS OUT」が通算首位獲得週数をどこまで伸ばすかについては、年末の音楽番組出演も影響すると捉えています。22週という最長首位獲得記録を保有するYOASOBI「アイドル」は2023年の『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)で披露したことも相まって、翌年1月17日公開分で首位に返り咲き。また7週首位記録を持つMrs. GREEN APPLE「ライラック」は、今年1月8日公開分以降通算5週に渡り首位に立っています。
これらはメディア露出のみならず、"どう魅せるか"も熟考したことが見て取れます。YOASOBIは「アイドル」披露の場を絞り、他方Mrs. GREEN APPLEはメディア露出が多かったのみならず年明けのバラエティ番組に出演し「ライラック」を披露しています。米津玄師さんはメディア露出が多くないゆえ前者に近い形を採ることが最善かもしれず、仮に年末の音楽番組で披露したならば「IRIS OUT」は再フックアップに至るでしょう。